西遊記(三)天地が舞台の孫悟空 (ポプラポケット文庫 56-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591089958

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  • 西遊記第三巻にして最終巻。
    妖怪変化に邪魔されながらも三蔵法師ご一行いよいよ天竺へ。
    唐を出て早十四年。三蔵法師三十五歳。
    三蔵法師は成仏し…、あ、成仏とは広義では死ぬことを指すが、この場合煩悩を脱して仏となり悟りを啓くことと解釈されたい。彼岸とはその悟りの境地であり、君たちが生きているこの世を此岸(しがん)とし、煩悩を川に例えて、それを渡った向こう岸のことを言うんだよ。(P220)、
    …とまあそんなわけで九九(苦苦)八十一の苦難を越えて、三蔵と悟空は仏になり、猪八戒と沙悟浄と白馬(白い竜)の天上および現世での罪も許された。

    子供向けの本ではありますが仏教道教の心を分かり易く説明しようと、最終巻らしき締めに入っています。

    そう、どんな世界で何を魂の置き所として目覚めようと、与えられた生をあるがままに受け、それを返すときは喜んで返せばよいではないか。慈の心を持ち偉大な造化神に任せて生きよう。この世はなにが虚像か、それを見極め真の人生を可能にせよ。
    これにておしまい!

    なお、三蔵法師の描き方ですが、中国だと割と体格の良い普通の成人男性、日本だと女性的(女性が演じることもあるし)になる印象。14年かけて81の苦難を乗り越えた修行僧とすれば前者だし、いやその艱難辛苦は弟子たちに守られてからこそなんだよ、とするなら後者だし。
    この翻訳家による三蔵法師評はこんな感じ。
    「とことん運の無い坊さん」「楽天和尚」「学級委員長のような真面目坊主」「一見優男で、賢そうに見え間抜けそうな感じの和尚」
    つまりは悟空たちに「この坊さん頼りなさすぎてほっとけねえ」と思わせちゃうタイプなんだろうか(笑)

  • 想像しとったよりはいい性格した悟空やったし、ときどき面白い表現が出てきて楽しめました。

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