ささえあう図書館 「社会装置」としての新たなモデルと役割 (ライブラリーぶっくす)

著者 :
制作 : 青柳英治 
  • 勉誠出版
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本棚登録 : 133
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784585200390

作品紹介・あらすじ

現代社会をささえる新たな連携モデルは、図書館から始まっている!市民は、行政との協働・寄付・ボランティアなどによって、図書館をささえ、図書館は、ビジネス支援・施設入所者や障がい者への情報提供を通して、市民をささえている。必要な人に、必要な情報を届けるために…。市民と図書館が相互にささえあう実例を紹介。これまでのイメージを覆す1冊。

感想・レビュー・書評

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  • いくつかの公立図書館の活動活動と、特定の利用者対象としたサービスを採り上げ、その図書館の当事者がそれぞれの活動状況を報告する。
    「ささえあう」をキーワードに、図書館と市民・利用者との関係、その中で図書館のはたす役割、両者の在り方を考えるヒントを与えてくれる。
    編者はこれらの活動事例を通して、「図書館が『社会装置』として機能するための新たなモデルとしての役割を果たし得る」とする。
    本書は三部構成となり、利用者が支える図書館(恵庭市立図書館、海士町中央図書館、エル・ライブラリー)、利用者を支える図書館(島根県立図書館、中之島図書館、ビズコリ、図書館利用にバリアがあるひと人に対する図書館サービス(日本点字図書館、患者図書館、矯正施設へのサービス、被災地での移動図書館の三つの観点から新たなモデルとなる図書館を紹介している。

  • 様々な図書館の活動報告により、図書館の役割が浮き彫りになる。
    地域(人)に支えられ、地域(人)を支える。専門資料を扱う館、限られた対象(病院や矯正施設など)へ本を届ける活動。
    図書館が社会にとって不可欠なものだと見えてくる。

  • 図書館の定義が何かを明確にしないと
    ミスリードされる様な気がする。

    某市の中央図書館館構想のオンラインミーティングに
    参加したことがある。

    バブル崩壊、少子化などなどで、図書館の予算は削減傾向、利用者もピーク時から減っている。
    中央図書館を作って質を上げて、予算削減に対応する。
    と言うのが主催者の趣旨で、その為の聞き取りという様な説明だったと記憶している。

    その中で、
    不登校児の駆け込み寺、
    外国人の子供の読み聞かせ場所、
    地域間格差を解消する場所、
    等の為に予算を増やすべきと数人の人が
    言った。

    図書館は、憲法で保証される国民の知る権利を担保するための装置と定義されていると聞いている。

    ささえあう図書館は、ちょっと論点を変えて、
    福祉会館のなかに図書館機能があると言う視点で
    見ればどうか?

    本書の考えもありとは思うが・・・。

  • 参考文献

  • ●様々なサービスに取り組む各図書館の事例を紹介した本書を読んで、とりわけ市民のニーズに合わせた情報提供を常に行っている図書館に感銘を受けた。
    ●他にも実に多様な取り組みを行う図書館が多く紹介されており、なるほどこんな図書館もあるのかと感嘆した。しかし、こういった特殊な取り組みばかりにスポットが当たることで、市民の「知る権利」を保障するための図書館の本質的な業務が疎かになっていく風潮が、図書館界で生まれないかという懸念も出てくる。

  • こちらの著書を読んで感想文を書きなさいという、司書講習の課題で読みました。
    全国のさまざまな図書館で取り組まれてきた活動が、その図書館の担当者ごとの言葉で具体的に紹介されています。
    公立図書館も専門図書館もがんばっている。
    利用者や自治体と支え合う、「社会装置」としてのこれからの図書館の在り方を考えさせられました。

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著者プロフィール

青柳英治(あおやぎ・えいじ)
明治大学文学部教授。筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程修了。博士(図書館情報学)。
主な著書に、『専門図書館探訪』(共著、勉誠出版、2019年)、『専門図書館の役割としごと』(共編著、勁草書房、2017年)、『ささえあう図書館―「社会装置」としての新たなモデルと役割』(編著、勉誠出版、2016年)、『専門図書館の人的資源管理』(単著、勉誠出版、2012年)ほか。

「2021年 『市民とつくる図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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