- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591102756
作品紹介・あらすじ
希望に胸ふくらませて入学した高校。でも新しいクラスメイトとは、まだまだ微妙な関係で-地方都市の進学校・巴波川高校、通称ウズ高を舞台に、5人の高校生が織りなす、恋と友情、未来への葛藤。ほんのり甘く切ない5つの連作短編。
感想・レビュー・書評
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巴波川高校一年生クラスメイト5人の物語。
高校一年瀬の前半部分を5人の男女それぞれの視点で書かれています。5人は入学したばかりの頃に一緒にプリクラを撮った5人。でもグループという訳でもなく、たまたまそこにいた5人。そんな5人がそれぞれに語る高校生活はそれぞれの悩みがあり、ある人の物語に出てくる彼や彼女にもそれぞれの物語があるのです。
視点が変わることでひとりの人物の印象がコロコロと変わります。おれやわたしが見るおれやわたし。彼や彼女が見るおれやわたし。それらが重なり合います。ピタリと同じところもあれば、大きく違うところもある。そんな重なりやズレが物語の奥行きを作り、人物を立体感あるものにします。
また物語はある人物のある時間を切り抜いたもので、そこで何かが大きく変わるとかいうのではないのです。それでも高校一年生のある時間というのは本人にとっては大きいものなんですね。それでもある時間という瞬間よりも、その先の未来に向けて作者の目は向いているように思えるのです。だからこそ最後に何気なく示された変化が大きく意味を持つように感じたのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
軽く読めました。高校1年生らしい、甘すぎず辛すぎない、良い話でした。
緑川さんと福田君が、うまくいくのを願います。 -
2019.06.21
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初めて読んだ梨屋アリエさんの作品。
進学校に入学した男女5人の様子がオムニバス形式で描かれている。
「巴波川高校」「岩船山」と、どこかで聞いた名前を目にして、慌てて一番最後にある作者のプロフィールを見た。
…地元出身だった。 -
まあこういう物語の典型だなあ、と思いながら読んでいたら、最後に思いがけずあんなことやこんなことが起こって、読後感を良くする。いや最後の一ひねりは良かった。
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おととい読了。短篇連作。
短篇連作は、ずれを浮き彫りにして強調するのにいいんだな、と思う。みんなそれぞれに他人のことを観察し、自分に対しても他人に対しても見解をもっているのだけど、それが少しずつ、決定的にずれていて、そのずれは浮かび上がらされたまま、修正されることがない。一篇ごとに視点人物がかわり、しかも時間軸もあまり重ならないから、読んでるうち、どの見解が「本当の」姿なのかがよくわからなくなってくる。
最初から四篇の不安定な終わり方がけっこう好きだったのだけど、最後の一編が、全部をまとめる感じにオチをつけていてちょっと残念。書き下ろしでつけたぶん、まとめる意識がはたらいたのかな。
すっきりとした、風の吹く表紙絵がすてき。 -
YA向けのピュアな連作短編集。それぞれ周りには仮面をかぶりながら何かを隠し何かを演じている。見えないだけでそれぞれ複雑な悩みを抱え生きている、そんな青春時代。2013/321
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見ようによっては、古代の神殿のような風格で、思索にふける様子でもある。真夜中になると、そこが銀河鉄道のプラットホームの入り口になるのではないか、と空想したくなるほど、それは思わせぶりに謎めいて、存在を主張するのだ。
の・ぼ・れ、と。
オーケー、のぼってやろう……『夏の階段』
ぼくは広い砂浜に立ち、打ち寄せる波をじっと見ている。ぼくは海に恋する一匹の蟹なのだ。おいでおいでと、はさみを振り上げ、海を呼ぶシオマネキ。
寄せては返す目の前の波が、海のほんの一部だということも知らないで……『月の望潮』
地方都市の進学校・巴波川高校、通称ウズ高。
春、希望に胸膨らませてウズ高に入学し、一枚のプリクラに写った5人の1年生が織り成す淡い恋と微妙な友情を、ドライに甘酸っぱく描く連作短編集。 -
浅い
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表紙に惹かれ手に取った。後にひく青春
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「大切なことは変わろうとすることじゃなくて気をつけることです」 でしたっけ 自分が滞ってしまう時、この台詞をいつも反芻します
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共感できる人とできない登場人物がいるけど
それぞれの視点で描かれているから、
それぞれどういう風に見えているかが面白い。
みんな悩みを持っているけど、それが青春なのかな
なんだか爽やかな印象の本でした。 -
〈内容〉希望に胸ふくらませて入学した高校。でも新しいクラスメイトとは、まだまだ微妙な関係で―地方都市の進学校・巴波川高校、通称ウズ高を舞台に、5人の高校生が織りなす、恋と友情、未来への葛藤。ほんのり甘く切ない5つの連作短編。
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改めて読んで面白いなあと思った。ただ、登場人物の関係性とかをきちんと捉えながら読まないと「誰だこやつ」ってなる。いや、私なりかけた。
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文庫版よりこっちの表紙のほうがすき
ブックデザイン/カマベヨシヒコ
イラストレーション/佐々木こづえ -
なんかすごくリアルタイムすぎて既視感が…(苦笑)