風の陰陽師〈2〉ねむり姫

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591100257

感想・レビュー・書評

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  • わかりやすく、そしてハラハラさせられる内容で飽きもこないので一気読み。
    道満が悪に、非道ではなくて友だち思いで、今繰り返し聴いている歌のフレーズで悪魔と天使どちらが正しいのか分からないと歌っていてこの本の道満に対する見方も変わる。前なら道満に拒否反応を起こしていたと思うが熱をだした友だちの鷺に計画を断念してまで看病する優しさ。晴明が道満に黒主に騙されていると言われて疑念が生まれたり、道満の今後もどう変化していくのか楽しみだし、悪人もちゃんと心をもっているんだよと教えてくれた一冊。

  • さくやこひめさまの死んじゃったお母さんが、大むかでだったのが、いやだ。ひどい。さくやこがすごくうれしそうだったのに、本当はゆめから出させないためだから。
    赤びはかっこいい。ふるまいとたたかいが好き。このお話で、一番赤びが好き。(小4)

  • 「風の陰陽師」気になっていた続きを読んだ。ますます面白くなってきた。


    都の夜に不吉な兆しが現れた。闇の孕み子は道満に操られ人を襲い、黒主の妖術で都の夜は悪の跳梁する闇に包まれた。
    気配を感じると清明は赤眉とともに退治に出て行ったが、闇は増すばかりだった。

    清明は中納言邸に結界を張って咲耶子を守ってきたが盗賊袴垂保輔は、咲耶子を隠れ家から連れ去ってしまう。

    咲耶子は五条堀川に連れ去られていた。黒主と道満は 咲耶子が帝の后になるのを妨害する。加茂忠平が娘を宮中に入れたいと思っていた。二人はそれに加担し、咲耶子が永久に眠ってしまう術をかけた。

    清明は祖父が亡くなり、都を留守にしていた。帰ってみると咲耶子は中納言の別荘で眠り続けていた。
    清明は咲耶子のそばで祈っていた。そこに師の智徳が来て清明は咲耶子の夢の中に送り込んでもらった。
    そこは夢魔の世界だった。出合った二人は大ムカデの秋津と戦って、目が覚めた。

    現れた闇の嫗を智徳が追い払い、都は再び明るさを取り戻した。

    咲耶子は帝の后になるために宮中に入り、清明の初恋が終わった。

    母の葛の葉は祖父の後をついで棟梁になった玄馬と結婚した。

    余り変化が無い話なのであらすじだけを書いた。
    中で貴船川をいかだで遡り貴船神社にいたる話は、よく知った川沿いの道の湿った空気を思い出した。

  • 信濃狐のところで、いやいや翁が簡単に色仕掛けで死なないで、と思い、少し興ざめ・・・。

  • 私が好きな狐が出てきて、陰陽師の魔術が面白い

  • 1巻で助走を始めた物語がこの2巻でグンと加速してきます。晴明の周囲、信太の森、そして盗賊チーム、それぞれが陰謀や裏切り、因縁など黒幕のもと交錯していきます。黒幕、絶対アイツだわ!ギーッ。その中で少しずつ変わりつつあるんじゃないかと思われるのが保憲です。咲耶子の侍女である浅茅に恋したことから、多城丸らと知り合うことになり事件に巻き込まれていきます。そこから晴明に対する感情の変化や忠行に対する疑念など、これから保憲の格好いいとこが見られるんじゃないかと期待してしまいます。信太の森にも魔の手が迫っているようですし。3巻への期待が膨らむ終わり方でした。でも、でも、晴明が咲耶子への想いを封印しなければいけないなんて、切ないです。その晴明を想う小枝ちゃんも・・・涙出そう。

  • 児童向けの清明本なんやけど、前作に続きサクサク読んだ。
    正直、
    「咲耶子姫、それでいいの!?」
    と、思うくらいかわいそうなオチがついてるけど、一応、元になる文献があるんやったかそんなんやったよね。
    ここで咲耶子姫が御門の后にならずにすみました、みたいなライトなノリには、ならんわけだ・・・・・。

    すっごいな! ちゅうか、報われないな・・・、と、思ったけど、もっと報われてないのは保憲さまだよね・・・。
    なんやろう、清明ネタを読むとどうしても私は保憲さまが気になるねんな。なんだもう、タイプ(笑)?

    前作では
    「いいとこの甘やかされたボンボンか!」
    と、思ったんやけど、今回はちょっと違ってたね!
    少なくとも、清明のことを認めはじめたっていうのがいい。こうやって兄弟子として仲良くやってくれるのがいいのよー。

    で、浅芽さんとのラブロマンス(一方通行)な・・・!
    咲耶子姫が御門の后になってしまったため、この先保憲さまと浅芽とのロマンスに進展はないやろうけれども(ひどい)あの、笛の一件・・・。
    浅芽さんに恋文を送った保憲さまやったけれども、浅芽さんいわく

    「今は姫さまのことが心配なので貴方のことは考えられません。すみません」

    ちゅう、ていのいいお断りの内容やったのに保憲さまはまったくめげず、

    「だったら、毎晩屋敷の周りを浅芽のために笛を吹いて歩こう」

    なんてオイオイ現代でいうたら通報もんやんけ! な、行動をとっていたのにも関わらず、屋敷におったら黒主の手が咲耶子姫におよぶかもしれないと危惧した清明によって、浅芽さんは北白川の別宅へ移されていたという、

    保憲さま、誰のために笛吹いちゃってた!? みたいな。

    しかも清明のせいで・・・

    こういう役どころなんだ! と、プププとわらけた。
    やっぱり、いいとこのボンボン風味がプンプンする保憲さま。
    でも後半はちょっと陰陽師らしいところも見せてくれたりしたので、よかったです。今後も保憲さまの活躍に期待したい。

    あとは、道満ですけれども・・・。
    清明といえばライバルは道満なのかと思ってたけど、どうもそれだけでもなさそう。
    今回なんて終盤では、
    「もしかして清明と道満が今後手を組むとか、あんの?」
    と、ヒヤッとしたくらい、いい意味でのライバルぽい。

    (なんでヒヤッとすんの)

    いや、あんまりにも道満がさわやか風味で・・・。やってることはアレやけど・・・。
    なんやろう、スポーツマンすぎるというか、今後修造氏を想像しながら(道満を)読んだらかなり面白いことになるんちゃうかとか・・・。

    (さすがに無理がある)

    だってもう、鷺麻呂との関係とか、すごいよね!! 仲良すぎるやろ!
    つい怪我してきちゃう鷺麻呂をとにかく無償で看病する道満とか、道満が行方不明になったときの鷺麻呂の憔悴ぶりとか・・・。
    あげくの果てには、ライバルである清明のところに、道満の行方を知らないかとか(鷺麻呂が)相談にくるて

    なんやねん相思相愛すぎるがな!!!


    保憲さまの恋路は険しいけど、鷺麻呂たちは楽しくやってそう。
    ふたりでならどこまでも的な。


    さー、とりあえず続き続き。
    児童書やからね、斜めになんか、読まないよ? 大丈夫だよ?

    (2015.06.27)

  • 大好きです

  • 都に黒い雪が降り、陰陽寮をめぐっての、都での地位をめぐっての陰謀が進んでいた。
    そんな折、晴明のもとに「やみのはらみごに気をつけよ」との智徳法師からの声が聞こえた。
    危惧していると、数ヶ月後、闇の生き物が都に現れるようになる。
    闇の陰陽師である藤原黒主、晴明のライバル道満、そして盗賊の袴垂の企みで、咲耶子姫を奪われた晴明達は・・・・。

    陰陽師としての色々な技が描かれている。恐ろしい魔物が現れ、普通の剣では切れないが、まじないをすると倒せたりと、面白くなってきました。
    背景にいる謎の男がこれからどう動くのでしょうか。

  • 平安時代の陰陽師、安倍晴明の幼少期の物語。

    陰陽師として中納言藤原近文の屋敷に出入りすることができるようになった晴明。そして陰陽寮を揺るがす黒い雪が降る事件が起こる。晴明の親戚の賀茂忠行がかんでいるようで、事態ははっきりしない。
    どうも晴明の師匠と彼と同等の力を持っている陰陽師が絡んでいることは分かってきた。また、都の盗賊や、謎の貴族藤原黒主などまだまだ謎は残るものの、晴明は夢魔から咲耶子を救うことができた。
    割とたくさん狐たちが死んでしまうし、葛の里もじいさんが色仕掛けに引っかかったり、その命の軽さに少し戸惑うが平安時代だとこんなものかと思わされる。
    黒幕に踊らされる図はあまり楽しくはないが、きっと晴明がなんとかしてくれそうだと思わされる作品だった。

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著者プロフィール

1939年東京に生まれる。
早稲田大学文学部卒業。児童文学作家。
主な作品に、「おとうさんがいっぱい」「風を売る男」「ものまね鳥を撃つな」「風の陰陽師」などがある。

「2019年 『漱石と熊楠 同時代を生きた二人の巨人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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