国家の危機

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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584133194

感想・レビュー・書評

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  • 『資本主義の内在的論理を知るためにマルクスを読むこと以上に有益な方法はない。』佐藤優氏と的場昭弘教授による3.11以降のあり方についての対談本ですが、正直かなり難しいので読むには相当骨が折れます。

    この本は佐藤優さんとマルクス研究をされている的場昭弘教授による3.11以降の日本を読み解く対談本です。しかし、内容はかなり専門的なものを含んでおりますので、確実に万人向けではありません。僕も正直な話、一読しても肝心要なことはあまりよく理解していないのかもしれません。それでも、この本に挑戦されてみたいという方はまず最初に正午とにまとめられている『論点』と『理解のためのポイント』をよく読んでから二人の対談をお読みになるとよいかと思われます。どんなことを対談で話しているかにつきましては目次を引用させていただきますと

    《目次》
    序 章 東日本大震災をマルクスで読み解く
    第1章 変質する国家
    第2章 マルクスと宗教性
    第3章 社会主義はなぜ失敗したのか
    第4章 『資本論』を読む
    第5章 マルクスの可能性

    というもので、日本の国難と将来。国家、宗教、貨幣、自然と、その超克の可能性についての徹底対論が繰り広げられています。ページの下のほうに用語の解説がありますけれど、正直言って、かなり難しいです。それでも、個人的には何とか3章から5章までは何とか彼らについていくことが出来たかなと、いうくらいです。基本的に、マルクスについて、入門書か何かを数冊読んでからのほうが理解はおそらく早いでしょう。特に第4章の『『資本論』を読む』第5章の『マルクスの可能性 』についてはそういえます。

    時間がない方にはあまり進められる文献ではないんですが、3.11以降の世界の中で、自分がどのようにしてこれから生きていけばいいのかということを考えている方には、何らかのヒントが書かれているのではないでしょうかと、ここではそういう表現にとどめます。

  • 佐藤優の言説は大概消費つくしたのだが、廣松渉と黒田寛一の名前が目次に出ていたので。廣松のところで疎外論の話をしているときに、今の若者にはリアリティを持ちにくい議論だろうとのくだりがあったが、質感異なる疎外感はいまでもあるのではないかと。

著者プロフィール

的場昭弘(まとば・あきひろ)1952年宮崎県生まれ。マルクス学研究者。1984年、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。一橋大学社会科学古典資料センター助手、東京造形大学助教授を経て現在、神奈川大学教授。マルクス学の提唱者。マルクスの時代を再現し、マルクス理論の真の意味を問い続ける。原資料を使って書いた作品『トリーアの社会史』(未來社、1986年)、『パリの中のマルクス』(御茶の水書房、1995年)、『フランスの中のドイツ人』(御茶の水書房、1995年)をはじめとして、研究書から啓蒙書などさまざまな書物がある。本書には、著者による現在までのマルクス学の成果がすべて込められている。

「2018年 『新装版 新訳 共産党宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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