<新装版>敵は我に在り 上巻 (ワニ文庫 P- 158)

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  • / ISBN・EAN: 9784584392584

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  • 敵は我に在り 上
    新装版
    ワニ文庫 P-158
    著:野村 克也
    紙版

    裏表紙にあり プロセスを重視せよ 
    勝ちたい、その意欲が結果至上主義に陥れば、かえって逆効果である
    過程に奮迅することが勝者への近道である

    しかして、至言である

    気になったのは、以下です。

    ■歩いた跡が道になる

    ・「人間それぞれ過去を持っている。みんなが、”過去”を口にしだしたらキリがないじゃないか。だから、今日をどう生きるか、それを聞かせてほしいんだ」

    ・「もう、お前のプレーは見たくない」と見放されるか、「君とは契約する意思はない」といわれるまでがんばるべきです。

    ・「自分は、やるだけのことはやった。もう、思い残すことはない」
     これは、自己からの逃避でもあります

    ■情報を生かす

    ・この<5W1H>のことを、6人の正直な召使いとも呼ぶのだそうです
     私がある人から「もう1つあるよ」と教えられたのが、<WHY NOT>なのです
     <WHY NOT>は守りの哲学でもあります
     私の場合、打者としての立場からも十分に参考になったが、それ以上に大きかったのは、投手をリードする保守としての資料分析に役だったことです

    ・「察知されている」と感じれば、すぐにサインを出し直す必要がある

    ・情報も対策も、すべてが役に立たなくなったとき、泰然としておれるかどうか、それでリーダの価値が決まるようです

    ・「あのチームは何もやっていない」と安心させてしまうのと、「何かをやられている」と緊張させるのとでは、そのプラス・マイナスは計り知れないものがあります。

    ・重要なのは、結果の裏に何があるか ー プロセスです
     過程に奮迅することが成功への近道であることを示しているのです

    ■「守り」とは何か

    ・チーム全体が「平常心」を自分のものにする
     「舞台は稽古のつもり、稽古は舞台のつもり」

    ・相手の立場で自分が見つめられれば、状況判断ができ、高度な読みをすることも可能です
     これが、「日常」ということではないでしょうか
     仏教の言葉で、「如」というそうです
     「そのまま」という意味だと聞きました

    ・野球選手には「死ぬほど、野球に熱中しなければならない時期がある」と、改めて痛感しました

    ・朝から晩まで、極端にいえば、夜眠っているときでも、野球以外のことに目を奪われていてはいけなのです
     誰でも一度は、歩かなければならない道です
     この道を通らなければ、決して、一人前になれません
     とにかく、体で野球を覚える時期です

    ■リーダーの条件

    ・多少にかかわらず、選手はチームに愛情をもっている
     負ければ悔しいのは当然です

    ・「勝負は、まず敵を呑んでかかれ」といいます
     精神的に優位にたつことが、必勝法の第一と教えているのです

    ・チームへの愛情を育て、プライドを持たせる
     それが集団を強くする要素ですが、それに活力を与え、柔軟な運動を起こさせるのはユーモアの精神だと思う

    ・選手の能力、プレーを正しく評価することは、選手に自覚をうながします。
     首脳陣が何を求めているかをわからせる、第一歩ということです

    ・適性評価こそ、いい環境づくりのスタートです
     どんな選手でも、それなりの能力を持っている
     それを見つけて、買ってやることです
     そうすれば、身を入れて野球と取り組む
     集中力も生まれてきます

    ・練習には、2つの目的があります
     1つは体力づくりであり、もう1つは、技術の習得と向上です

    ・男にとって、腹に響く一言というのがあります
     理屈抜きに、ズシンとくる
     いろんな説明はいらないのです
     その一言だけで、「よし、この人のために」となってしまう

    ・選手には、試合の状況に応じて具体的な指示が必要です
     どんな細かいことでも「わかっていると思うが」と前置きして念を押し、指示を与える
     大事な局面ほど、それが大切です
     優秀な監督かどうかは、うるさいと思われるほど具体的に念を押せるかどうかで決まる
     といっても、過言ではありません

    ・監督就任した直後というものは、何日でもミーティングをやりたいと考える
     また、やる必要がある
     ミーティングがなければ、選手には新監督のねらいが分からない

    ・リーダーによって、チームが変わる

    ・「選ぶ」ということは、同時に他の何かを「捨てる」ことでもあるわけです
     具体的指示を与えるためには、一つのことを選ばなければならない

    ・「信頼」とは、文字通り信じ頼ることです
     見返りとか、反対給付を期待しているわけではありません

    ■敵は我に在り

    ・裏をかくとよく言いますが、この程度では通用しないときがあります
     その苦境を切り抜けるために、裏の裏をかくのです
     入念な計算ができていれば、あとは勝負だけでしょう

    ・私の好きな言葉の一つに、敗窮に勝機を知る、というのがあります
     土壇場を乗り切るのに必要なのは勇猛ではなく、冷静な計算の上に立った捨て身の精神である

    ・よく第六感などといいます
     これが、勝負師として最高のものだと思う
     あてずっぽうのヤマ感とは違うのです
     第六感とは執念のヒラメキなのです

    ・守ることが野球の根本であることは、私の持論なのです
     打撃にはスランプがつきものですが、守備にはそれがない
     鍛えることによって、コンスタントに力を発揮します

    ・丹下健三 美しいものは機能的である

    ・家康遺訓 堪忍は武運長久の基、怒りを敵を思え

    ・一流といわれる人の共通項、それは自分の道具を吟味して選び、十分に手入れをして使っていることです
     道具を大事にしない選手、手入れの悪い選手は大成しない

    ・私は、人の3倍も4倍も練習しないとうまくなれない、心からそう考えていた、本当に不器用な選手だった

    ・才能豊かな選手たちを相手に、なんとかやってこれたのも、よく練習したおかげだと思います
     人間には、一人前になるために、どうしても歩かなければならない道があるのです
     その道程が短いか長いか、それだの違いでないでしょうか

    ・「短所」や「弱点」こそ、意識して矯正、強化に取り組まなければなりません

    ・チームプレーとは、「小さな準備で大きなミスを防ぐ」ことなのです

    ・よく「不退転の決意」という
     「退転」とは、クルクルと変えて、次第に悪くなることです
     こうと決めたら、それを最後まで変えずにやり抜く心が、勝負どころでは必要です
     不動心ともいいます

    ・ハングリーという言葉には、飢えた、空腹そうなという意味と共に、渇望するという意味もある

    ・自分を大切にし見つめる
     工夫をこらしていくと、自分がどんなタイプの選手なのか、わかってきます
     個性は十人十色です
     自らのタイプを認識することによって進む方向が決まってゆくのです

    ・人間には、善人と悪人があるのではなく、弱い人しかいない、というのは本当だと思います

    ■生涯一捕手

    ・人は城、人は石垣、人は堀

    ・まず自軍の態勢を固めておいて、じっくり敵の崩れるのを待つ
     不敗の態勢は自軍で作り、勝機は敵の態勢から見つけ出す
     これが、戦いの極意というものでしょう

    ISBN:9784584392584
    出版社:ベストセラーズ
    判型:文庫
    ページ数:271ページ
    定価:676円(本体)
    発売日:2008年03月05日初版発行

    目次

    上巻

    <新装版>に寄せて
    第1章 歩いた跡が道になる
    第2章 情報を活かす
    第3章 「守り」とは何か
    第4章 リーダーの条件
    第5章 敵は我に在り
    第6章 生涯一捕手
    あとがき

    下巻

    <新装版>に寄せて
    なぜ、再び”我に在り”なのか - まえがき
    第1章 見つける―人材を選ぶ眼
    第2章 育てる―能力への挑戦
    第3章 活かす―勝つための法則

  • THE・野村哲学!!
    野球人でなくとも人生を動かされることうけあいです!!
    一生着いていきます!!

  • 自己鍛錬にはとてもよい本だとおもいました

著者プロフィール

京都府立峰山高校を卒業し、1954年にテスト生として南海ホークスに入団。3年目の1956年からレギュラーに定着すると、現役27年間にわたり球界を代表する捕手として活躍。歴代2位の通算657本塁打、戦後初の三冠王などその強打で数々の記録を打ち立て、 不動の正捕手として南海の黄金時代を支えた。また、70年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ4球団で監督を歴任。他球団で挫折した選手を見事に立ち直らせ、チームの中心選手に育て上げる手腕は、「野村再生工場」と呼ばれ、 ヤクルトでは「ID野球」で黄金期を築き、楽天では球団初のクライマックスシリーズ出場を果たすなど輝かしい功績を残した。現在は野球解説者としても活躍。

「2016年 『最強の組織をつくる 野村メソッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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