少年探偵江戸川乱歩全集〈45〉時計塔の秘密

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591001547

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃にポプラ社の江戸川乱歩・少年探偵シリーズのほとんどを読んだが、その中でもこの本が一番好きだった。
    いくつもの秘密や謎に、ホラーや冒険の要素も加わって、どきどきしながらページをめくったことを覚えている。
    英国の作家A・M・ウィリアムソンの小説『灰色の女』を、黒岩涙香が『幽霊塔』の題名で翻訳し、江戸川乱歩がそれをさらにリライトした『幽霊塔』が、この本の元になっているそうだ。
    江戸川乱歩の『幽霊塔』は、宮崎駿の『ルパン三世 カリオストロの城』の源流にもなっているそうで、多くの人が魅了されるストーリーなのだと納得する。もちろん、カリオストロの城も大好きだ。

  •  ポプラ社の江戸川乱歩シリーズの中で、とりわけ思い出される一冊です。

     とてもロマンティックなイメージ✧
     からくり時計塔、という、まだ中身を知らない段階でも聞くだけで空想をかきたてる舞台。そこに登場するのは謎めいた美女。時計塔を背景に白いドレス姿で駆ける(ややシンデレラとかぶっている……)ヒロインを描いた、岩井泰三氏による表紙イラストは効果絶大で、幼心にもときめいたものでした☆

     黒岩涙香の『幽霊塔』に心底惚れこんだ乱歩は、過去にその翻案小説を書いたのでしたが、まだ興奮冷めやらず、年少の読者も親しめるようにとリライトしたのが『時計塔の秘密』でした……とされていたのですが、弟子筋のリライト説が有力と分かってびっくり!
     のちに乱歩の大人版『幽霊塔』も読んだけれども、あらすじはほぼそのままでも、あの胸の高鳴りだけは味わえませんでした……。少女の頃に知ったポプラ社版への想いは格別です★

    『時計塔の秘密』というタイトルからして好み。舞台となった古びた時計屋敷の呼び名「幽霊塔」が、もとの作品名にもとられていたのだけど、それではおどろおどろしすぎて、ときめかないのです……。
     改題大成功☆ このセンスの良い改題も、ゴーストライター氷川瓏の案だったのでしょうか?

     大人になってから読んでも、野末秋子の変幻自在さには驚きます。突然現れたのに時計塔の構造に精通していて、ある時は作家、またある時はピアノの名手、しかも何か暗い過去を背負っているらしい。美貌の秋子は、またたく間に周りの人間を虜に。
     主人公の少年だけならともかく、名探偵・明智小五郎さえ「こんなに美しい人に殺人なんてできるとは思えない」と、とんでもない動機で彼女の無実を立証しようとするのでした★
     怪しい行動をとっても、若く美しいというだけで破格の扱い。

     ……憧れって大事です。本当にキレイなひとは心もキレイだといいね。

  • 小学校の図書室に何故か全巻揃えてあって、ワクワクしながら読んでた記憶がある。なかでも時計塔の秘密は好きで何度も読んでた。今でも探偵ものやミステリが好きなのはこの頃に形づくられたんだろうなあ。
    江戸川乱歩がエドガー・アラン・ポーを捩ってたと知ったときの衝撃も忘れられない。

  • 言葉の表現が少し古いところがまた味があって良かった。色々なミステリーの素となっている物語なんだろうと感じた。面白い!

  • 幽麗塔に関連する作品かなと思って読んだ。
    読まされて読んでる感じはなく、読みたいから読む本だった。幽麗塔との関連はあんまり無かった。だがそれが新鮮で面白い!

  • 2015/01

  • (1999.03.28読了)(1999.03.01購入)

    ☆江戸川乱歩さんの本(既読)
    「少年探偵10 宇宙怪人」江戸川乱歩著、ポプラ社、1964.10.
    「少年探偵14 夜光人間」江戸川乱歩著、ポプラ社、1964.11.05
    「少年探偵16 仮面の恐怖王」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.06.
    「少年探偵26 二十面相の呪い」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.10.20
    「少年探偵27 黄金仮面」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.08.
    「少年探偵30 大暗室」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.10.
    「少年探偵44 人間豹」江戸川乱歩著、ポプラ社、1973.11.
    「少年探偵46 三角館の恐怖」江戸川乱歩著、ポプラ社、1973.11.15

  • 1959年発表

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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