国家の危機

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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584133194

感想・レビュー・書評

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  • 第181回新宿セミナー@Kinokuniya】『国家の危機』(KKベストセラーズ)刊行記念「東日本大震災とマルクス」的場昭弘?佐藤優

    的場昭弘写真.jpg佐藤優写真.jpg

    地震、津波、原発事故――
    この国家的非常事態の本質は思想問題だ。
    マルクスだったら、この事態をどう見るか。
    今、日本でマルクスを語らせれば一番面白い2人が、
    この未曾有の国家的危機に際して、自然と人間、国家と
    市民社会、そして、宗教、貨幣について縦横無尽に論じ合う。

    講師プロフィール
    的場昭弘(まとば あきひろ)
    1952年、宮崎県生まれ。神奈川大学経済学部定員外教授。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士。
    著書に『超訳「資本論」』全3巻(祥伝社新書)、『一週間de資本論』(NHK出版)、『マルクスだったらこう考える』『ネオ共産主義論』(光文社新書)、『マルクスを再読する』(五月書房)、『未完のマルクス』(平凡社)、『マルクスに誘われて』(亜紀書房)、訳書にカール・マルクス『新訳 共産党宣言』(作品社)ほか多数。

    佐藤 優(さとう まさる)
    1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。作家・元外務省主任分析官。外交官を務めるかたわら、モスクワ国立大学哲学部、東京大

  • 【由来】
    ・正剛「日本という方法」から「単一民族神話の起源」をamazon検索したら関連本で。

    【期待したもの】
    ・これもマルクスらしい。「はじめてのマルクス」の補強になるかと。
    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】

  • 『資本主義の内在的論理を知るためにマルクスを読むこと以上に有益な方法はない。』佐藤優氏と的場昭弘教授による3.11以降のあり方についての対談本ですが、正直かなり難しいので読むには相当骨が折れます。

    この本は佐藤優さんとマルクス研究をされている的場昭弘教授による3.11以降の日本を読み解く対談本です。しかし、内容はかなり専門的なものを含んでおりますので、確実に万人向けではありません。僕も正直な話、一読しても肝心要なことはあまりよく理解していないのかもしれません。それでも、この本に挑戦されてみたいという方はまず最初に正午とにまとめられている『論点』と『理解のためのポイント』をよく読んでから二人の対談をお読みになるとよいかと思われます。どんなことを対談で話しているかにつきましては目次を引用させていただきますと

    《目次》
    序 章 東日本大震災をマルクスで読み解く
    第1章 変質する国家
    第2章 マルクスと宗教性
    第3章 社会主義はなぜ失敗したのか
    第4章 『資本論』を読む
    第5章 マルクスの可能性

    というもので、日本の国難と将来。国家、宗教、貨幣、自然と、その超克の可能性についての徹底対論が繰り広げられています。ページの下のほうに用語の解説がありますけれど、正直言って、かなり難しいです。それでも、個人的には何とか3章から5章までは何とか彼らについていくことが出来たかなと、いうくらいです。基本的に、マルクスについて、入門書か何かを数冊読んでからのほうが理解はおそらく早いでしょう。特に第4章の『『資本論』を読む』第5章の『マルクスの可能性 』についてはそういえます。

    時間がない方にはあまり進められる文献ではないんですが、3.11以降の世界の中で、自分がどのようにしてこれから生きていけばいいのかということを考えている方には、何らかのヒントが書かれているのではないでしょうかと、ここではそういう表現にとどめます。

  • マルクスは、資本主義とは循環をなすシステムであり、それを打ち壊すには革命しかないと考えた。資本主義のシステムの完璧さを見抜いていたともいえる。

    的場さんは有名なマルクス主義の研究者で、佐藤さん主に聞き手としてわかりやすく経済の基本をマルクスを通じて語ってくれる。時事的な本だと考えず、これからもずっと役に立つ本なので、ご一読を勧める。

  • 佐藤勝の対談シリーズ、今回は日本でも有名なマルクス経済学者の的場氏との対談。

    社会が、必要悪の国家として社会が整備されていくことと、市民社会として成熟して社会として成り立っていくことを比較して、その中で、貨幣が宗教のように力をもってしまったこと。

    ソ連・東欧の社会主義は、そのままマルクス主義ではなく、あくまで資本主義の欠陥をマルクスが指摘したと考えるならば、まだまだ学ぶことが多いことなど、自分が当たり前に思っていることが浅はかであることがわかった。

    しなしながら、自分にマルクス的なモノの見方が不足しているので、マルクス経済学をもう一度学びなおしてから、本書を読みたいと思う。

    目次は、
    序章.東日本震災とマルクスで読み解く。
    1章.変質する国家
    2章.マルクスと宗教性
    3章.社会主義はなぜ失敗したか。
    4章.[資本論」を読む。
    5章.マルクスの可能性

    1つの道具として、資本論(マルクス経済学)はまだまだ有用であると思う

  • 『国家の危機』(的場昭弘さんとの対談)を先日から読み始めています。「東日本大震災をマルクスで読み解く」という、思わずのけ反ってしまうようなテーマで興味深い論及をしています。仙石官房長官が自衛隊を「暴力装置」と発言した事にふれて、佐藤さんは「怖いと思ったのは暴力じゃなくて装置のほうです」と言います。元フロント(安東仁兵衛などの統一社会主義者同盟)だった仙石さんが極めて道具主義的な国家観、官僚観を持っている。操る道具として、自民党より自分らがまともに使えるという発想を取り上げています。仙石的あるいは構造改革派的な革命論、認識論、哲学など仙石氏の言動の根にあるものに話しが行かず、官僚論に議論が流れてしまっているのがお二人的なのですが、面白いです。28日に紀伊国屋ホールで出版記念のセミナーがあるので行ってみるつもりです。

  • 佐藤優の言説は大概消費つくしたのだが、廣松渉と黒田寛一の名前が目次に出ていたので。廣松のところで疎外論の話をしているときに、今の若者にはリアリティを持ちにくい議論だろうとのくだりがあったが、質感異なる疎外感はいまでもあるのではないかと。

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著者プロフィール

的場昭弘(まとば・あきひろ)1952年宮崎県生まれ。マルクス学研究者。1984年、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。一橋大学社会科学古典資料センター助手、東京造形大学助教授を経て現在、神奈川大学教授。マルクス学の提唱者。マルクスの時代を再現し、マルクス理論の真の意味を問い続ける。原資料を使って書いた作品『トリーアの社会史』(未來社、1986年)、『パリの中のマルクス』(御茶の水書房、1995年)、『フランスの中のドイツ人』(御茶の水書房、1995年)をはじめとして、研究書から啓蒙書などさまざまな書物がある。本書には、著者による現在までのマルクス学の成果がすべて込められている。

「2018年 『新装版 新訳 共産党宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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