エロい昔ばなし研究 『古事記』から『完全なる結婚』まで (ベスト新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584125601

作品紹介・あらすじ

学生のころに教科書で読んだ、『源氏物語』や『平家物語』といった名作古典の数々。学校では雅で高尚な文学として教えられがちなそれらの作品には、実は日本人の豊かな"性生活"がユニークな表現で書き記されている。専門家の研究では、学問が扱うべき対象ではないとして避けられがちな性の文化。しかし、大昔の人々がどのような性生活を送っていたか、それが現代のわれわれにどのような影響を与えているかを追求することで、初めて見えてくる歴史もある。本書では「性」を切り口に古典の名作を読み解き、日本人の本質や時代性に真面目に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 【概略】
     古典や現代文といった「学科」の中での世界、そこで扱われる「源氏物語」や「平家物語」といった作品は、生徒という立場から眺めるとなんとも無味乾燥なものに見えること、あるだろう。ところがもう一歩、奥に踏み入ると、そこにはその時代その時代の風俗が色濃く描かれている。その中に、エッチな話なども含まれていること、ご存じだろうか?本書では、古事記・万葉集から始まる時代時代の性風俗に焦点を当てた、一風変わった歴史書である。

    2022年12月18日 読了
    【書評】
     「知的エロス」という言葉が似合う人になりたくて。エロなことは決して悪いことではなく、時に(いや、かなり)多くの人達のモチベーションにつながるのだと、常々力説をしていて。それがともすると若い世代、とりわけ女性には受け入れてもらえなく、セクハラの領域に入ってしまうこともあり、どこか地下活動のような形になっていて。
     それがどうよ、古事記に日本書紀、万葉集といった、歴史や古典で目にするものの中に、なんとエロスが含まれていることか!もちろんTPOはわきまえないといけないけれど、やはりエロスは根源の一つなのだよ。ビバ!エロス!
     興味深かったのは、ちょうどスピーチとして作成し、近々 YouTube に投稿をしようと思っていた「イザナギとイザナミ」の話、そして平安時代の和泉式部のはっちゃけぶりだったね。前者については YouTube 動画、どうぞご期待あれ、なのだけども、後者の和泉式部は、俄然その個人に興味が湧いてきたね。時の最高権力者である藤原道長が和泉式部に対し、ちょっと揶揄をするような発言をしたのね。それに対し、和泉式部、「私が誰と付き合おうと勝手でしょ!」と・・・ストレートに道長には言わず(言えないしね)、歌で皮肉に返すというね。なんとも胆力のある、素敵な女性じゃないか!どこかで和泉式部の本、読んでみたいね。
     穢れたものとせず、(何度も言うけどTPOをわきまえて)笑い話としてこの分野を楽しめるような、そんな懐の深さをもちたいね。そのキッカケとなるような本だと思ったね。

  • <目次>
    第1章  文字文化の誕生と日本人の愛と性<奈良時代>
    第2章  虚実は皮膜の中、王朝の恋<平安時代>
    第3章  侍社会と性愛の幻想<戦国時代>
    第4章  町人社会で世の百花繚乱<江戸時代>
    第5章  排除された性分化のその後<近現代>

    <内容>
    予想以上にエロかった。タイトルから、一寸法師辺りが実は…、という本だと思ったが、実は至極真面目な本。著者は『エロティック日本史』などをまとめている。新聞記者出身で、かなりきちんと調べて書いている。そして、私的には江戸時代が面白かった。ここの時代だけもっと掘り下げた本を書いてほしい。

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著者プロフィール

1042年福岡県生まれ。性風俗史研究家。早稲田大学卒業後、「週刊サンケイ」編集部勤務などをへて現在に至る。主な著書に「エロティック日本史」「日本残酷写真史」「盆踊り 乱交の民俗学」など多数。

「2020年 『性風俗50年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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