ねずみの騎士デスペロ-の物語

  • ポプラ社
3.60
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本棚登録 : 347
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591082935

感想・レビュー・書評

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  • 同僚から借りた児童書。名前すら知らなかったけど世界中で読まれている名作らしい。話が深くて大人も退屈せずに読めそう。父親に売られた召使のミグが「お姫様になりたい。」という強い願いをドブネズミに利用されて、お姫様の冠をかぶった際に「じつにこっけいだ。どうがんばっても、おまえがお姫さまに見えるわけないんだよ。〜…おまえはなかみどおりのバカにしかみえない。」って言われるところが辛かった。何をどう強く願っても結局叶うかは生まれる環境で全部決まってしまう気がしてしまう。ミグはお姫様にはなれなかった、けれど自分を売ったことを後悔していた父親と再会し、死ぬまでお姫様のように大切にされた。ネズミの騎士デスペローは恋した人間のお姫様とは結ばれなかった、けれど二人は友達になった。本当のハッピーエンドではないかもしれないけれど、それぞれ身の丈にあった幸せを手に入れた。児童書にしてはすごく現実的な話。
    物語の中、筆者の語り、訳者の後書きにも出てくる「物語は光だ」って言葉が素敵だった。

  • 2022/11/24
    2022年29冊目。
    デスペローカッコ良かった。読み聞かせにも良さそう。

  • 文章はあたたかでやさしい平易な語り口調で親しみがもてます。原作が醸しだしている雰囲気をくみとり、ダークな趣きは少し抑えていますが、それを日本語の語彙や文章そのものに滲ませている。童話の伝統的な「神の視点」や「全知の語り手」の手法が読者をおとぎの世界へと誘います。個人的には、闇の世界にも光の世界にも身の置き所をなくしたドブネズミの姿が、なんとも哀れで、深く印象に残りました。2004年ニューベリー賞受賞。

  • お姫様に恋したハツカネズミ、光に憧れたドブネズミ、父親に売られたミグと心優しいお姫様。4者の運命が交差し、愛と復讐、妬みと憧れ、冒険と許しの物語。その真ん中に癒しのスープがあるのが素敵。

  • 光にあこがれるドブネズミのキアロスキューロに、お姫様になりたい召使ミグ、お姫様に恋したハツカネズミのデスペロー。

    ミグがお姫様と服を交換すればお姫様になれると信じているところがとても切なかった。

    誰かを愛すること、許すこと、そんなことがちりばめられたハッピーエンドのお話。

  • 60点。複雑で不思議で微妙な物語。

    この作家の「きいてほしいの、あたしのこと -ウィン・ディキシーのいた夏」はよかったのに。
    でも、「きいてほしいの…」では穫れなかったニューベリー賞を、2004年にこの作品で穫れたのだそうです。
    ありきたりの話では賞が穫れない時代なんでしょうか。

    デスペローもロスキューロもDV被害者のミグも、たよりにならない両親をもったピー姫も、決して幸せでない主人公たちがそれなりに幸せになるまで。

    amazonレビューを見ると原作はよかったようですが、翻訳されることで、失われたよさがあるそうです。

    個人的には作者の語りがケストナー以上に違和感ありました。
    ケストナーはもう古典だし、しょうがないんですし、飛ばし読みできるのでよしとして、これは飛ばし読みできないので苦痛でした。

    子どもは好きかなあ?
    イラストはとてもかわいいです。
    でも、ほかにもよいファンタジーはあるので、そっちを先にすすめたいです。

  • 夢や希望ばかりの明るい部分だけでなく、人間の陰湿さや欲望などの陰の部分も描いていることが意外だった。そんな中、どんな時も果敢に突き進むデスペローがとても可愛いかった。

  • とにかく表紙がかわぃぃです-✿*。
    お話もとっても感動しますよ^^*
    ぜひ読んでみてください!おすすめ
    です*

  •  結末はハッピーエンドの体裁だけど、それまでの経緯がイイ感じに容赦なくて好き。主要キャラの中で唯一お姫様のキャラが薄かったのがちょっと残念。お姫様の闇とそれを照らしなおも輝く光が見たかった。他のキャラは(敵役さえも)丁寧に光と影が描写されていただけに残念。
     ネズミが主人公の話だけど、ふつうに被差別身分の比喩として読めます。「ネズミは人間と口を利いてはいけない」「ドブネズミは法律に反する」「ネズミらしからぬ振る舞いをしたネズミは一族全体に危機をもたらす」「ネズミと人間は絶対に結ばれない」 結末でサラッと流されたその辺をもっと詳しく語ってほしかったなあ。
     語り部がことあるごとに読者に語りかける形式が、人によっては鬱陶しいかも。雰囲気にマッチしてたので私は気になりませんでした。

  • 児童書。なんとか賞受賞ってことなので、図書館で借りてみた。
    ちっぽけな子ネズミのデスペローが、大好きなお姫様をピンチから救う話。

    姫と子ネズミ、敵役としてドブネズミと召使の女の子が出てくる。
    敵役の子たちも、完全なる悪としては書かれておらず、最後は全部丸く収まって大団円です。さすが児童文学。

    でも大人読者としては、少しは懲罰があってもいいのではと思いました。え、お咎めも何もなしで終わりなの?と。

著者プロフィール

アメリカの作家。『ねずみの騎士デスペローの物語』と『空飛ぶリスとひねくれ屋のフローラ』で、二度のニューベリー賞を受賞。そのほかの作品に『きいてほしいの、あたしのこと―ウィン・ディキシーのいた夏―』、『愛を見つけたウサギーエドワード・テュレインの奇跡の旅―』などがある。

「2023年 『ベアトリスの予言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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