- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591103180
感想・レビュー・書評
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中高生向けの教科書に載っている小説、その他を佐藤雅彦氏が厳選して集まとめた本。
殆どは短編ですべて載せてあるけれど、長い話は教科書なので一部抜粋という形。
昔は、教科書に載っている本なんて、何の興味もなかったけれど、最近、子どもの教科書を読んで、面白そうなものは、自分でも探して読んだりしていました。
昔は国語が大の苦手だったので苦痛だったけれど、授業を離れて読んでみると、教科書って意外と面白い話が沢山あるんだな、と。
今回は、この小説集を読んでみて、教科書に載るというくらいだから、これが掲載されている教科書を使っている学校では、当然、授業で読み深めたり、テストなどで何らかの問題が作られたりしたわけで、どんなところがどんな風に出題問題として出されたのかな、と想像しながら読みました。あとがきに書かれている佐藤氏の楽しみ方とはちょっと違う方向性ではあったけれど、楽しめました。
名作12編、とありますが、この中で読んだことがあったものは、たった一つ。リヒターの『ベンチ』(『あの頃はフリードリヒがいた』より抜粋された話)のみでした。(確かに、この話は名作でとても面白かったです)
著名な作家が目白押しですが、そのほとんどは、名前はもちろん知ってはいるけれど、自分から手に取って読んだことはない方々だったので、普段読まない話を読む機会を得ることが出来ました。
私のお気に入りは、『出口入口』、『絵本』、『少年の夏』、そしてもちろん『ベンチ』でした。
とんかつ・・・・・・・三浦哲郎
出口入り口・・・・・・永井龍男
絵本・・・・・・・・・松下竜一
ある夜・・・・・・・・広津和郎
少年の夏・・・・・・・吉村 昭
形・・・・・・・・・・菊池 寛
良識派・・・・・・・・安部公房
父の列車・・・・・・・吉村 康
竹生島の老僧、水連のこと・・・古今著聞集
蝿・・・・・・・・・・横光利一
ベンチ・・・・・・・・リヒター
雛・・・・・・・・・・芥川龍之介詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
普段読まないような作品が読める。
三浦哲郎「とんかつ」、吉村昭「少年の夏」、吉村康「父の列車」、横光利一「蝿」、リヒター「ベンチ」が良い。
古文(「竹生島の老僧、水練のこと」)も久々に読んだ。 -
面白い。侮れない。
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あとがきにも書いてあったけど、誰かが人が育つ過程で通過させたかった本。
よくよく考えてみると、書いた本人でも無いのに、実に興味深い。
どれも自分の教科書には載っていなかったが、教科書に載ってそう感は、とても味わえる。
少年の夏が一番好きかな。 -
文字通り「教科書に載っていた小説」
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どれも教科書で読んだ覚えはないけど、国語の教科書は楽しかったな。自分じゃ全然見つけられない人も知れて。これの安部公房はおもしろかった。
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中身はともかく、あとがきの内容が意外だった。へぇーという感じ。
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なぜ今になって買ったのだろう?~三浦哲郎「とんかつ」(H18高)永井龍男「出口入口」(H7高)松下竜一「絵本」(H4中)広津和郎「ある夜」(H5高)吉村昭「少年の夏」(H11高)菊池寛「形」(H17中)安部公房「良識派」(H18高)吉村康「父の列車」(H8中)古今著聞集「竹間島の老僧,水練のこと」(H5高)横光利一「蠅」(S61中)リヒター・上田真而子「ベンチ」(S61中)芥川龍之介「雛」(S47高)~伊豆の田舎で小学校教師をしていた父の本棚から出して貪り読んだ少年の記憶