一つの花 (おはなし名作絵本 21)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591005484

感想・レビュー・書評

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  • 当たり前だけど、戦争ものの絵本は悲しさがいつまでも心の隅に留まる。
    二度と同じ事を起こさないために必要なんだけど。
    戦後しか知らないからこそ、定期的に子ども達にこういった本も読んでいこうと思う。

  •  太平洋戦争の物資不足の中、「ひとつだけちょうだい」と回らぬ舌で食べ物をねだるゆみ子。欲しいものを与えてやれず娘を不憫に思う父は、やがて出征して行く。駅に見送りに来たものの、空腹で泣き出してしまったゆみ子に、父は片隅に咲き残っていたコスモスを渡す……。


     図書館本。
     今でも国語の教科書に載っているのだろうか? 空襲、疎開、学徒動員などの強い負の面を使わずに語られる、かなりマイルドで静かな戦争文学。
     この作品を初めて読んだときは小学生だったもんで、一番に思ったことは「ゆみ子よく食べるなあ!」だった……。(トホホ)
     ン十年ぶりに読み返してみると、父親が戦死したとは書いてないのね。そこを悟らせる簡潔な表現、巧みだなあ。

     絵の方は、無彩色で白く描かれた人物が少々不気味。背景などもやや暗い雰囲気。
     それだけに、片隅にひっそりと咲くコスモスの色が印象的だった。

  • 息子の音読の宿題で聞いて、おもわず涙してしまった。
    「一つだけちょうだい」という言葉が口ぐせの小さな女の子。戦争へ行くお父さんから最後にもらった1つだけ花が、年月が経って・・・。

  • 子供のために音読しようと思って、あえて絵本で。
    この本を音読したら、子供の前で涙を堪えるのに必死になってしまった。
    親になってわかるこの切ない気持ち。
    そして、今だとわかる最後の場面。
    泣ける。
    そう、すっかり忘れられていい。ただ、花になって見守るだけ。
    その花を好きでいてくれれば、それでいい。元気でいてくれれば、もうそれで十分。

    そんな気持ちの伝わる、つらく悲しく切ないハッピーエンド。
    そんな感想です。

  • 「一つだけ、ちょうだい」

    戦争の話。教科書にも載っている。悲しい話。(10分)#読書 #読書が好きな人と繋がりたい #一つの花 #今西祐行 #鈴木義浩 #ポプラ社

  • 教科書と絵が違うからイメージが違うっていうか。なんか変な感じ。(S10)

  • 最初に覚えた言葉は「一つだけちょうだい・・」
    戦争が激しかった頃のお話。
    お父さんが子供の将来を憂う気持ちが胸にしみる絵本

  • 何度読んでも泣けてくる。戦争の哀しみが、しっとりと伝わってくる名作。絵も素晴らしい。でも、哀しいので、いつから子どもと読むんだろう?3歳は、まだ早いのか、でも戦争は、絶対にしてはいけないんだよ。戦争という名の下に何でも悪い事、悲しい事が行われてしまうんだよ。という、平和に対する考えを、少しずつお話してゆけるきっかけになる絵本です。戦争の知らない世代が一度は読みたい名作。

  • 小学生の時の教科書に載っていました。
    話の内容はだいたい覚えていましたが、ネットでお父さんのセリフを読んだ瞬間涙が溢れて止まりませんでした。
    当時はわからなかったけど、こんなに深い話だったのか、と。
    もう一度読みたいです。

  • 最近の方針。
    諦めるというハードルがあるのとないの、どっちが辛いだろうね。

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著者プロフィール

●児童文学作家。1923年大阪府生まれ。早稲田大学仏文科卒業。在学中から早大童話会に属し、児童文学を志す。主な児童文学に『肥後の石工』『浦上の旅人たち』『光と風と雲と樹と』。そのほか絵本に「源平絵巻物語」シリーズ、『土のふえ』など。日本児童文学者協会賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞、芸術選奨文部大臣賞など受賞多数。1992年紫綬褒章を受章。2004年逝去。

「2017年 『ヘレン・ケラー自伝 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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