- Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591069479
感想・レビュー・書評
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こんな名作に何を今更である。
そうは言っても、この季節になると読み返したくなるのだ。
たぶんそれは、めぐり巡るスプリングエフェメラルの不思議さに、いまだに心打たれてしまうからだろう。
ただ私は、「いい大人」なのでそれを言わないし、言えない。
素直に疑問を口に出すウーフには、いつでも丸ごと受け入れてくれる優しいお母さんがいる。
意地悪なツネタに「ウーフはおしっこで出来ている」とからかわれたときは、泣きながらも自分の身体で答えを出す。
私はそれもしない。大人って、なんだろう。
私だってかつてはウーフだった、はずだ。
すべての子どもはみなウーフのように真っ直ぐに生きて良いはずだ。
「ぼくには手があるから、お母さんに抱っこできる」って、喜んだり、
チョウチョを窓で挟んで死なせてしまったと、涙を流したり、
夏の暑い日には、「ソフトクリーム百個なめたい」なんて言ってほしい。
どれもこれも、なんて愛おしいウーフだろう。
読みながら、何度も何度も心の中で抱きしめてしまう。
そしてすべての子どもがこうであったらと、願わないでいられない。
小さな事件がいっぱいの、ウーフの日々。
でもそこには常に、愛情にあふれた両親の存在がある。
「みんなが一匹ぶん、しっかり働けばいいんだ」と教え諭すお父さんの、なんと頼もしいこと。
それだからこそ、ウーフはウーフで出来ているのだね!
とうの昔に両親を亡くした私に、ウーフのような平安はないけれど、
平安を誰かに届けることなら少しだけ出来る気がする。
ウーフを読むと、小さな小さな勇気の芽が生まれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかった!
ウーフがかわいい。やさしくて、食べるのがすきで、どろんこで遊ぶのがすきで、おれそっくり。いっしょに遊びたい。目玉やきとはちみつがおいしそうだった。服もかわいい。お父さんとお母さんもやさしい。
ツネタはいじわる。はさみでウーフの毛を切っちゃうピピは、こわい。(小3) -
これは!
まさにアイデンティティの目覚め!
まど・みちおさんの大好きな詩
『くまさん』
を物語にしたかのような。 -
まだ途中ですが、あまりにも面白いのでたまらなくなりました。
しょっぱなから、ウーフ(笑)って感じ。
文章が秀逸でたまりません。
簡単な切り口で、でも巧妙な書き方で、大人が読んでも引き込まれました。
全体を読んでの感想も、上記と変わりませんでした。やはりウーフ(笑)って感じ。
キツネのツネタくんの意地悪っぷりに時々くぅっとなりました。
描写が、いい。
ズキンズキンじゃなくて、ずくん ずくん。
銀いろのハーモニカの音色は、りら るら すいー。
ときめきます。 -
小学校1年生の娘がクスクス笑って時にはツッコミを入れながら、とてもうれしそうに読んでいます。
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人生の複雑さがわかってくる時期に良い児童書。
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・ゲラの小鳥がへびにねらわれて、ウーフにやっつけてもらうところがおすすめです。だけどさいごは、ゲラのおかあさんがへびをたおすところがおもしろいです。
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大人になってから読んでみると、最高に良い本でした。子供の頃教科書に載ってた時は、先生が絶賛する理由がさっぱり分からなかったけど。
我が子も気に入ったみたい。 -
自分が子どもの頃大好きだった本。10年前、息子に読んだ時も感動したけれど、こうして、また娘にも読める時がきたのだなあ。幸せ。
それにしても、哲学書だなー。これは、子ども達が、最初で出会う哲学書なんじゃないか?と思ってしまう。
どのお話も、全部面白くて、すごいなーって思う。娘が、ただただ笑っているところが(子どもには、ただ面白い本なところが)また、すごいなーって思う。子どもの心には、どんな風に、この物語が届いているんだろ?
でも、何が一番素敵かって、ウーフのお父さんの存在感かな。お父さんが、こんなに素敵に描かれている物語って、そうそうないなあと思います。 -
気軽に読み始めたら、すごい哲学の本だった。
「どうして?」だらけのウーフの日々。答えがあるものも、ないものも。
「くま一ぴきはねずみ百ぴきぶんか」は奥深い。
一人一人、適量というものがある。
他人とくらべたって仕方ない。
自分の適量に応じたものを食べ、自分のできることをしっかりやれば、それが世の中への還元になる。
そういうことが、子供にもわかりやすく書かれている。
子どもが生まれたら、適切な時期に読み聞かせたいなあ。