天皇の韓国併合 (サピエンティア)

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著者 : 新城道彦
  • 法政大学出版局 (2011年8月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588603198

天皇の韓国併合 (サピエンティア)の感想・レビュー・書評

  •  同じ筆者とテーマで後に出版された新書の元となった博論か。当然、基本的には同じ内容だが、本書では制度論の分析が多い一方で、新書では王公族各個人のエピソードや、本書出版後に韓国に返還され注目を集めた「朝鮮王朝儀軌」の記述が多いという違いがある。
     併合当初から李垠・方子妃の結婚あたりまでは、宮内省等は王公族を皇族ではない華族的なものとみなし、一方で寺内正毅統監等の朝鮮統治を重視する一群は皇族とは別としながら立場は同等であることにこだわっていた。筆者は、朝鮮は日本の一部だという「大義名分」、王公族の存在を利用した表面上の朝鮮懐柔策、明治天皇の詔書により王公族が創設されたことを挙げた後、「王公族を存続させれば朝鮮の独立性を表象し、『大義名分』を否定する危険があったが、天皇の体面や権威は強化でき、それによってむしろ『大義名分』を維持できた」と結論付けている。
     しかし、一時は独立国家大韓帝国の長であった李太王と李王の薨去以降は、王公族は次第に皇族に同化していったとのことである。大日本帝国としては安定・強化されていったということだろうが、日本軍人として被爆死した李鍝や、終戦直後に日本人になりたいと強く願った(そして現にそうした)李鍵を思うと物悲しくもある。

  • 「朝鮮王公族」に感激して借り入れ。
    当たり前とも言えるが、「朝鮮王公族」とかなり内容がかぶっている。というか、本書を一般向けに縮めたものが「朝鮮王公族」であると言うべきか。博士論文がもとということで、ふんだんに挿入される史料の引用文に音を上げかけるが、第5章以降は「朝鮮王公族」を読んでいても新味を感じる本書独自の内容が多くなり、面白い。
    思うに、1978生まれでもともとヘーゲルを専攻していた著者は、従来の歴史家のように「日本の悪業を糾弾する」とか「同胞の無体を謝罪する」、あるいは「祖国の汚名をそそぐ」とかいったイデオロギーありきでなく、純粋に「朝鮮王公族なるもの」に興味を抱いているのだろう。それが著者の、きわめて平静で公平な筆致の所以であろうと思う。

    2015/3/27〜3/29読了

  • [ 内容 ]
    李王家はなぜつくられ、維持されたのか?
    併合と同時に天皇は韓国皇室のために特殊な身分を創設した。
    朝鮮統治の安定と大義名分をかけて、その処遇に苦慮した日本政府や官僚の状況を、膨大な資料から鮮やかに読みとく。

    [ 目次 ]
    序章 見過ごされた王公族
    第1章 韓国併合と王公族の創設
    第2章 梨本宮方子の婚嫁計画と王公族の法的地位
    第3章 李太王の国葬と三・一運動
    第4章 李王の国葬と朝鮮古礼の尊重
    第5章 李〓(こう)の散財と公家存続をめぐる葛藤
    第6章 王公家軌範の制定と王公族の範囲
    第7章 朝鮮貴族の家政破綻と天皇の体面

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


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天皇の韓国併合 (サピエンティア)の作品紹介

1910年から47年まで、日本には王公族という特殊な身分が存在した。韓国併合と同時に天皇が韓国皇室のために創設した身分で、皇族ではないが華族よりも上に位置づけられた。朝鮮の表象ともいえる彼らを、なぜ破格の費用をかけて維持したのか。葬儀や婚礼を事例に、朝鮮統治の安定と大義名分をかけて奔走し、皇室典範まで改定した日本側の様子を膨大な資料から鮮やかに読みとく。

天皇の韓国併合 (サピエンティア)はこんな本です

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