- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784584122020
感想・レビュー・書評
-
料理評論家でもある著者が、「おいしく食べる」を題材にして、多くの「師」から受け継いた「先達の教え」の数々を『大人の作法』として紹介している。
「おいしいものを食べる」ことは誰にでもできるが、出されたものを「おいしく食べる」ためには、感性、見識、経験と様々なものが必要となる。それらは、ガイドブックを読んで習得できるものではなく、「師」となる年長者の所作を見聞きすることによって学んでいくものである。本書では、著者が師から学んだ様を紹介することを通して、それらの一端を学ぶことができる。
「おいしく食べる」ことこそ食文化の醍醐味であり、そのための技を伝承していくことは、文化の継承であり、自分を磨くことである。単なる食の話ではなく、人間性にまで通じるところを感じるにあたって、本のタイトルの意図がわかった気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
多くの師匠に恵まれた著者。
その理由を自身が分析したところによると、それは挨拶によるものだと言う。
気持ちの良い挨拶で、見込まれたのだ。
「大人の作法」というタイトルで、内容も大人のためのものだが、挨拶という子供の頃からの人としての作法があってのもの。
どんなに通ぶって「おいしいものを食べる」ことに懸命になっても、それは「おいしく食べる」ことではない。
フランスの食文化に「コンヴィヴァリテ」という思想があり、それは「食卓を囲む、一期一会の楽しさ」という意味だそう。会食する相手だけでなく、料理に対して、料理人に対して、レストランという空間に対しての一期一会。
全てがおいしく食べるための要素である。
こんな話を聞くと食に対して真剣さに欠けていたなどと思ったりする。
真剣さということでは、もう一つ興味のあるエピソードが紹介されている。
著者が、師匠である寿司屋の親方に蕎麦の名店に連れて行ってもらったときのこと。
せいろに蕎麦の切れ端が2 、3本残っていた。
そのとき「あんちゃん、割り箸ってのは垂直に立てると、そばの切れっ端だろうがなんだろうが、ちゃんとつかめるものなんだ。覚えときな」
「これはそばを食べてるんじゃないんだ。最後の切れっ端まで残さずに食べるってのは、『つくり手の気持ち』を食べているんだよ」と言われた話。
それはなにもお店に限ったことではなく、家庭でも同じことで、つくり手に感謝してその気持ちも残さず頂くということはとても大切である。
本書には、具体的な作法や著者の経験などが紹介されているが、私自身は各論よりも、食に対する態度といった総論が印象に残った。
細かな作法はそれができてからである。 -
しばらく借りてたわりにさらっと読了。和食、フレンチ、中華を如何に美味しく食べるかの作法本。著者の個人的な話もちらほら。男性向けですがへぇ~って感じです。お食事に行く時は気をつけます。この本の前半を読むと無性にお寿司が食べたくなった。
-
ホスト役はエンターテインする。
フランス料理はみんなで同じコースを頼む。
中華は大人数で行く。 寿司は産地を聞くのは愚の骨頂。天ぷらは天つゆで食べてもOK。
生き抜くための戒め。
・自己に厳しく
・時間を浪費しない
・不必要な交遊はしない
・自分より優れたものを目標にする
・酒、女、賭け事を避ける
・自己の可能性を信じる
・日々の発見に歓喜。
-
09/01/18 大人になるためにはお金もかかりそう。