教科書に載った小説

  • ポプラ社
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591103180

感想・レビュー・書評

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  • 12/11/12 菊池寛の「形」が面白かった。

  • その名の通り、国語教科書に載った短編小説を集めたアンソロジー。

    国語の時間を思い出す…。
    授業でやってる話を差し置いて、ひとりでもっと先のページの小説を黙々と読んでる時の静かな高揚感。あれが蘇った。

    教科書という媒体が「人生とはこういうもの」というメッセージ性を多分に含むものであるせいもあるんだろうけど、結構、衝撃的な話多いですよね。
    「ごんぎつね」とか「夏の葬列」しかり。
    ハッとして、しばらく頭の中がグワーンとなる感じがいい。

    この本の中では「ベンチ」という話をリアルタイムで読んでいたんだけど、まさにそういう種類の話。

    「ぼくと一緒にいるところを見つかったら、彼女は収容所行きなんだもの!」



    え…ここで終わりなの?こんな決着つかない終わり方もアリなんだ…?
    と、当時ショックだった。


    この本はすごくいい企画だと思います。

  • 佐藤雅彦セレクションなところと最初が「とんかつ」ってあたり素晴らしい。

  • 『とんかつ』が好き

  • 冒頭の「とんかつ」からつかみはOK。全編通して楽しめました。

    ただし暗い話ばかりです。教科書って暗い話しか載ってないんだっけ?って思う程です。

    どれも唸ってしまうような深みのある話でしたが、結局最初に受けるインパクトという点が有利に働いて、「とんかつ」が一番印象的でした。

  • 2011/09/25読了

    たしか「とんかつ」は弟の教科書に載っていたっけな?
    国語の教科書の現代小説の部分はいつだってワクワクしながら読んだ。
    新しい教科書をもらったら、まず最初に見るのは決まってその部分だ。だから、編者の気持ちよくわかる。
    小学生から高校生まで、現代文は個人レベルで楽しんできた。
    センター対策で問題をこなすようになって疑問を抱いた。
    「なんで読書に正誤があるんじゃい」と。
    ひとりひとり感じることは違うのに、正解やら不正解やら。
    文章は好きだけど、問題になったとたんに嫌いになったね。不快でくそ食らえだ!とね。まあ、大学はその反対で自分のインスパイアやら文章と自分の綱を認めてくれる。勝手な解釈も許されるわけだ。気持ちがいい。
    ま、気持ちを推測するという意味で、そういうのを題材にしたものが多いと思う。
    つまり、一通り読んだところで本意が分かるかって言ったらそうでもないものがね。
    こういう、勉強科目にまでしなければ本は読まれないものなのだろうか。
    なんてもったいないんだろうか。

    感想が、グチになってしまいました。すまぬ

  • 私も新学期に配られる国語の教科書の中の話を読むのが好きだった。
    今回は佐藤雅彦さん編の教科書に載った小説集だったので、
    それは読まねばと思い早速読んでみた。どれも本当に面白かった。
    良い話はだらだらと長くなくても、ぐっと引き込まれるし、
    読後も考えさせられたりすっきりしたりするのだ。

  • 佐藤雅彦が編んだ本。名作12篇。

    収録作品
    三浦哲郎「とんかつ」
    永井龍男「出口入口」
    松下竜一「絵本」
    広津和郎「ある夜」
    吉村昭「少年の夏」
    菊地寛「形」
    安部公房「良識派」
    吉村康「父の列車」
    古今著門集「竹生島の老僧、水練のこと」
    横光利一「蠅」
    リヒター「ベンチ」
    芥川龍之介「雛」

  • 学生の頃、新しい国語の教科書をもらったら収録されている小説を読むのが楽しみだった。本を買ってもらったような錯覚。その頃ならあんまり面白く思わなかった作品達だけど、今読むとやはり教科書をつくる人たちはすごいなぁ、と思う。ハズレなし。

  • 平成の教科書が多かったので読んだことがある懐かしさは無いが、教科書の小説っぽい懐かしさを感じた。
    息子が妙に心に残っているという「ベンチ」も読めた。一番気に入ったのは「蝿」横光利一だった。
    この小説はすごい。

    とんかつ 三浦哲郎 ○
    出口入口 永井龍男 ◎
    絵本   松下竜一
    ある夜  広津和郎 ○
    少年の夏 吉村昭
    形    菊池寛  ○
    良識派  安部公房
    父の列車 吉村康
    竹生島の老僧
    蝿    横光利一 ◎★
    ベンチ  リヒター ◎
    雛    芥川龍之介

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著者プロフィール

三浦哲郎

一九三一(昭和六)年、青森県八戸市生まれ。早稲田大学文学部仏文科を卒業。在学中より井伏鱒二に師事した。五五年「十五歳の周囲」で新潮同人雑誌賞、六一年「忍ぶ川」で芥川賞、七六年『拳銃と十五の短篇』で野間文芸賞、八三年『少年讃歌』で日本文学大賞、八五年『白夜を旅する人々』で大佛次郎賞、九一年『みちづれ』で伊藤整文学賞を受賞。短篇小説の名手として知られ、優れた短篇作品に贈られる川端康成文学賞を、九〇年に「じねんじょ」、九五年に「みのむし」で二度にわたり受賞。他の著作に『ユタとふしぎな仲間たち』『おろおろ草紙』『三浦哲郎自選全集』(全十三巻)などがある。二〇一〇(平成二十二)年死去。

「2020年 『盆土産と十七の短篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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