十五少年漂流記 (世界名作童話全集 37)

著者 :
  • ポプラ社
4.80
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 7
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591002940

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  池田宣政は南洋一郎の別名義の筆名です。
     南洋一郎はポプラ社のルパン全集で有名です。
     同じポプラ社の名作童話全集にジュール・ベルヌ『十五少年漂流記』が収録されていました。
     ルパン全集では原作をかなり改変されていたようですが、本書では原作にほとんど忠実な縮約でした。



     最後のワルストン一味との死闘では、原作ではジャックがピストルでワルストンを銃撃します。
     しかしさすがにそれはまずいと思われたのか、本書ではモコウが銃を連射し、逃げた海賊達が落とし穴に落ちて死ぬことになっています。
     しかし本作品ではドノバン一味を始め、少年たちは鉄砲を撃っています。
     日本ではこの年齢の少年達が銃を撃つことはほとんどありません。というか、大人ですら銃の実物を見たことある人は少数派ではないでしょうか。お国による違いなのでしょう。

     池田宣政先生は巻末「ご両親や先生方へ」を3ページ書かれています。

     フランスの原文と英語翻訳版の両方を参照して本書を訳したと書かれています。
     仏文学者だからオリジナル版を読まれるのは分かるのですが、英語版も読まれていたとは。戦前の文人はすごいですね。

    「国籍や皮膚の色がちがっても、たがいに親しみあいたすけあうことのだいじなこと、それが、これからの人類の平和と共存と繁栄の源であり因子であることなどを、子どもさんが感得し世界平和の崇高な理想にむかって、自分をたかめすすめていくことになれば、本書の目的はたっせられることになると思います。」


     いいこと書かれていますねえ。
     しかし本書が出版されてから60年近くたった現在、その理想は達成できていません。
     むしろ分断は広まっているような。
     人類は一体どこで間違ってしまったのでしょうか。

    (なお、本書の挿絵を描かれている古賀亜十夫さんも挿絵界のレジェンドとでも言うべき方です。
     大御所二人がタッグを組んだ格調高い名作文庫ですね。)

    OLDIES 三丁目のブログ
    南洋一郎編著の『十五少年漂流記』(ポプラ社)
     https://diletanto.hateblo.jp/entry/2022/08/02/202527

  • 僕の読書生活の原点と言っても良いであろう、思い出深い一冊です。いつの間にか、2年間の休暇中の彼らよりもだいぶ年を重ねているけれども、改めて読み返してみて、彼らから学ぶことは山のようにあります。

    そして、こんなにも面白くまた人生の目標にも成り得るような登場人物がたくさん登場する良書に(早いうちに)出会えたことを、嬉しく思いました。

全2件中 1 - 2件を表示

ベルヌの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×