ズッコケ三人組の未来報告 (新・こども文学館 29)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591032299

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃に読んだズッコケシリーズの中で異様に怖い話があったということをふと思い出し、数十年ぶりに読み直した。
    怖い。やはり怖い。大人になった今、改めて読んでも怖い。
    小学生というのは、どれだけ斜に構えていても、将来に対してうすぼんやりとした希望を持っていると思う。そんな小学生に向けた児童書でこのストーリー。子供の頃に夢見ていた職業になれなかったなどというレベルではない、取り返しのつかない事態というものがこの世にはあるのだと、この本で知った気がする。
    この本に出てくる同級生のような派手な形ではなくても、過去の同級生や家族を避けて過ごさなくてはいけない羽目になる人生は珍しくはないのだ。小学生はそれをまだ知らない。

    それにしても、当時は無意識に読んでいたけれど那須先生の文章はとても読みやすい。長い間、ズッコケシリーズが人気だったという事で、自然に手に取りやすい本であったというのは、子供にとって幸運なことだったのではないかと感じた。ベテランの先生の板書のような、正しくてきれいで読みやすい文章である。割と堅めの文体なのに子供でも読みやすいというところがすごい。大人になって読み直したからこそ、気づけるすごさがズッコケシリーズにはあった。

著者プロフィール

那須正幹(なすまさもと):広島県生まれ。児童書の大ベストセラー「ズッコケ三人組」シリーズ全50巻(日本児童文学者協会賞特別賞・ポプラ社)をはじめ、200冊以上の本を執筆。主な作品に『絵で読む 広島の原爆』(産経児童出版文化賞・福音館書店)『ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー』(野間児童文芸賞・ポプラ社)など。JXTG児童文化賞、巖谷小波文芸賞など受賞多数。

「2021年 『めいたんていサムくんと なぞの地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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