鉄道旅行の歴史 〈新装版〉: 19世紀における空間と時間の工業化

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588276477

作品紹介・あらすじ

鉄道旅行を産業革命の市民的体験としてとらえた19世紀の旅の思想史。その生み出した時間・空間概念の変貌を語り、ヨーロッパと米国の鉄道の違いを技術・経済・国民性の側面から解明。さらに鉄道事故が精神医学および法律に与えた影響を説き、駅舎建築を都市の構造と機能の観点から検討する。

感想・レビュー・書評

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  • 『鉄道旅行の歴史』というタイトルからは通史的な印象を受けるが、主題は「19世紀における鉄道の出現は、社会をどう変えたか」。なので、サブタイトルの方が内容に近い。

    本書で最も強調されるのは、移動手段が徒歩や馬車から鉄道とう機械体系に変わることで、人間の知覚も大きく変わったことである。足や馬の疲れから距離を感じたり、道端の草花からその土地の個性を感じたりすることがなくなり、もっぱら車窓からの遠景(しかも、移動方向ではなく、あくまでも横側)を感じ取るようになる。また、他者と密閉空間で移動することの気まずさから、車内での読書も普及する。つまり、五感で移動を体験していた時代から、視覚優位の時代への転換といえるだろう。

    また、このような転換を一般的に指摘するだけではなく、西欧と米国とでの違い、階級による違いも指摘しているのも面白い。本書の視点で日本やインドも考えると、さらに話は広がるだろう。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000860188

  • SW2a

  • テーマ史

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784588276477

  • 放送大学の先生いわく、

    ・鉄道を地域と地域の伝達方法であることと、共感機能、人と人をどう結びつけたか、を示している

    ・早いスピードで流れる風景により、パノラマ的な知覚を生み出し、人々に親近感や空間への認識を生み出した。

    ・鉄道をメディアとして捉える観点も読むべし

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