八本脚の蝶

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著者 : 二階堂奥歯
  • ポプラ社 (2006年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591090909

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八本脚の蝶の感想・レビュー・書評

  • 気になることがあり本書を読みました。
    気になることはより大きな気になることとして心に根付き大きく育ちつつあります。

    彼女の著作がある種の方々にとって聖書のようなものだというのが少し分かる気がします。何故なら彼女は彼女の中の絶対神だからです。
    絶対神は揺るぎません。
    彼女は彼女に対し常に決断者であり、要求者です。

    でも奥歯は虫歯になり易い箇所だということを僕等は知っているのです。

  • あまりに鮮烈な生の記憶。エッセイ? は普段読まないのだが、この本は食事の時間も惜しいほど熱中した。サイトも残されているらしいが、紙媒体で読むことをお勧めする。あまりに知に鋭敏過ぎたのだと感じた。そしてまた、彼女に学ぶのは構わないが、彼女を信じてしまうことは彼女が忌むところの盲従に他ならないのだとも。何度も繰り返し読みたいが、「クトゥルーの眼差し」めいた視線を感じるので夜は読めない。私は書くものだが尋くものでも守るものでもありたいと願う。

  • 復刊時に購入したけれど、怖くて読めないでいた。感想、むつかしいな。本が大好きで、本ばかり読んで過ごしてきたけれど、彼女が超えた先の世界まで行きつけないで、ずっといる。渇望しながら、超えたら戻ってこれないよと、躊躇して足踏みしたまま、ずっといる。敵わないな、と思う。そんな私に、彼女を讃えたり、諭したり、咎めたりする資格はない。『二十歳の原点』を思い出したけれど、私は奥歯の方がずっと好き。賢くて、いっぱいいっぱい考えすぎるほど考えて、でもなによりもかわいらしい。崩れた心さえもかわいくて愛おしくて、悲しくなる。

  • 私の大切な大切な本の1冊。Web日記から書籍になって、改めて読んでいるとそれまでうすぼんやりとしていた奥歯さんの輪郭がくっきりと浮かび上がってきて、その思考がなだらかに入り込んでくる。そして力強さを感じる。彼女を抱きしめるようにそっと本を抱く。ふと本から温度が発せられ温かなものが私の皮膚を肉を血液を通して流れ込むような感じを覚える。彼女の肉体はもうこの世にないけれど、精神と魂はこうして受け継がれる。(2006年2月読了)

  • ようやく読めた。図書館万歳。
    国書刊行会の編集者だった彼女がウェブで綴っていた膨大な読書日記と思考の軌跡の数々。
    書評読むたびに、(あたりまえだけど)作家だからか読書量すごいし聞いたことない作家がずらりと並ぶけど、二階堂さんの書評は質、量ともに群を抜いている。私はフェミニストではないから共感できない部分もあったけど、自分があまりにも自分らしいと感じる避けて読まない作家の本をたくさん読まれていて、揺さぶられた。(私はあまりにも私らしいと思うものはなかなか読まない)

    全開な人だったんだな、という印象。
    あけっぴろげではないけど、自分と物語にたいして全開な人。

    40代50代になった彼女の書評を読みたかった。

    彼女の青山正明さんに対する言葉をそのまま借りるなら、「死ぬ瞬間幸福に飛べたのならよいのだけれど。」

    図書館派というのもなんだかうれしい。
    そりゃ、この読書量じゃ全部買うのは無理か。

  • この日記に出てくる本の一覧をみて、ますます読みたくなった。いい本を読んでいらっしゃる。

  • とても深い思索の糸に絡めとられてしまいそうに、なりました。
    生きていることの方が、死ぬよりも苦しいっていうことも、あるのかもしれないですね。死んでからのことは感じられないから、比較の仕様がありませんけれど。
    読んでいる最中、何度も何度も本も目も閉じて自分の思索の糸を辿ってしまいます。残酷なまでに増殖し続ける書物の世界に、たゆたいたい、そう感じさせられました。

  • 自分の好きな作家についての評文が載っているらしい、という事を知り手に取った。
    読み終えて既読、未読の本も含め、この方と自分は割と読書傾向が似ているらしい事が分かり、紹介された本の数々に改めて思いをはせると共に、その夭折を残念に思った。
    自分自身の感性をどうしても変えることができなかった故の結果だろうが……身の回りの好きなもの達を次々語る楽しげな口調が次第に変質していく日記文はとても痛ましく、結末が悲しい。

  • 化粧品や洋服などを愛する普通の女の子でありながら、本当に多くの本を読んでいた二階堂奥歯の日記。著者がもし今も生きていたなら、今はどんな本を読んでいるのか知りたかった。
    普段の自分の読書量がいかに少ないか恥ずかしくなるほどの膨大な本の数と引用に圧倒される。後半の、死にたいという感情と引用を書き連ねた転がり落ちるような展開は読んでいると渦に飲み込まれるかのような気持ちだった。
    著者に宛てた雪雪さんの文章も良かった。
    この本を持ち歩いていると、心強い思いがした。

  • 【R.I.P.】否定神学【R.I.P.】

  • 久しぶりに知的な本に遭遇した。読書の質が半端じゃない。著者が読んでいる本が書かれてあるが、1冊読むのに何日もかかる難しい(もしくは変態)本ばかりだ。それを著者は1日で読んでいる。すごい読書量だ。でも、早熟の天才は早く世を去っていく。原口統三のように。

  • 「性を呪うのは裏切られた者だけで、そして裏切られるのは信じていた者だけ」
    「想像力を、物語の力を、もう一つの世界を感じることを、子供の時に知ったそのままに守っていくことはとても難しい。そのことは気をつけていなければすぐに、本当にすぐに忘れてしまうような微妙なことだ。そのことには名前がないから。」
    「ここは、多分ある意味ある角度から見れば、すでに楽園なのだ。」
    「落ち込んだらまずするべきことはお風呂に入って暖まったり、ロイヤルミルクティを飲んでなごみつつカルシウムを補給することなのです。考え事をするくらい無益なことはありません。」
    「頭の中や携帯のモニターの中に、肌身離さず持って歩けるような小さな言葉のひとまとまりを探しています」
    「唇の端にラメが一粒ついている。うれしさのあまり、「あなたは、ついさっきまでキスをしていたんですね」と思わず話しかけようかと思ってしまった。「だって、唇にラメがついていますよ」。ああいいなあ。キスをしたばかりの人が偶然私の前に座るなんて素敵だ。」
    「「神」でも、「悪魔」でも、信じた者から楽になれる。」
    「一緒に暮らすことだけざ好きなものへの態度じゃない」

  • 編集者であり、レビュアーであり、そして若くして自らの命を絶った、二階堂奥歯がWEB上に残した日記。
    その日記と、生前彼女と関係があった何人かが書き記した彼女。

    日記の中に、非常に多くでてくる書籍名、著者名。
    短い時間のなか、自らの生活をしつつ(彼女には恋人もいたのです)、これだけ多くの本を読んでいるということに、プロの編集者としてのすごさを感じた。
    それも、おそらく仕事として読んだ本ではない書籍の多さに。

    ただ、本は人それぞれ好みによって偏りがあり、その偏よった読書が、また偏った人を育てるのではないだろうか?
    私の読んできた本を、あまりに重なっていないその書名群をみながらそんなことを考えた。
    タイトルから本の中身を想像しつつ、そんなことを考えた。

    とはいえ、日記は書名の羅列に終わっているのではない。
    そこには、毎日生きている奥歯の姿が、きちんと描かれている。
    そもそも、日記であるから、それが真実かどうかはわからないが、日記上での奥歯はきちんと生きている。

    若くして自らの命を絶つ人、ものすごくものを考えてそうな人たちはどんな思考を辿って、そこにたどりつくのだろう?と少しの疑問を隠したまま読み進んだが、結局最後、それはわからなかった。
    ただ、彼女の人生を垣間見た思いは残った。

  • この方が書く文章を、世界観を、もっと知りたかったなあと思う

    2秒ならわたしにも出来るだろうかとか考えた

  • わたしの読書の始まり

  • 若くして自死した作者の日記です。作者が苦悩しながらも思索を続け、ついに死を選ぶ過程に胸が締め付けられます。

    現代システム科学域 2年生

  • 頑張った彼女にお疲れ様と言いたい

  • 二階堂奥歯という存在は、どういう経緯だったのかは忘れたが知っていた。
    自分と同学年であり25歳のとき自ら命を断ってしまった女性で、読書量が膨大だったこと。
    3つほどしか彼女の情報は知らなかったが、彼女自身に興味が湧きWEB日記を読んでいた。

    しかし、恥ずかしながらその日記が書籍になっているということは最近知った。

    思えば私が彼女の日記を読むときは、自分の思考が揺らいでいるときだ。
    初めはコスメやファッションのことなどを楽しそうに綴っているが、だんだんと彼女の苦悩や葛藤、あちらとこちらの間で揺れ動く心情を吐露する内容が増えていき、それらが自分に突き刺さってくる。
    生きづらいと感じながらもがいてみるが、こちらでの居場所を見つけられなかったときの苦悩は少しだけだがわかるような気がするのだ。
    それが年代的なもののせいなのか普遍的なものなのか、はたまた個人的な問題のせいなのかはわからないが。

    本書は元が個人的な日記であり、その日記の文章や内容は彼女自身によって装飾されているところもあるかもしれないが、どの文章も生身の人間の思考であり感情であるがゆえに、こちら側の調子や状態、条件によってどういう風にもとれるし感じられる。
    そして本の向こう側に生身の人間が存在すると感じられるから、心にたまっていく澱のように綴られた言葉がのしかかってくるのだ。

    この本はブックガイドとしても秀逸なので、彼女の嗜好、思考をたどる参考にしたいと思う。

  • 再読。
    何回読んでも悲しくなる。
    悲しくなるけど、たぶんこれからも読んじゃうと思う。

  • 序盤の明るい記事から一転、最期の頁に掛けて走り抜けるような速度で死へ向かっていく記事の流れに動揺を隠せなかった。彼女の愛した物語たちはどれも美しく、引用する文章に心を奪われた。いずれはそれらも読んでみたい。彼女のマゾヒズムにも強く興味を持ち、共感した。何度でも手に取りたい著書。

  • あまりにも衝撃、あまりにも切実

  • せつない。コスメやファッションはわからん。

  • 難しい…。でも最後まで読むと泣きたくなった。
    何で人間は死ぬんだろう、死を選んでしまうんだろうとただただ不思議だ。周りの人たちはどんな気持ちだろう。
    この人の感性、才能、生きてきた環境、そして読書。「普通に本が好き」で終わることができる自分に安堵したけど、少し寂しくて悔しい。この人を、この人にとっての「物語を読むこと」を、きっと理解できずに死ぬ自分は悲しい。
    思考って狂気なんだな。
    私はこれからもぬくぬくと読書を楽しむだろう。

  • 知識が人のかたちをしているなら、きっと彼女のような姿だったんだろうな。天才は長生きできないんだなぁ。
    彼女が求め傅き焦がれた『あなた』はきっとどこにもいない、というか、彼女を見た瞬間に『あなた』でなくなってしまうんだろう。絶対に手にはいらないものを、手にはいらないと知っていて追いかけ続けるのはさぞつらかっただろうな、と勝手に想像しては胸が痛くなる。
    好きなものに囲まれてのんびり歩いていた乙女が、終わりに向かい走り出す足を止められなくなっていく様がとても悲しかった。

  • ベッドサイドブック。ちまちま読んで、今日はここまでってしおり紐を挟むとき、あまりに鮮やかな水色のそれに泣きそうになる。

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八本脚の蝶の作品紹介

作家、書店員、恩師、友人、恋人…生前近しかった13人による書き下ろしコラムと雑誌「幻想文学」に掲載されたブックレビュー7篇も特別収録。

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