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- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591032299
感想・レビュー・書評
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子供の頃に読んだズッコケシリーズの中で異様に怖い話があったということをふと思い出し、数十年ぶりに読み直した。
怖い。やはり怖い。大人になった今、改めて読んでも怖い。
小学生というのは、どれだけ斜に構えていても、将来に対してうすぼんやりとした希望を持っていると思う。そんな小学生に向けた児童書でこのストーリー。子供の頃に夢見ていた職業になれなかったなどというレベルではない、取り返しのつかない事態というものがこの世にはあるのだと、この本で知った気がする。
この本に出てくる同級生のような派手な形ではなくても、過去の同級生や家族を避けて過ごさなくてはいけない羽目になる人生は珍しくはないのだ。小学生はそれをまだ知らない。
それにしても、当時は無意識に読んでいたけれど那須先生の文章はとても読みやすい。長い間、ズッコケシリーズが人気だったという事で、自然に手に取りやすい本であったというのは、子供にとって幸運なことだったのではないかと感じた。ベテランの先生の板書のような、正しくてきれいで読みやすい文章である。割と堅めの文体なのに子供でも読みやすいというところがすごい。大人になって読み直したからこそ、気づけるすごさがズッコケシリーズにはあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示