地獄堂霊界通信2〈Vol.4〉闇からの挑戦状 (ミステリー&ホラー文学館)

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著者 : 香月日輪
制作 : 前嶋 昭人 
  • ポプラ社 (2003年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591073889

地獄堂霊界通信2〈Vol.4〉闇からの挑戦状 (ミステリー&ホラー文学館)の感想・レビュー・書評

  • 地獄堂霊界通信シリーズは小学校の頃はまって、1はほぼ揃えてました。が、売られてしまいました。
    図書館でふらふらしてたら、いつの間にか2が出てて、ビックリしました。
    そう気づいた頃にはポプラ社では売ってないことになっていて、集めるのに苦労しました。今度は売られないようにしないと…。と、いう前置き。

    さて、このお話は地獄堂霊界通信シリーズ2の中で強いて言うなら、1番好きな話しかな。(恐怖の花園の「桜」もかなり好き)
    近所のおわん山(だったけ?)が工事で無くなることに疑問と怒りを持った三人悪がおわん山を遊び場としている他校の生徒と協力しあい、署名運動を開始する。
    それがきっかけで、現場の作業員と喧嘩になった三人悪の目の前で、突如大量のネズミが作業員を襲撃。そして現れた巨大なネズミの化け物-鉄鼠-
    自然を壊されたネズミの復讐か…それとも…?

    この説明だけ見ると、ただの環境問題をとりあげて
    「自然を守ろうね♪」と、ありきたりなもんを強要させる本だと思うでしょ。
    そんな本なら、ここまで根強くファンがついてないですよ。

    自然は壊したくない。という理想を大人は笑顔で押し殺そうとする。
    自分達の思惑を隠して。子供を押し付ける。

    だけど、工事のオッサン達は自分達の生活のため、家族のためだと現実を子供達にたたき付ける。

    大人の本心、現実を知り、反論できなくなる三人悪は理想と現実に苦悩する。

    そしてまた襲いかかる巨大なネズミ「鉄鼠」が汚い人間を全て廃除し、美しい自然を取り返そうとする考えに、同意出来なかった三人悪の考えはいつの間にか自然を守る理想から、人間を守りたい。という現実に変わっていく。
    ネズミの襲撃が自然の怒りならば、自分達のしていることは正しいことなのかと、未だ自問自答を繰り返しながら戦う、まだ子供の三人悪の姿は胸が痛くなる。

    戦うことで明かされる「鉄鼠」の正体は………!

    三人悪。そして児童書として読んでいる子供にとったら衝撃的で、苦しすぎる結末。

    笑顔で子供を押し付けている大人も、まだ理想を掲げているだけの子供(なんも考えずに理想をふりかざしてる見た目は大人、中身は子供な人も含む)も、みんなに見て考えてもらいたい作品。

    この話しに限らずですが、キャラクター設定がニクい。
    冷静で大人びているから、大人の浅はかさに嫌気がさしてる椎名。
    自然も人も大好きで、優し過ぎるりょーちん。
    とにかく真っ直ぐなてっちゃん。

    この三人の性格がうまいこと話しに絡んでる回だと思う。

    あと、じぃんとくるのは1のシリーズで仲間入りした妖怪の日向が戦おうとするのを、てつしが止める所。
    自然を壊され長年連れ添った月代を奪われた日向が、三人悪に味方するのも、解っているから戦わせたくないてつし。
    この本に登場する男子はみんな男気があってカッコイイ!!

    児童書と侮るなかれ!

    是非お手にとってみてください!

  • これも前作とは違う意味で、本来の地獄堂に近い話でした。
    啓発的な意味で…と言っていいのかな。
    そこで子供たちが大人だと「矛盾」としてしか捉えられないことを、真っ向から向かい合って、その限界すら見据えているのには、胸が痛い。
    最後に工事現場の加藤さんが、仕事を止めて実家の農業に戻った、というのには、唯一救われた気がします。
    あの大震災を知っている自分で読むと、また違った形で捉えられる話でした。

  • 大人の事情大全開! な話でした。
    予算を使い果たすためだけの工事に、壊されていく自然。
    なぜ作るのか、作ってどうするのか。
    使えないものを作ってどうするのか。
    それは誰もが思っている事です。
    が、その仕事をする事によって、食いっぱぐれが起こらない事も
    確かな現実です。

    壊すのは一瞬、けれど戻すのには時間がかかる。
    目に見えて分からない分、戻っているかも分からない。
    自然がなくなっている、という口で、自然を壊して便利を生みだす。

    確かに便利がなければ生活ができない事はあります。
    こうしてネットも出来ないわけですし…。
    真剣に考えさせられる内容ではありましたが
    どうせ襲うなら上の人間になぜしないのか、と
    思うものもありました。

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