地形で読み解く古代史

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  • ベストセラーズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584137611

感想・レビュー・書評

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  • 2021/11/19:読了
     面白かった。

     河内王朝(河内の天皇)は、大阪の治水工事。巨大古墳はその治水工事と関連。
     信濃川・利根川を結ぶ碓氷峠。関東の入り口としての群馬に、大豪族(上毛野氏)。房総半島(千葉)の古墳群は、先進の文物が碓氷峠、利根川を経由して房総半島に届いたから。
     北九州の日田をヤマトの勢力が抑えたことが、神功皇后の北九州勢力の討伐(熊襲討伐)のキー。
     蘇我時代までは、東国と蝦夷は敵対していない。藤原時代になり、東国の兵士(物部系、蘇我系)を蝦夷にぶつけ、自分に敵対する2つの勢力の潰し合いをさせた。

  • 日本書紀も歴史を反映していると考え、現地調査も踏まえて想像力で飛躍しながら古代について書かれた本。
    きっと正しいことは分からないのだろうけど、歴史のIfを考えるとワクワクしますね。

  • 日本は中国や韓国と違って皇帝・王が君臨する、独裁者が現れるという時代が少なかったことが地形や日本列島の場所が影響しているという話は興味深かった。地形では、山がおおく地域が分断されており、それを独裁することが難しかった。また、日本列島が海に囲まれて侵略されにくかったことで、強力な中央集権がそこまで必要でなかった。

    さらに、縄文時代には関東などの東の方が人口が多く栄えていたというのも新鮮な話であった。東の方が落葉樹で狩猟に適していたことが要因であるという。

  • 地形で読み解く古代史 関裕二 KKベストセラーズ

    物証の少ない古代史を今に残る地形と地理の関連性と
    現場に立って当時を思い起こしながら
    人間の選択肢を拾い起こしていく
    のそ状況証拠から当時何が起こっていたかを洗い出す
    まるで探偵のように手足で物証を探し求めると言う
    実態のある研究方法で読み解いた日本古代史である

    政治的な編集が歪めている日本書紀と古事記や
    風土記とか魏志倭人伝とは別の姿も浮かび上がってくる

    大陸から見れば南東に太平洋という堀をめぐらす
    東のはずれである日本列島は攻めるに攻めにくく
    そレに値する大きな利益も臨めない特異な場所である故に
    激しいせめぎ合いも回避できて来たと同時に
    時間を懸けて世界の吹き溜まりともなっていたのだろう

    独裁者が生まれなかった理由
    なぜ日本人は多神教的なのか
    独裁者ではない王がなぜ巨大な古墳群を造ったか
    日本を二分する植生の違い
    世界の常識を覆した縄文人
    ヤマト建国を巡る謎
    豊国で朝鮮半島とつながる神功皇后
    瀬戸内海と日本海の対立が生んだ天孫降臨
    なぜ神奈川に巨大前方後円墳が造営されたか
    なぜ八世紀に東北蝦夷征討つは本格したのか

    卑弥呼は30の国から選ばれた合議制の倭国王だと
    魏志倭人伝に記されているという
    この理由は複雑で狭い山と谷と森で仕切られて
    大群が動くには不向きだったからだと著者は言う
    更には各地の自然災害が多いために
    それぞれに恐れるものを神とする多神教が生まれる風土であった
    飛騨山脈と鈴鹿山脈をつなぐ豪雪地帯の狭い関が原で
    東西を二分している日本列島
    又縄文時代の人工は東側で発展していた
    西で稲作が盛んになってからも
    豊かな狩猟採集栽培の食生活を捨てることはなかった

    西は照葉樹の文化で鉄の文化と共に森林が消滅する
    北と東は広葉樹のブナやナラの森で植生も違い
    雑穀とイノシシの家畜化による文化の違う
    農耕を拒んだのは豊かだったことと
    土地の所有という所有意識による戦争をきらった兆しがあるらしい
    継体天皇は東の福井から返り咲くことになる
    縄文人が東から西に移動して来たことで
    脅威を感じた西の人々が東を警戒しながら奈良盆地にヤマトに都を造る

    日本書紀に見る歴史の改ざん
    継体天皇以前の記事を鵜呑みにすることはできない
    当時権力を裏で握った藤原氏は天皇の正当性を建前として
    本音は日本書紀の編纂によって藤原家が正当な家柄だと見せなければならなかった
    正当な蘇我氏を悪者に仕立てることで自分の正当性を築いた

  • 古代史は苦手だった。勉強にはなったが・・・

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著者プロフィール

歴史作家

「2023年 『日本、中国、朝鮮 古代史の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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