グラウンド・ゼロがくれた希望

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著者 : 堤未果
  • ポプラ社 (2004年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591081419

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グラウンド・ゼロがくれた希望の感想・レビュー・書評

  • 堤未果さんの存在を知ったのは、彼女の活動とは関係のない、毎日新聞の「好きなもの」という記事でした。その記事に書かれた内容。アメリカンブレックファストが好きなことや、お風呂で必ず読書すること、オーロラを見るのが夢であること。その文面から溢れ出る彼女の人柄に惹かれ、インターネットで彼女の名前を検索し、その活動を知りました。その後、普段行くことのなかった地元の小さな図書館で、貧困大国アメリカのⅠとⅡに偶然出会い、夢中で読みながら、どんどん彼女のことを尊敬とともに好きになっていきました。私も彼女のように伝える仕事がしたい。自分の人生について悩んで、一歩も前に進めなかった私に、彼女と彼女の著作が一筋の光の道を与えてくれました。この本、「グラウンド・ゼロがくれた希望」は、より一層彼女が現在の活動をするきっかけとなった核の部分に迫って描かれている作品で、彼女の体験した9.11、受けた心の傷が、今の彼女を形作ってきたことが分かりました。私の憧れの一人である、堤未果さん。私も彼女のようになれるよう、毎日、目標に向かって一歩ずつ進んで行こうと思います。彼女の存在を知り、彼女の著作を通して、彼女の想いと出会えたことに感謝します。

  • あの堤さんでも、金融業界でツインタワーに勤める自分を誇らしく思っていた、スーツにハイヒールをカツカツ言わせて歩くことをかっこいいと思っていた、とわかって、意外だったし驚いた。その事実にかえって親近感が湧いた。高層ビルから脱出するとき、ハイヒールでは足がずりむけて血だらけになった。ハイヒールや革底の靴は緊急時に役に立たない。
    本のタイトルにある希望という言葉は、グラウンドゼロ後のアメリカにあるのではなく、日本にあったのだ。私たちが戦うべきなのは、帝国主義、拝金主義、物質主義、そして自分の命がこの地球上にある他の命よりも価値があると言う間違った思い込みである。
    アメリカには2億5000万丁の銃がある。
    いつもは優しい笑顔で親切にしてくれる隣人たちが、星条旗の下で手を取り合い、スピーカーから流れてくるゴッドブレスアメリカを一緒に口ずさんでいる。団結心を煽る最も効果的なものが被害者意識であることをヒトラーや毛沢東といった指導者たちは、ちゃんと知り抜いていた。
    愛国心と言うものがもたらす高揚感に人間はたやすく酔ってしまう。
    国連の会議ではオフィスをたちのほとんどは博士号を持っている。彼を持っているアカデミックな自尊心が会議の進行を妨害するのを何度も目にした。発言した相手が自分の名前の前にドクターをつけなかったと喧嘩になったこともあった。国連はまだ男社会のメンタリティが強い。
    日本に講演に来ていたイラクの医師の言葉。劣化ウラン弾の被害について語った。湾岸戦争の前は妊娠を告げるとお母さんたちは「男の子かしら、女の子かしら」と聞いたが、今は「奇形かしら、正常かしら」と聞く。これがどれほど悲しく辛いことかわかるでしょうか。赤ちゃんの誕生は幸せなニュースであるはずなのに、あなたの赤ちゃんは頭がありません、とつけなければならないときの医者としての無力感が分かりますか。
    劣化ウラン弾の被害について講演をしているローレント言う女性の言葉。日本人はすごく優しい。真面目で努力家で、なんども挫折しそうになった。みんな自分の国が悪いことをしているって認めるのが嫌だから、代わりに私を攻撃する。だけどこの国の人たちは初めて会った私の話を、一生懸命に聞いてくれて、頑張ってくださいって励ましてくれる。作者も自分も同じだったと感じた。白か黒しかないニューヨークでは、はっきりとものが言えないでいると簡単に街に飲み込まれてしまう。あいまいで有名な日本人を、私はどこかで見下していたのだ。自分だけはそうなる前に、背伸びしてニューヨークに溶け込もうとして、個人主義、合理主義を賛美することが国際人の条件だと思い込んだ。そうやってずっと肩肘を張って生きてきた結果、いつの間にか私は、1番辛い時に弱音を吐けなくなっていた。今泣いているローレンを見ていると、そういうこの国特有の、地味だけれど穏やかな優しさを、私の疲れた心も本当はずっと求めていたことに気付いた。アメリカはテロを受けたとき、報復を叫ぶことばかりしていた。日本人は原爆を落とされたとき、それを自国への攻撃としてよりも人類への犯罪として捉えた。人間が人間である限り、二度と繰り返してはいけない過ちとして、今も声を上げ続けている。
    ケネディー大統領はスピーチでこういった。結局私たちが分かち合っているものは、このちっぽけな星に生まれ、同じ空気を吸い、そして死んで行くことにすぎない。

  • 堤さんってこういう経歴を持った方なのか。知らなかった。
    10年になるにあたり、NYに行ったので、とりあえず知ってみようと思って読んでみた。
    ずっと英語は好きだったけど、堤さんのようにアメリカに憧れたことが特にないのは、やっぱこのテロがあったからかなぁと思った。

  • 読んだ理由:ある友達が「朽ちていったいのち」という本を読んでいることを聞き、知るのは怖いことだけど、私もアメリカのテロについて目をそむけたくない、と思ったから。

    読んでほしい人:あの時にあったこと、そこにいた人の声を聞きたい人


    知らないことを知る、ということはかなり衝撃的で怖い想いもする、と分かっていたけど、目をそむけてはいけない気がする。

    この著者の、ストレートで、飾らない素直な文章が
    とても読みやすかった。

  • 勇気とパワーをくれる1冊。堤さんが高校生への講演会で語ったという“失敗なんて存在しない、自分のことがもっとよく見えるようになるためのチャンスがあるだけ”ということばに、ぐっときました。

  • 世界をよくするために、しらないところで戦っている人達がいて、平和な日本にいても、実はそういう人達の活動に守られていることを痛感した。

  • ジャーナリスト堤未果の出発点となっている作品。9・11を体験し、その後のアメリカを見てきての率直な気持ちを書かれていた。より人間的になることが今必要なことであると感じた。

  • 元々PTSDについて探し当てた本なんだけど・・・そんなにそれについては書いてなくて。
    でも作者のアメリカという国への想い。そして、それが強いからこそ感じた日本への愛着心(?)
    日本人から見ればアメリカ人は自分の意見をハッキリ言える人!っつーイメージがあるんだけど、もしそれが間違った意見であって自国を守るための利己的なものだったら・・・
    中には(NO!と言えるアメリカ人に)疑問を抱くアメリカ人もいると言う事を知りました。

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グラウンド・ゼロがくれた希望の作品紹介

2001年9月11日-アメリカと世界を変えたその日、自分の人生も大きく変わってしまった。一人の日本女性がテロのPTSDを乗り越え、世界のために立ち上がった人々と出会うまでの、2年間の記録。

グラウンド・ゼロがくれた希望はこんな本です

グラウンド・ゼロがくれた希望の文庫

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