市川房枝と「大東亜戦争」: フェミニストは戦争をどう生きたか

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著者 : 進藤久美子
  • 法政大学出版局 (2014年2月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (668ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588327049

市川房枝と「大東亜戦争」: フェミニストは戦争をどう生きたかの感想・レビュー・書評

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  • 進藤久美子『市川房枝と「大東亜戦争」 フェミニストは戦争をどう生きたか』法政大学出版局、読了。戦後の政治家としての評価とは裏腹に戦前・戦中の軌跡を評価するのが難しい市川房枝。一次資料にあたりながら、礼賛でも弾劾でもない抑制のとれた筆致でその全体像を描き出す最新の浩瀚な評伝

    。大正デモクラシーの空気を吸い、そのさらなる完成(婦人参政権)を目指す市川の大きな壁は大東亜戦争。非戦のから撤退するか、それとも権利獲得のために政府に協力するか。市川は後者を選ぶ。満州事変に反対した彼女を「転向」と捉えるべきか。

    彼女の転回を戦争肯定と理解するのは早計過ぎるだろう。晩年まで石原完爾に共鳴(彼女自身のイデオロギー超越性のスタイルもあるが)したように、東亜連盟への共感や中国の女性との連帯の志向は、単にナショナリストと片づけることはできない。

    戦中も女性擁護の立場から東条内閣の内政政策と鋭く対立し、その先鋭化は女性徴兵論にも赴くが、市川の軌跡そのものが、都議会ヤジに象徴されるように、この社会の男性優位の構造そのものが、今も変わらぬことを物語る。今読むべき1冊か。

  • 「女の力信じはまったワナ」[評者]渡邉澄子(文芸評論家)東京新聞
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014042702000179.html

    「擁護でも弾劾でもなく」評者:宇野重規=政治学者・東京大教授(読売新聞)
    http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20140527-OYT8T50088.html

    法政大学出版局のPR
    http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-32704-9.html

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市川房枝と「大東亜戦争」: フェミニストは戦争をどう生きたかの作品紹介

戦前から婦選運動を牽引し、日本におけるジェンダー・ポリティックスの政治理念と政治様式の生みの親でもある市川房枝。その市川は、どのような軌跡を描いて非戦論の立場から戦争容認・協力へと転向していったのか。本書は、多くの未公開資料などを利用しつつ、「告発史観」の視座からではなく、同時代の社会状況のもとに市川の言説と活動を跡づけ、その戦時期活動の意味を再検証する。

市川房枝と「大東亜戦争」: フェミニストは戦争をどう生きたかはこんな本です

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