おいしい話 (Little Selectionsあなたのための小さな物語 6)

著者 :
制作 : 赤木 かん子 
  • ポプラ社
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本棚登録 : 39
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591067628

感想・レビュー・書評

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  • どれも確かに「おいしい話 」なんだけど、美味しさが違っていてすごく楽しい。
    赤木さんの選び方もいいんだなぁ。

  • おいしいお話が贅沢にも5話入っている。
    うち1つは、波津彬子さんの「夏の盃」という漫画で、
    徳利に取り憑いた布袋様の話。
    なかなか風情があった。
    清水義範さんの「ぶり大根」は、まさにブリ大根の完璧なレシピで、
    よし今度この通りに作ってやろうとまで思えた。
    最後は食通で有名な池波正太郎さんの「食べる」というエッセイ。
    池波さんのおかあさんは、十日に一度好物の鮨をつまむことで、
    一家を養う気持ちをつないだというエピソード。
    短い文章だけれど、その読みごたえはさすが。
    巡回図書。

  • 短編でさくさく読めるけれど、どれも味わい深い作品です。中でも、清水義範さんの「ぶり大根」は新婚のあつあつ夫婦が展開するぶりの煮物の作り方なのですが、とても愉快でした。この作品が収められた「12皿の特別料理」角川文庫もぜひ読んでみたいです。

  • 清水義範『ぶり大根』…ほとんどレシピで小説を書いてしまっていいのかぁ?でもこれはこれで読めてしまう。どの話も何かを「おいしい!」とストレートに言うのではなく、おいしいものが合間にするっと差し込まれているのだ。おいしいものは食べると幸せ、ちょっと日常をはなれるけれど、確かに日常生活の一部なんだよなあと思う。

  • 小中学生にも読書を・…という求めに応じて棚に並べられる本の少なさに困惑した編者・赤木かん子さんが
     <B>切れ味のいい中・短編は、
     読みなれていない人でも読みきることができ、
     一生忘れられないほど強く、
     その人の魂をゆさぶる力も持っているものです。
     おもしろくて読みやすくてわかりやすい、
     そうして基本的で深い作品を選んだつもりですがいかがでしょうか。</B>
                     (編者から皆様へより)
    とおっしゃる通り、面白味と示唆に富んだ5つの物語である。

    焼岳の月見――庄野英二
    ソリマンのお姫さまの話――カレル・チャペック(中野好夫・訳)
    ぶり大根――清水義範
    夏の盃――波津彬子
    食べる――池波正太郎

    清水義範さんの『ぶり大根』などは、自分の身に照らして、情けなかったり可笑しかったり羨ましかったり、であった。
    この題材でこれだけ気持ちのいい作品に仕立て上げられるのは清水さんゆえであろう。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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