せかいいちうつくしいぼくの村 (えほんはともだち 40)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 576
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (39ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591041901

作品紹介・あらすじ

きょう、ヤモははじめてとうさんとまちへいく。ロバのポンパーもいっしょだ。いちばですももやさくらんぼをうるのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 横長の見開きの両ページに広がる、雄大で自然溢れる美しい光景に惹き付けられながら、親子の素朴でささやかな幸せを体感できる出来事に、心地良いものを感じていた時に訪れた、突然の結末。

    文章だけで綴られているだけに、却って、まざまざと現実の辛さ、哀しさを実感させられました。

    どこの国にだって、かけがえのない、人々の暮らしや、誇りに思える美しい自然や町、村がある。

    それはアフガニスタンも同様で、それらを壊す権利は誰にも無いはずなのに。

    「何のために戦争をするのか」

    と、分かったようなことを書くなと思われようが、書かずにはいられない。

    それが本当に、人間の日々の喜びを奪ってでも、する価値があるものなのか?
    ましてや、奪っているのも同じ人間であることが、私には不思議に思えてならない。

    1995年当時のアフガニスタンの実情を、日本の方が描いていることで、すごく身近に感じたことから、世界が一つに繋がっている思いに至り、胸が痛む。

    家に帰るシーンの夕暮れの絵が、はっとさせられるほど綺麗で、目に焼き付いて離れないのに、その少し離れたところで、人間同士が戦争をしていると思うと、なんとも言えない気持ちになりました。

  • はじめて本を開いた時………小林 豊 (図書 2021年5月号)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b581875.html

    ぼくと『せかいいち うつくしい ぼくの村』——小林豊さんインタビュー|ポプラ社 こどもの本編集部|note
    https://note.com/poplar_jidousho/n/n567417c463df

    せかいいちうつくしいぼくの村|えほんはともだち|創作絵本(国内)|本を探す|ポプラ社
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/3440040.html

    • goya626さん
      国語の教科書に載っているんですよね。裏に流れる悲しみが心にしみます。
      国語の教科書に載っているんですよね。裏に流れる悲しみが心にしみます。
      2021/05/07
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      テキストだけ?それともイラストも?
      goya626さん
      テキストだけ?それともイラストも?
      2021/05/11
  • 侵略、内戦、部族間の紛争が続くアフガニスタンを訪れた作者が、平和への願いをこめて語った創作絵本です。春はパグマン村は花盛り、スモモやサクランボの収穫の季節です。ヤモ少年は、戦争に行っている兄さんの代わりにお父さんと一緒に大きな街の広場に出かけて行き「サクランボ! パグマンのサクランボだよ!」と元気よく声をかけます。売れずにしょんぼりしていると、小さな女の子や戦争で片足をなくしたおじさんが買ってくれて、たちまち売り切れました。お父さんもスモモを売り切り、そのお金で子ヒツジを一頭買って帰るのでした・・・。
    「この年の冬、村は戦争で破壊され、今はもうありません」で終わっています。 ・・・アメリカ軍撤退直前の2021年8月 <スンニ派過激組織・タリバンが首都カブ-ルを制圧>。 政情不安が続くアフガニスタンに、真の平和が訪れるのはいつのことでしょうか。

  • 「パグマンの さくらんぼは せかいいちだ」

    戦争によって破壊されたアフガニスタンの小さくて美しい村の話。ロシアとウクライナの戦争が始まるまで、わたしは戦争なんて、他人事だと思ってた。読み繋げたい絵本だ。(11分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #せかいいちうつくしいぼくの村 #小林豊 #ポプラ社

  • 絵本の存在は知っていたけど
    今回 図書館の展示コーナーで見かけて借りてみました。

    きれいな色合いの絵。何でもない日々のくらし。

    だけど 衝撃のラストで我に返る。
    そうだ。これは戦争の話だったのかと。

    読んでおくべき絵本のひとつ。

  • 人は愚かですね。子供に理由を聞かれてもそうとしか答えられない。だからこう言った本があると伝える事にします。

  • やさしい絵
    やさしい語り口
    のどかな風景
    お兄さんのことや絵の中の兵隊が気がかりだけど
    でもヤモもロバのポンパーもしあわせ

    ラストの三行

    アフガニスタンの現実
    1995年から重版されている

    ≪ ヤモの村 今日からひつじ 家族だよ ≫

  • アフガニスタンのパグマンという草花や果物がたくさん実る美しい村。そこに住む少年が、父親の手伝いをしながら幸せに暮らしている様子が描かれ、そして最後に戦争による爆撃で、その美しい村がなくなってしまう、悲しいお話です。戦争がどんな不幸をもたらすか。平和で幸せに暮らしていた人たちを一瞬にして不幸に陥れてしまう。そんな戦争はぜったいにしてはいけない、と強く考えさせられました。

  • 日本から遠い国。
    戦争をしている(していた?)国。
    今はもう、報道されなくなった国。
    本来、普通の人々が普通の暮らしを営んでいた。そんな幸せをぶち壊すのが戦争なんだと教えてくれる。
    子どもから大人まで、それを知るきっかけに。

  • まさかの衝撃。
    戦争は殺し以外の何者でもない。物語が一瞬で消えた。踏み躙られた。

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著者プロフィール

1946年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業後、イギリス留学中に画家を目指す。1970年代初めから80年代初めにかけて中東やアジア諸国をたびたび訪れ、その折の体験が作品制作の大きなテーマとなっている。 主な作品に、『せかいいちうつくしいぼくの村』、『ぼくの村にサーカスがきた』、『えほん北緯36度線』、『えほん 東京』などがある。

「2021年 『海峡のまちのハリル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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