- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591089934
感想・レビュー・書評
-
7歳の次男が漫画ドラゴンボールを気に入って、学童保育で漫画読んだりテレビアニメを見たり、私のスマホにバトルゲームのアプリをダウンロードして遊ばせたりしている。
私もジャンプ連載時には読んでいたのである程度までは話は通じるのですが(私が読んでたのは魔人ブウまでで終了したんだが、今のアニメはテレビオリジナルですよね?神様とか時間を戻して死んでないことにしたりとか全く話が分からん)、しかし子供が”孫悟空”と言う名前はドラゴンボールのオリジナルだと思うのもどうかと思うので、「これが悟空の名前の元だよ」と西遊記を読むことにした。
7歳には難しいだろうなあとは思ったんだが、挿絵が”快傑ゾロリ”の原ゆたかさんだからまあとっつきやすいかなと思ったのですが、やっぱり難しくて「ぼくが漢字が読めるようになったらよむから、一度返して今度借りてきて」となった。まあ漢字が読めたとしても「すべては無限の器に混然と溶け合っていた(※漢字には振り仮名つきですが)」という文章は7歳には無理だよね。
それならばまずは私が読むかと読んでみたらなかなか面白かった。
文章はテンポよく適度に砕けつつ、説明すべきところはしているので状況や用語が分かり易い。
沙悟浄の「捲簾大将」を「簾を上げ下ろしする凡神どもの総指揮」とか、
悟空の装束を「鳳の羽飾りがついた金の冠、鳳翅紫金冠」など、名称だけでなく説明も書かれていたり。
絵も”挿絵”に収まらず、孫悟空が巨大化するような場面は文章をかぶせるように描かれていたり、まさに絵と文章が一体になっている。
※※追記。次男ももう10歳なので再度借りてみたら、ギャハギャハ笑いながら読んでます。テンポの良い文、原ゆたかさんの絵、孫悟空たちや天上のみなさんの暴れっぷり、男の子には非常に楽しめるようです。※※
★★★
世界が混沌だったころ、巨大な石に命が宿り、そこから生まれた一匹の石猿。
猿たちの王になり、不老長寿の修行を積み、畏れ知らずの乱暴者として天上界でも大暴れ。ついに釈迦如来により五行山に閉じ込められる。
五百年後、唐から天竺に経典を求める旅の僧、玄奘三蔵法師の弟子になり、修行の旅に出ることを約束し、五行山から出される。
旅のお供は、悟空と同じく天界から落された白竜、猪八戒、沙悟浄。
行く先々に待ち構える妖怪変化を倒しつつ、修行の旅が始まった。
★★★
子供向けの本ですが、天界のシステムの妙や、闘いつつ相手を認める様子、天から落された男女の因縁、妖怪にもある意地など、かなり興味深く読めました。
”孫悟空”と命名したのは修行の師匠須菩提老師ですが、改めて由来を聞くとなかなか良い。
「猿の俗名はコソンじゃ(コは獣ヘンに胡、ソンは獣ヘンに孫)。そこから獣編を取れば胡孫。
さて、胡とするか孫とするかだ。胡の字は古い月で陰気くさい。
孫の字は実とか種の意味を持つ子(シ)と、繋がるという意味を持つ系(ケイ)が合わさったもの。如何にもめでたい。
よってお前の名字を『孫』としてつかわす。どうだ、気に入ったか」
「はっ、そりゃもう、すこぶる気に入りました。ついでに、その博識と知恵の余力で、ひとつ名前の方もひねり出してくださいな」
「そうか、よしよし。名前は『悟空』としてつかわす。
悟はすなわち悟る。
空は世の中すべては仮の姿で実体がないという真理を表す字じゃ。
悟空とは、つまり宇宙に存在するもの一切の根本を悟るという意味じゃ。これはもう飛び切り上等な名前だぞ、名付けたわしがお間にやるのが惜しいくらいだ。須菩提などという野暮ったい名前と取り換えて欲しいくらいだ」
「やれ、ありがたや。それではこれから、孫悟空と名乗ることにいたします」
悟空は手の付けられない暴れ者の反面、人懐っこくて修行熱心で可愛らしい面もあります。
上記、須菩提老師とところで修行が終了して名前ももらってお別れの場面の「お師匠さま、長らくお世話になりました。この悟空、えこひいきとご恩は一生忘れはいたしません」なんて調子よくも可愛らしい。
弟子に言われたら老師様だって「口さがないやつめ。それをいうならエテ公ひいきじゃ。悟空達者でな」とニコニコしてしまう。
さて、私が読んだ西遊記は子供の頃の名作全集くらいで、あとは25年程度前に放送されていた中国ドラマ、10年ほど前に見に行った京劇。
中国ドラマはこれっぽい。
「師父」を中国語で「し~ぶ~」と呼ぶのは覚えてた。あと「しゃんてんしぇんしょん」みたいな発音の言葉を耳が覚えているのですが「三蔵法師」だったかな??
https://www.youtube.com/watch?v=OEEPgL-D2n8
日本で孫悟空というとまだ暴れ盛りの子供っぽい印象を感じるのですが、
中国のドラマと京劇では孫悟空は大人な印象で、神や妖怪の類ではあっても修行僧のような感じ。
まあドラマでも京劇でも成年男子が演じるのを観たので大人に見えたのかもしれませんが。
へぇ~、「孫悟空」の名の由来はそんなだったのですね!
自分の子どもの頃の本のタイトルは当時...
へぇ~、「孫悟空」の名の由来はそんなだったのですね!
自分の子どもの頃の本のタイトルは当時「そんごくう」とか「孫悟空」が多かったように思います。
自分も孫悟空の物語が好きだったですねー。(^o^)
「西遊記」というタイトルに馴染みができたのはやはりテレビドラマからだったように記憶しています。
もちろん堺正章が孫悟空で、夏目雅子が三蔵法師のやつです。
これを観てから「孫悟空」といえば堺正章になってしまいました。(笑)
反対に香取慎吾が孫悟空の『西遊記』は全く観ていなかったので全然馴染みがありません・・・。
あと堺正章の『西遊記』と同じような時期に放送されていたのがドリフターズの人形劇『飛べ!孫悟空』でこれもよく観ていました。
ピンクレディーが主題歌を歌っていたんですよね。それにドリフの「♪にんにきにきにき、にんにきにきにき、にしんがさんぞー」という歌も頭の片隅にこびりついています。(笑)
これは志村けんが孫悟空で、いかりや長介が三蔵法師だったのですが、なぜか一行にカトー親父が加わっていたんですよね。(笑)
こうしてみると『西遊記』ほど、老若男女、日本に愛された中国の物語はほかにないかもしれないいですね。(^o^)
そういえば私は日本人が演じる西遊記を見たことがなかった…(゜o゜)!!
子供の頃...
そういえば私は日本人が演じる西遊記を見たことがなかった…(゜o゜)!!
子供の頃本を読んだ程度だったので「日本の孫悟空は子供っぽい」イメージでしたが、
大人が演じてるなら普通に大人で修行僧の孫悟空だったのか?
「にんにきにきにき 西にはあるんだ夢の国♪」はなぜか知ってます!
見てなかったし誰が歌ってるかも初めて知りました…!
有名だから歌だけ聞いたことあったのかな。
こちらの本は児童向けだけど大人も楽しめました。
エロっぽいところは仄めかしてるけど、大人だと「ううん、これはこんなことがあったんだろうな…」などと想像したり(笑)