地球温暖化論のウソとワナ

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584130704

作品紹介・あらすじ

温暖化して本当に困る人はいるのか?怪しい数字マジックに洗脳されるな!地球温暖化問題-。その論議に隠された巧妙なトリックを暴く!

感想・レビュー・書評

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  • 読めば読むほど、とても温室効果ガスが主原因とは考えられなくなる。
    少なくとも数百~数千の要素が複雑に絡み合う、複雑系であることに間違いはない。

    個人的には、太陽活動(日射量というより太陽風などの電磁波がメイン)、火山活動による噴煙、水蒸気が主原因と思う。
    ただ、温暖化防止という市場経済があるため、その勢いは簡単には止められない。

  • 地球温暖化論の嘘とワナ

  • 地球温暖化が嘘か本当かというのはともかく、科学が主観的な報告に基づいて勝手に既成事実化していくという典型例をはっきりと見せてくれる。いくらこういう本が出ても、「科学的な知見から」という言いまわしに騙されて世論が操作されていくのは変わらないだろうという諦観も持った。

  • サブプライムローンショックの影響かどうかわかりませんが、地球温暖化という言葉を最近はあまり聞かなくなったような気がしますが、気のせいでしょうか。

    欧米では「クライメートゲート事件」がかなり詳しく報道されたようですが、日本では報道されていないどころか、たまたま見ていた国会中継において、「あの報道は気にしない」というような答弁を聞いてがっかりした記憶があります。

    数年前に飛行機の中で「不都合な真実」を見て、「二酸化炭素を減らさなければいけない」と感じたものでしたが、映画としては上手に作っていたのでしょうね。

    この本では、その映画で述べられていた内容について、一つずつ反証している章もあり、科学者としての「思い」を感じました。また、個人でCO2削減にいくら取り組んでも、それで浮いたお金で消費しても、預金しても、CO2を削減できない(p231)というポイントには改めて気づきました。

    以前、武田氏が、「浮いたお金はその分の紙幣を個人が燃やさない限りダメだ=GDPを減らす」と本で言っていた内容と同様だと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・常温核融合と地球温暖化には、共通点がある、最初の発表が学術論文ではなく(記者会見や議会証言)科学の作法に外れている、研究会とメディアに狂乱状態を生んだ、巨額な研究費が動いたことである(p32)

    ・ボルネオ島では樹木の伐採により泥炭地を覆っていた植物がなくなり、泥炭が自然にもえて二酸化炭素を出した、このためインドネシアは米国、中国に続く第三位の二酸化炭素排出国になってしまった(p38)

    ・二酸化炭素は温室効果ガスだけれど、地球でいちばん大きな温室効果を発揮しているのは、水蒸気、全体の90%以上である(p44)

    ・シミュレーションでは、いろいろな工夫をすれば観測値に合わせられることが多い、モデルに入っているパラメータの値をいじると、かなりの範囲で実験結果と合わせられる(p49)

    ・気温測定の要件として、1)周囲30メートルは芝地であること、2)風邪を妨げるものがないこと、3)日陰をつくる木や建物がないこと、であるが、建物がそばにあると最低気温や冬の気温は高めに出てしまう(p65)

    ・百葉箱の塗装として便利な(持ちが良い有機系のもの)ラテックスペイントを使うと、気温が約0.5度高めに出ることが判明している(p69)

    ・全国の17の観測サイトのうち、十分に満足できるサイトは、3か所(北海道の寿都、東北の宮古、四国の室戸岬)であり、陽だまり効果の影響を受けている場所が多い(p75)

    ・気温上昇シミュレーションの結果が異なるのは、雲(水蒸気)をどのように扱うかである(p95)

    ・二酸化炭素が倍になったときの気候感度は、1.1度や1.3度が報告されている(p98)

    ・永久凍土に建つ家屋が沈んだりするのは、建物やパイプラインからでる熱で永久凍土が溶けるからで、断熱が良くなかったことが原因である(p139)

    ・今から1000年ほど前は、ヨーロッパなどを中心に、少なくとも1950年ころと同じ程度に暖かかった、当時はバイキングがグリーンランドを発見し、カナダ東北部に達した(p175)

    ・イギリスでは「不都合な真実」の映画を上映するときには、先生向けの手引きに9ポイントについて生徒に伝えられることになった(p189)

    ・キリマンジェロの雪が激減した理由は、雪の昇華による、その原因は湿度の低下である、これは周囲の樹木が失われたことに起因すると言われる(p193)

    ・戦争は最大の環境破壊になるが、ゴア氏は戦争政策には触れていないので残念である(p210)

    ・CO2の削減を個人が頑張って達成しても、節約した電気代と灯油代を使ってしまえば、企業がエネルギーを使うことになる、使わない場合(預金)は銀行が企業にお金を貸し付けて同様なことになり、CO2排出は不可能(p231)

    ・「お金がないので苦労しながら省エネを進めた時期」と、「お金があるのに省エネに励んでいる時期」の2種類があるが、日本以外の国は前者の状況である。日本の状態になるとCO2排出量と実質GDPの伸びが同じになる(p236)

    ・最新鋭の石炭火力発電所では、煙突から何も煙が出ていないように見える、このような技術は太陽電池と同様に、輸出できるエネルギー技術である(p252)

    2011/5/2作成

  • 懐疑派の中では割と評判が良いので読んでみた。
    気温測定方法の不確かさとか太陽磁気活動の影響とか知らないこと結構あったから、読んで損したとは思わないけど、説明不足でいまいち信用しかねるデータもあった。これ一冊で判断するのは危険すぎる。

    あと最終章の、家庭で省エネしても浮いたお金で物買ってその品物をつくるにはエネルギーが要るからいくら省エネに励んでもCO2は減らせない、ってのは乱暴すぎやしないか。

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著者プロフィール

渡辺 正(わたなべ・ただし)
1948年鳥取県生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。同大学教授を経て名誉教授。著書に『高校で教わりたかった化学』『「地球温暖化」狂騒曲」』、訳書に
『教養の化学』『フォン・ノイマンの生涯』『元素創造』ほか多数。

「2022年 『アインシュタイン回顧録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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