グローバルな複雑性 (叢書・ウニベルシタス 1011)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588010118

作品紹介・あらすじ

グローバル化のもとでは複雑な世界があり、それは、予測不可能ではあるが、不可逆的で、恐れと暴力に満ち、無秩序でありながらも単なるアナーキーではない世界である。本書は、グローバルなネットワークの「創発」が人びとの社会生活を根底から変えていることを、線形的な社会科学の思考を脱構築し、複雑性科学の成果と可能性を援用/適応しつつ検討する。

感想・レビュー・書評

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  • グローバル化を扱う社会科学はグローバルなシステムを所与のものとして取り上げ、地域、地方、国民国家、環境、文化がどのようにしてこの全権全能のグローバル化によって線型的に変容するのかを示してきた。

    グローバルなものが社会科学の探究に適した大将として構成されているのかどうか問わなければならない。観察、測定、理論的な資源はグローバルシステムの非常に複雑な性格を探究するところまではいっているのか?

    グローバルな複雑性は単にアナーキーな無秩序ではない。
    社会学や社会科学における長年の問題の1つはより一般的には何等かの秩序がいかにして社会生活において確立され維持されるのかに関するものである。

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著者プロフィール

(John Urry)1946~2016年。ロンドン生まれ。英国の社会学者。ランカスター大学社会学科教授、英国王立芸術協会のフェローなどを務めた。21世紀における「移動」をめぐる新たな社会科学の中心的人物として、世界的に著名。
日本でも『観光のまなざし』『場所を消費する』『社会を越える社会学』『モビリティーズ』などの邦訳で広く知られ、その著作について、社会学者の北田暁大は「具体性と抽象性を往還するなかで理論が生成していく現場を読者は目撃することになる。……スリリングであると同時に論争的でもある」と評し、作家の髙村薫は「20世紀を生きた者なら誰でも身体感覚としてもっている感覚を初めて言葉にしてもらった驚き」と述べるなど、アカデミズムを超える広い読者層を獲得している。
2003~2015年、ランカスター大学に「モビリティ研究所」を設立し責任者を務めた。2015年、新たに「社会未来研究所」を設立し共同責任者となり、人生の最後の時間を“モビリティーズ・スタディーズ”の集大成としての“未来研究”にかけ、翌年の2016年に亡くなった。本書は、その最後の研究成果として結実したものである。

「2019年 『〈未来像〉の未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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