脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584124475

感想・レビュー・書評

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  • 自分を大切にする脳の回路ができ上がれば、その瞬間からあなたの人生は変わっていく!
     
    アイディア豊富な脳にするには、妄想することが大切だ、なんてことを最近よく聞きます。
    だけど、どうしたら妄想の達人になれるのか?
     
    で、手に取ったこの本。
    第一章の章タイトルが「成功者は妄想する」
    まさに「妄想を現実にした」ウォルト・ディズニー、「夢見るダニー」と子供の頃から揶揄されながらも、個人経営だったマクドナルドを世界最大のハンバーガーチェーンに育て上げたレイモンド・アルバート・クロックetc...
     
    脳は意外に騙されやすい。
    妄想は脳を騙して、自分の望む方向に持っていく。
     
    プラシーボ効果、ウィンザー効果、ラベリング効果なんてのはまさにそう。
    環境を妄想した方向に近づけていけば、脳が妄想を信じ、現実化していく。
     
    自分も今日から環境を整えて、妄想を現実にしていく生活を始めたいと思います!

  • ガチガチの脳の話というよりも、身近な例を用いて読みやすく、心理学の視点としても紹介されています。


    脳は勘違いしやすいよということが多く紹介されています。


    話題としては、


    ゲシュタルト知覚(無意識に1つの塊として捉えてしまう)


    知識の錯覚(分かった気になる)


    速いシステムと遅いシステムの意思決定回路


    同調圧力


    相関関係と因果関係


    クラスター錯覚(関係ない出来事を意味があるように誤認する)


    認知バイアス


    バンドワゴン効果(周りの評判を信じて自己決定してしまうこと。「10万部突破」という宣伝文句につられて買ってしまうなど。)


    サンクコストの錯覚(コンコルド効果)(それまでに費やした費用や時間の影響で、合理的な意思決定ができなくなること)


    ハロー効果(肩書きや経歴など一部分の評価によって全体の評価をしてしまうこと。本を出版しているのだから頭がいいのだろう。)


    ラベリング効果(レッテルを先に貼ることで自分や相手の行動を意図した方向へ向かわせること。田中さんって几帳面ですよね。)


    ウィンザー効果(第三者を介した方が直接伝えるよりも効果が大きくなること)


    プラシーボ効果(偽物でも本物、効果があると信じることで有効な結果がでること。反対をノーシーボ効果)


    エミール クーエの法則(努力逆転の法則。意志の力で努力するほど、正反対の結果がでてしまうこと。)


    バーナム効果(誰にでも当てはまることをあたかも、自分に当てはまることだと感じてしまう。)


    などが普段の生活でも起こり得るような例を用いていくつも紹介されています。


    他にも、


    妄想することの効果


    男女の脳の違い


    セロトニンとドーパミン


    など興味深い内容があります。


    「ふむふむ。なるほど。」「あっ、これ知ってる。」で終わるだけでなく、


    「これはこんな時に活かせるな。」と活用できそうな場面を想像してみるとより効果的かと思います。

  • 妄想することは有効、と言うようなことを脳内物質やこれまでの研究内容からわかりやすく解説。男女差、人種差なども脳の構造の遺伝的な違いが影響するが、環境やトレーニングにより変わる。仕事でドーパミンが出るようになると良いなぁ。

  • 人間は、自分で自分を粗末に扱っている人に対しては、粗末に扱ってもいいと無意識に思ってしまう。だから、自分で自分を大事にするようにしよう。なかなかできない場合は、鏡を見ながら、自分を大切に扱う回路を、脳につくっていこうー。

    この研究結果から、ストレスが多い状況のときの対処法として、両手を広げたり、姿勢を正して背を反らせたりすることに、一定の効果があるということがわかりました。これらは、気分を良くしたり自信が持てるようになったりするのに良い方法です。
    カディは、試験や面接の前など、緊張する場面では、その数分前にトイレの個室でもどこでもいいので、体を大きく開いてリラックスすることをすすめています。
    ただし、極度にストレスを感じているときには、強いポーズはそこまで効果がないとも言われています。

  • すごい面白かった
    サラッと1時間弱

  • 本書は、ケリー・マクゴニガルさんの著書、「スタンフォードの自分を変える教室」と同様の内容ともいえる。脳科学で現在わかってきた、脳みその癖を理解して自らの行動に転換するかが語られている。知らないより知っていた方がよい内容。実践できるかは自らの望む意識次第。

  • 脳がその人の行動で器質的にも変わるというのが収穫。タクシードライバーの海馬が発達する、など。

    もうちょっと丁寧に、最近発見された事実とそこから導かれる推論(脳の可能性)を提示して欲しかった。

  • 精神論ではなく脳医学に基づく成功のためのノウハウがつまっている。妄想が現実を超えてしまう。
    ・自分を大切にするひとは他人からも大切にされる。鏡に映った自分を褒める。
    ・何度も何度もテキストを読み返すと、脳が自分は理解していると錯覚してしまう。何度も読むより問題集をやった方がはるかに効率がいい。
    ・「ゲイン効果」:最初に負の印象を与え、徐々に良い印象を与える。結婚詐欺の常套手段。
    等々

  • 中野信子が文字通り、脳のコントロールについて記述した一冊。

    人間の脳の仕組みについて知ることができた。

  • 妄想が脳を変える。そして現実も変わるという話に心動かされた。これからも妄想していこうと思う。

著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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