ミラコロ

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著者 : 高山文彦
  • ポプラ社 (2006年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591092682

ミラコロの感想・レビュー・書評

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  • 私は日本のそれぞれの地方がもつ、独特の「におい」が好きだ。
    においというのは、他の言葉ではうまく表現できないのだが、何と言うか、地縁や血縁がからみあうことによる独自の雰囲気とも言えるかもしれない。

    中上健次の小説を読んですぐに和歌山県新宮市へ飛んでいったのも、中上小説から湧き上がるにおいを求めてのこと。
    もちろん、現実の新宮と氏が小説で描いた新宮とは一致しないし、現実の新宮は、もっとあっさりした今風の都市の一つであって、独自のにおいを感じ取ることは困難だ。しかし、そこに住む人と話し、交わるに従い、次第に「におい」が感じられるようになる。

    前置きが長くなったが、宮崎県高千穂町を訪問した後、この本を読んだ。神話で有名な観光のまちが、本当はどんなにおいを発しているのか、知りたかった。
    確かに、ローカル鉄道の車内という限定された空間に、様々な人生を背負った地元の人々を複線的に交差させる様は巧みである。しかしあと一歩、何か物足りなく感じた。私には、映画“ひまわり”の引用などが何かしら、よそからの借り物のような気がして、土地の「におい」を薄めるように感じた。

    また、前半に出る回想シーンで、高校時代に校舎ウラで授業をサボって煙草、というのが使い古されて安っぽく感じた。この時点で読むのをやめようかと思ったくらいだ。
    中上小説では、徹底的に「内側」を見る視線が、その土地や人物の内部で反射し、大きく外側へ投影されているように思う。「におい」を徹底的に追求し、そのにおいを嗅ぎ当てることで、他にも通じる普遍的な真実をあぶり出すのである。

    一方でこの作品が「におい」を徹底的に追えているかというと、半分地元にこだわり、半分は地元らしさを装った他からの借り物という感じで、そのため純文学でもない、娯楽小説でもない、中途半端な感をうけた。
    (2007/3/19)

  • 内容がない。盛り上がらない。つまらない。
    自分には合わない。

  • この本はゆっくり時間が流れる。

  • 高千穂などを舞台とした作品です。

  • ふるさとを捨てた主人公が、何年もたってやっとの思いで帰郷するのだが・・。そこへ向かう電車の中での色んな人とのやり取りを描いた作品。
    もう少し過去になにか関わりの会った人に出会えてたら面白かったのにな。

  • ありきたりな感動ドコロに泣けた。

  • 舞台は宮崎、高千穂鉄道。昨年の夏台風の被害にあって今だに運転再開していない鉄道です。
    自分の祖父の家がこの沿線にあることもあってか、一つ一つの景色が目に浮かんできます。それよりも、ここの人々の暖かさがにじみ出ています。

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ミラコロの作品紹介

疲れた男をつき動かしたのは、一通の手紙だった。記憶の底へ封じこめた故郷の町から届いたそれは、廃業がきまった映画館の最後の上映会を報せる懐かしい百合子からの手紙だった。あの百合子が、なぜ?男は峡谷を走る小さな鉄道に乗り込んだ。空と谷のあいだを列車はゴトゴト走ってゆく。しずかに、優しく、人生の哀しみを脱がせながら。たまらなく温かい、大人の「奇蹟」の物語。

ミラコロはこんな本です

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