誰にでもできるアンガーマネジメント (ベスト新書 564)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584125649

作品紹介・あらすじ

怒らないことが目的ではなく、怒る必要のあることは上手に怒り、
怒る必要のないことは怒らなくて済むように線引きする

本書のテーマである『アンガーマネジメント』は、
1970年代にアメリカで生まれた「怒りの感情と上手に付き合うための
心理トレーニング」です。
怒らないことが目的ではなく、怒る必要のあることは上手に怒り、
怒る必要のないことは怒らなくて済むようになる。
その線引きができるようになることを目的とします。
つまり、怒っても良いというのが大前提です。
なぜなら、怒りの感情は人間に備わっている、自然な感情のひとつだからです。
 
本書では「怒るな」「怒ってはダメ」ということは一切言いません。
「怒りの感情に対して、どのように考えればよいか?」
「普段のストレスから解放されるには、どうすればよいか?」
「怒る場合、その後の人間関係を壊さないためにはどうすればよいか?」
「ムダにイライラしない人は、どのように普段から考えているのか?」
「上手に怒るというのは、どういうことか?」
といったことをテーマにしています。
『アンガーマネジメント』は心理トレーニングですが、
本書では、ムダにイライラしないためには、そもそもどのように考えればよいのか、
その心の持ちよう、思考方法について焦点を当てています。
思考方法ですから、ちょっとした考え方のコツをつかめば、
誰にでもすぐにできて、効果があがる内容になっています。
後悔の多い一日を送らないために、あなたもほんの少しだけ考え方、
思考方法に工夫をしてみましょう。
それだけでムダにイライラしなくて済みます。
 
本書を読んで「怒りの感情と上手に付き合える」ようになっていただければ
幸いです。

感想・レビュー・書評

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  • 【1行説明】
    必要な時は上手く怒る,そうでないときは線引きをする

    【趣旨】
    (表紙裏説明より)
    「アンガーマネジメント」は「怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング」です.怒らないことが目的ではなく,怒る必要のあることは上手に怒り,怒る必要のないことは怒らなくて済むようになる.その線引きが出来るようになることを目的とします.
    (以下は要約)
    本書では,アンガーマネジメントの考え方に基づいて怒りやストレス,人間関係に対するHow Toを説明している.

    【引用文3つ】
    1. (p.3)怒らないことが目的ではなく,怒る必要があることは上手に怒り,怒る必要のないことは怒らなくて済むように線引きする
    2. (p.23) 心のコップにたまっている,自分の「第一次感情」に注目する
    私たちの心には「コップ」があると想像してみてください.
    私たちは毎日,そのコップに「辛い,苦しい,寂しい,悲しい,不安,痛い」といった感情の水を注いでいきます.これが「第一次感情」と呼ばれる感情です.
    そのコップに第一次感情がいっぱいに入っている時に,何かきっかけがあると怒りとしてあふれ出ます.
    ですから,あなたのイライラの前には,どのような第一次感情があるかを思い起こして,特定することが大切です.
    3. (p.34) 変えられないものを知る
    当たり前のことですが,私たちには「変えられるもの」と「変えられないもの」があります.ところが,怒りにとらわれていると,そんな当たり前のことすらわからなくなっているときがあります.
    (中略)「神様,私にお与え下さい.自分に換えられないものを受け入れる落ち着きを.変えられるものは買えていける勇気を.そして,2つを見分ける賢さを」
    これは有名なアメリカの神学者のラインホルド・ニーバーの祈りの言葉です.
    (中略)変えられないものを受け入れる勇気.これこそがアンガーマネジメントの基本的な考え方です.
    4. (p.60) その日の機嫌に左右されない
    機嫌が悪い時に失敗をしないためにも,機嫌が悪い時こそ,行動に気を付けます.次の2つをリストアップしておくとより具体的な行動が出来るはずです.
    1. 機嫌が悪い時に自分がしてしまいがちなこと
    2. 機嫌が悪い時に,しないほうがよいこと
    5. (p.78)そういう「べき」もあることを知る
    自分が信じている「~べき」が裏切られたときに怒りを感じるのです.
    上司,部下はこうあるべき,仕事はこうするべき,...など,私たちは実に様々な「べき」を持っています.この「べき」の違いこそが私たちをイライラさせるのです.
    (中略)他人の「べき」にいちいち過剰に反応していては疲れるだけです.イライラしないたえの魔法の言葉として,いつも「そういう『べき』もある」と認めることが大切です.
    6. (p.98) 怒る理由を他人のせいにしない
    自分の気持ちを上手にコントロールできる人は,自分の子安生は自分で決められることを知っています.
    (中略)自分の気持ちは全部,自分の責任.そう思った瞬間から,あなたの感情はあなた自身が操縦することになるのです.そして,あなたは感情的に自由に生きていくことが出来るのです.
    7. 魔法の呪文を用意して,自分につぶやく
    人はイライラしたときに,自分に向けて言葉をつぶやくことで気持ちを静めることが出来ます.
    魔法の呪文は,自分の気持ちが落ち着くと思えるようなものであれば,何でも構いません.
    「大丈夫」「たいしたことない」「まあ,のんびりいこう」といったものでもいいですし,家族の名前,大好きなものなどをつぶやいても良いでしょう.
    8. 相手が話しにくい雰囲気をつくって,ペースに乗らない.
    人は自分と似たものに親近感を持ちます.その逆に相手のペースに合わせなければ,相手は親近感を持ちにくく,非常に話しにくいということになります.
    もし,相手が早口でしゃべるなら,こちらはできるだけゆっくりと話すようにしましょう.相手が大げさに身振り手振りを交えてしゃべるなら,こちらはなるべく動かずに話を聞いてみましょう.
    相手は,自分とペースが違えば違うと思うほど,話しにくいと思うはずです.

    【感想】
    自分にとって,新しい視点や,知っていたはずなのに忘れていた視点を与えてくれた本.
    特に,「人間は自分の信じる『べき』が裏切られたときに怒りを感じる」という部分は正鵠を射ているように思う.
    たしか,昔読んだアドラー心理学の本でも,「怒りを感じるというのは,他人に勝手に『期待している』から」といったことが語られていた.

    生まれたところも,今の生活も異なる人々がコミュニケーションを行う現代社会において,全人類が同じ「べき」を共有することなど不可能だろう.
    日々の生活で怒りを感じそうになったら,この本にあるように「そういう『べき』もあるんだなぁ」程度に受け流せるように心がけていきたい.


  • 1 怒りの仕組みを知る
    ①第一次感情に注目する→怒りの前の感情を考える
    例 そんな事言われて悲しい。
    考えてるうちに怒りを抑える

    ②怒るかの境界線は自分が後悔するか
    怒って後悔するならしない
    怒らず後悔するなら怒る

    ③怒りの温度をその都度考える
    10点満点で何点かイラッとした時に考える

    ④自分に変えられる事を理解する
    相手の行動はほとんど変えることができないのでそこに怒りを感じても意味がない。

    ⑤ポジティブシンキング
    ポジティブを比率的に増やす
    人間にはネガティヴも必要
    自分に不安や疑いをもたない→最高の結果を期待して最悪に備える

    2 イライラしないための準備
    ①事実と思い込み
    ○○すべきが人によって違う。そこにイライラしない
    私だけ怒られているは勘違い。そこに気持ちよさを感じているだけ

    ②譲れないものの境界線を考える
    絶対にされたくない事は宣言する。その態度は人によって変えてはいけない

    ③ スルー力→受け入れるが同意はしない
    無視することではない。
    相手の自慢は承認欲求からきているため、何を認めて欲しいかを考える。

    3 怒る理由を人のせいにしない
    ①感情は自分のものであり自由である→誰に変えられるものでもなくコントロールできる

    ②自分の価値観で判断する
    相手に判断を任せるとこうするべきという気持ちが生まれる
    自分ルールはそれぞれにある(電車での立ち位置など)

    ③心のゆとりを持つ
    マナーが悪い人にイライラするのは自分がそのレベルに落ちているから
    変えられない事に対して祈っても変わらない(渋滞)
    依存しすぎない→何かがないとイライラする
    できないことは出来なくて良い

    ④怒りを利用する
    原因思考(何がいけなかったか)ではなく解決思考(どうしていくか)
    悔しさなどのエネルギーを自分が打ち込んでいることに発散させる。
    人はストレスが少しあるほどパフォーマンスが上がる。

    4 行動
    ①24時間アクトカーム
    イライラしない人は言葉遣い、仕草、振る舞いが穏やか。それを真似してみる

    ②魔法の呪文を用意する
    人は6秒が怒りのピーク→それを超えるためにイライラしたら自分で決めた言葉を言う。

    ③イライラすることを思い出さない
    怒っていることが正しいと思ってしまう。
    愚痴は一瞬のストレス解消にしかならない

    ④目的を思い出す
    例 彼女が映画の時間に遅れて見れなかった
    目的 彼女と楽しく過ごすこと

    5上手に怒る
    ①ここを超えたら怒るという基準を安定させる
    それが誰であってもどういう状態でも態度を変えない

    ②注意したい内容と目的を合わせる

    ③行動したことは褒める

    ④叱っている時に過去は出さない
    いつも、絶対、必ずは100%の意味。怒る時には決めつけとなるので使わない

    全体の感想
    怒りというものは自分でコントロールすることができる。大切なことは相手を変えることは難しいので、自分の基準を持って感情をコントロールすること。ほとんどのイライラは大したことない。


  • 怒りの選別が大切であり怒りそのものを否定することはない。怒りを感じる自分を認めてあげる事が大切である。
    他者に対して自分の価値観を押し付けたりする事は自分を苦しめることになる為自分に危害、影響が及ばなければ無視する。
    問題思考より解決思考。問題を解決するのは困難なことが多いので自分が気持ちよく過ごせる方法を別の視点から考える事が大切である。幅広い視野で自分にとって気持ちよく過ごせる方法を取る!

    無意識にできる事をやっているときは怒りを思い出しやすい為歩くときも意識を体に集中させて瞑想散歩を、してみる。

    以上4つの考え方を実践していきたい!
    1日で読破出来た自分を褒めてあげたい!

  • 『誰にでもできるアンガーマネジメント』
    安藤俊介さん

    統括が貸してくれた本。

    〈以下、本文より〉
    ・怒らないことが目的ではなく、怒る必要があるときは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになる。その線引きができるようになることを目的としている
    ・穏やかにゆっくりと振る舞い、丁寧な言葉を使うことで、自分を上手にコントロールできる
    ・なんとかしないといけない時、それが3分以内でできることであれば今すぐ取りかかるようにする
    ・人は焦れば焦るほど処理能力が落ちる
    ・人はイラッとしてから6秒が怒りのピーク
    ・1.相手、場所によって言ってることを変えない
    2.相手の気持ちや立場に配慮をしている
    ・「なんで」じゃなくて「どうして」と聞く
    ・シェイクスピア「世の中には幸せも不幸もない。ただ、考え方でどうにもなるのだ」
    ・「怒りの連鎖を断ち切ろう」

  • ぼんやりと理解できた気がするけど、具体的に実践するのはちょっと難しいかも。でも「自分の気持ちをコントロールできない人は、自分の感情を他人に委ねている」という考え方は新鮮だったし、衝撃でもあった。自分の感情は全部、自分の責任。

  •  怒りについてのハウツー本。

     怒りのコントールについて、述べられている。

     ただし、全部が全部できないだろう、と思う。

  • 実践的でいい意味でのビジネス書らしいビジネス書だったと思う。

    基本的には、日々の生活で生じる「あるあるイライラ」事由を取り上げて、その時に抱く心象の背景と対処法を紹介する。マインドや考え方だけでなく、具体的な実践方法も付いているので、やってみようかなという気になる。マインドや考え方に関する解説には、合理性を感じる点が多くあり参考になった。

    何となく、嫌われる勇気で学んだ考え方に近いように思う。他人への期待というより自分への期待に目を向けて、自分自身がより豊かな生活と人生を過ごすためには、怒りの感情に触れた時にどうすると良いか。そんな観点が根底にあるように思う。とても共感できる考え方だった。

    ほかの本(7つの習慣?嫌われる勇気?)で見かけた記憶がありつつ忘れてしまってたのだが、改めて触れて自分のモットーにしたいと思えるフレーズが本著にあったので、メモしておきたい。

    アメリカの神学者 ラインホルド・ニーバー
    「神さま、私にお与えください
    自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを
    変えられるものは変えていく勇気を
    そして、2つを見分ける賢さを」

  • 怒りの原因は、相手でなく自分の気持ちの持ち方であり、相手を変えるより自分の考えを変えることで、怒りの感情を変えられる。
    人の性格は、中々変えられませんが、本書の中にことを一つ一つしていこうと思います。

  • 変えられるものと変えられないものを見極める。
    呼吸を意識する。

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著者プロフィール

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。日本のアンガーマネジメントの第一人者。アメリカのナショナルアンガーマネジメント協会では最高ランクのトレーニングプロフェッショナルにアジア人で唯一登録されている。著作は中国、台湾、韓国、タイ等でも翻訳され累計50万部を超える。

「2020年 『みんなの怒りスイッチをさがせ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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