空と海のであう場所

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591094372

感想・レビュー・書評

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  • 絶望から引き上げてくれる希望の物語。
    物語を書くことで自分と向き合って、
    物語を読むことで相手と向き合って、
    結果的に物語を通してゆっくり緩やかに救われる。
    会いたい、はどんな気持ちよりも強い願望である気がする。
    アラシが電話していた空と海の出会う場所の向こう側にいる両親は時が経ってより甘くより優しい呪いのような支えになっていて、それでも絶望の谷底にいた自分に風が囁くように寄り添った木の葉を信じて物語を通して求める姿が切実だった。
    物語はあらゆる人を救うと信じたい。

  • 愛するということは、空っぽの器になること。
    奪うことより、与えることのほうがずっと楽しい。
    色々と考えさせられる。
    また読みたいと思える作品。
    言葉の一つ一つがとても優しい。
    自分の中になかった新しい考え方、価値観を教わったようなかんじ。

  • タイトルと表紙に惹かれて図書館で借りた本。

    読みやすくて、表現もきれいで
    絵本も読んでみたいとおもうほど。

    お気に入りです。とても良かった。

  • 十三歳。三十二歳。施設。童話。挿絵。『小泉今日子書評集』にて。木の葉とアラシの出会いと別れをくり返す恋の話。

  • 16/06/24
    装丁がとってもきれいで思わず手に取った本。タイトルもすてき。

    ・わたしにも、あった。かかってこない電話を見つめながら、一晩中、待っていた日々が。きっと今、本多さんも、そんな夜を過ごしているのだろう。いっそ、コンセントを抜いてしまおうか、携帯電話の電源は切ったままに。そうすれば、かかってくるかどうかを考えなくて済むから。でもできない、そんなこと、絶対にできない、と、胸の中で暴れまわる心を、どうにもうまく鎮めることができなくて、途方に暮れている、ひとりぼっちの夜を。(P113)

  • まずこのタイトルにすごく惹かれた

    木の葉もなな子もアラシも本多さんも熊谷さんも
    みんなひとりひとりがまっすぐに生きている

    みんな離れていたって、今そこにいなくたって、
    ちゃんとつながっているんだってことを感じられるかな

    本の中で登場する「泥棒猫と遊牧民」が本当に良かった
    実際にあるなら子どもに読み聞かせたい

    読み終わってからじわじわと良さが伝わってきて
    もう一度読み返したくなる本

  • 息苦しいほど真面目にアラシを愛してきた木葉。心に傷を抱えたまま大人になったアラシ。
    何度かの出会いと別れを繰返しながらも無二の存在となっていく。作中でアラシが書く童話が並行して進んでいき、物語に深みを増していく。
    最後に、希望があってよかった…

  • 表紙の美しさと、小手鞠さんの作品、といつところに惹かれて読み始めたこの本。

    言葉がきれい!
    途中に出てくるアラシが書いて木の葉が描いた小説読んでみたいなあ。

  • 正統派恋愛小説。
    かと言って妙にベタベタした雰囲気がないところが良い。
    なかなか3度目の再会をしないもどかしさも良い。
    遠回りして時間をかけないと分からないことがあるんだなぁと感じた。


    木葉はどんなイラストを描くんだろう。出来上がった絵本を見てみたい。

  • 装丁/名久井直子
    ・作中にでてくる童話「泥棒猫と遊牧民」がすごくよかった。

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著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。ニューヨーク州在住。
『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。主な著書に『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)ほか、主な児童書に『心の森』(金の星社)『やくそくだよ、ミュウ』(岩崎書店)『シナモンのおやすみ日記』(講談社)など多数。

「2024年 『新装版 まほうの絵本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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