([に]1-1)ゆれる (ポプラ文庫)

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著者 : 西川美和
  • ポプラ社 (2008年7月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591104347

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([に]1-1)ゆれる (ポプラ文庫)の感想・レビュー・書評

  • 長年気になり続けていた作品。ようやく読んだが、予想以上の重さ、複雑さに脳が痺れ、うまく言葉が出てこない。
    兄と弟のからまり合った愛憎に、更にからまり合う、兄弟の父・伯父の愛憎。彼らもまた「兄弟」であり、その重ね方がお見事と思った。
    全般を通してとても息苦しく、張りつめた世界なのだが、決して後味が悪いわけではなく…時々ちりちりと切なくなるのだ。
    いずれ映画版も観てみようとは思っているが…小説だけでもこんなに完成度の高い作品に仕上げてくるなんて、西川さん、すごすぎる。映画監督であると同時に、私の中では優れた作家のひとりである。

  • 多分再読だろう。と思って読み始めたが2006年の刊行だった。
    再読だったらもっと覚えてて良さそうなものなのに微かな既視感があるのみで内容はほぼ覚えていなかった。
    そんな既視感とともに読了し、★は5つ。いやむしろ6つ。
    心を揺さぶられるとはこういう感覚だよな。と思う
    やはり初読なのか。
    東野圭吾の手紙をもう一度読みたくなった
    久しぶりによい作品で心が満たされた

  • 自分のどす黒い感情には向き合いたくない。冗談めかして毒を吐いたりはするけれど、自分でもそんな感情を持つことに躊躇いがあって気づかないふりをする。ましてや他人になんて話せるわけがない。この小説の中では、各章の語り手が誰かに話している形式を取ってはいますが、それこそ本人だって認めていないような感情が語られます。恐ろしいのは人が死んだ事実ではなく、その状況を作り出した経緯と感情。誰もが化物をその体に飼いながら表面上はどこかしらにいそうな人間だということ。
    映画のノベライズということですが、恐いけど映画を見てみたいです。

  • 親子に受け継がれる負の連鎖。育ってきた環境は大事だと思う。兄弟って、お互いを知っているようで全然知らない。親子間でも知らない。でも血は水より濃いとはよく言ったものだ。

  • 才能と成功の裏側にひっそりとある怠惰、抑制と日常に隠されている狂気。
    兄の修も弟の猛も、多分彼女の心の淵のどこかを取り出して、一つの形にしたんだろうな、と思った。
    西川美和さんは女性なのに、男性(猛)が女性に対して感じる衝動や、面倒くささを的確に捉えていたのが印象的。性的なことに関しては、男性女性ってきっと分かりあえないんだろうと思っていたけど、割と近い部分もあるのだろうか。それとも、西川さんの特異な才能なのか。どこまでを性的な部分と割り切ってしまうかどうかの、諦めのラインの違いかな。。

    見たくない自分の一部を、目の前に見せられているような本。

  • 家を出て、カメラマンとして活躍する弟猛、実家のガソリンスタンドを継ぎ、田舎町で静かに暮らす兄稔。
    全てを許し、認めてきたかのように見えた兄だったが、二人の幼馴染の智恵子の転落死により、その奥に隠れた深い闇が見え始める。

    ノベライズ本だったのですね。
    映画も知りませんでしたが、とても興味深く、一気に読んでしまいました。
    語り手が、章によって変わるため、それぞれの気持ちが手に取るように分かり、面白かったです。
    兄弟の確執。長男ゆえの苦悩はきっとあるのだろうなと思いました。
    智恵子だけが被害者ではないと思わされた一冊でした。

  • なんか最近、映画化された本読むの多い。ちょっと不本意。しかも、人間臭い本読むのも多い。さらに不本意。最近本選びブレてる。心配心配!

    裁判が絡む話は、時系列で読みにくいうえに、時間感覚がつかみにくく、季節感や変化が感じ辛い。

    後読感は悪くないけど、やはり映画向きだと思います。

  • 映画がよかったので原作も読んでみました。見終わった後も余韻に浸り自分の想像力を掻き立てられた映画に対し、小説ではあとがきにその後のストーリーが香川照之の視点で本編風に続けて描かれており余計でした。役者としては好きです。本編はおすすめです。

  • 映画「ゆれる」の文庫本。
    それぞれの登場人物の視点から描かれてある。

    先に映画を見てしまったせいか、
    本より実写(映画)のほうが面白いと思った。

    最後に兄が微笑むのは本も映画も変わらない。
    バスに乗るのか、乗らないのか。

    たとえバスに乗ったとしても、私が弟だったらそのバスを追いかける。

  • 映画を2回観て、友人に本があるよと教えられて一度借りたけど、気になって自分でも買ってしまった。
    そのあと映画をもう1回観た。

    なんだかすごくはまりました。
    映画の中の香川照之さんの演技が怖過ぎて、目が離せなかった。
    映画では語られない部分が小説では分かってより理解が深まりました。

    また読みたいと思ってます。

  • 映画は間違いなく名作の域にあるが、これは映画の脚本から小説に仕立てたのかな?普通とは逆パターンかもしれないが、小説もまたなかなかgood。
    全てのモノローグに人生が詰まっており、どれにも感情移入が出来る。
    特に家族・兄弟の間の微妙な行き違い、「性格の不一致」で片付けられない違和感、この作家の鋭利な感性により見事に抉りだされている。
    惜しむらくは解説、これははっきり言って不要。日本を代表する俳優の語りであることも含め、やはり映画は行きつくところ監督のものだと改めて感じさせられる。

  • なんか無理に余韻を残そうというような文体が・・・・

  • 映画の後に小説化されたらしい。
    その後の「きのうの神様」も、この作品も
    賞にノミネートされているのは単純にすごいと思う。

    この本を読むことによって
    映画「ゆれる」の各登場人物の心情を
    よりはっきりと汲み取ることができる。
    なので、人によっては敢えて読む必要はないかも。
    文章は、癖もなくとても読みやすい。

    脚本を書くときは24時間そのことしか考えない
    何度も推敲し、ものすごく細部まで書き込む、などの
    西川監督の姿勢からも、作品を見てみたいと思わされる。

  • 映画(DVD)を見た上でのノベライズ――映像では感じることの出来なかった、登場人物一人ひとりの心の襞を読み取ることが出来るので、もう一度映像を見たらより深く染み入ってきそうな気がします。
    なかなか複雑な家族・血縁関係にスッと理解は出来ないけれど、世の中には多分溢れていて、表面的な理解では到底及ばない世界がそこにはあるのだろうと、考えさせられます。それだけに、まともに考えてたら頭おかしくなりそうだから表層的な面だけ捉えてあーだこーだ言っていることも、ある意味では「防衛本能」なのかな、なんてことまで考えたりして・・・

  • 映像が目に浮かんでくる。事件の関係者の語りで物語がすすんでいく、または明らかになっていく。稔と猛の兄弟の関係が山の緑の葉のようにゆらゆら揺れているように思える。

  • 光の描き方がとても印象的でした。

    さすが映画監督、といったところでしょうか。

  • 兄弟の確執を描いた作品。自分は兄弟姉妹が多いけど、この小説に描かれているような嫉妬や侮蔑はない。表向きは味方のようでいて実は自分の保身を考えているなんてことは、ない。断言できる。みんなに幸せになってほしいと思ってる。なんだか自分の家族の初心さを改めて感じた。

  • うーん。暗いお話でした。。。最初はなかなか読み進められなかった。最後も唐突だった。映画を見たほうがいいのかな。

  • 映画のノベライズと言ったら妙に安っぽい話になってしまいがちだけれど、これは監督自らペンを取っていて、小説としてもとても完成度の高い一冊になっている。

    家族を捨て田舎町から飛び出しカメラマンになった、自分勝手で破天荒な弟。
    実家のガソリンスタンドを継いだ穏やかで実直な兄。

    母の一周忌に久しぶりに実家へ戻ってきた弟は、幼馴染の智恵子と兄の3人で山奥の吊橋へ向かう。
    吊橋から智恵子が転落死し、兄は自分が殺したと自白する。

    兄弟の微妙な関係を絡めながら、
    兄はなぜ智恵子を殺したのか、殺意があったのかを、語り手を変えながら探っていくミステリテイストのお話。

    文章にとても雰囲気があり、ぱっと似ている作品が思い当たらないくらい目新しい感覚だった。
    特に前半のテンションがよかった。裁判に入ってから少々崩れてしまったけれど。

    兄の本性は最後までよく分からなかったけれど、どんな人間にも極端にかけ離れた二面性があるもので、ありがちな表現で言えば魔が差したのかなあと。

    映画版の配役は弟がオダギリジョー、兄が香川さん。
    かなりいけてると思います。

    観ていないけど、裁判以降は映画のほうが勝っているのではないかなあと勝手な想像。

    田舎から出てきた、特にきょうだいを持つ人にはもっと深い感想が生まれそうな物語だった。

  • 傑作だと思う映画版を観てから数年を経て、
    今さら小説版を読んでみました。
    通常、本と映画のどちらも手を出してしまうと
    精度に大きな差が生じていてげんなりするものですが
    この作品は見事にそれを覆してくれました。
    映画、小説、それぞれが補完し合って完成品になっています。

    原作者であり監督である西川氏は、
    そもそも脚本にパワーをかけるタイプの方。
    文章自体は平易ですが、構成がよく終始緊迫感を纏わせた作品です。

    ある兄弟と幼馴染との間に起きた出来事を、
    登場人物6人の独白というかたりによって
    淡々と、客観的にあぶり出していくのです。
    映画では無駄な台詞が一切なく、観客へ思考を求めるのですが、
    小説の個々人はやけに饒舌。感情のゆれを感じることができるはず。

    事件か事故か、そんな事の真相はたいして重要でなく、
    浮き彫りにされる登場人物の心の機微から目が離せない。

    血縁からは逃れられない、と思うわたしもまた極端ですが、
    愛情と支配、羨望と嫉妬、怒り・・・
    どれもとてもリアルで、ひやりとさせられました。

    もう一度映画を観たくなりますね。

  • 人の心の奥の、覗くには重すぎる話。一気に読んでしまったけれど飲み込むのに多少の労力が必要で、読後も気持ちが重い。
    でもとても面白かった。
    解説が映画で稔を演じた香川さん。
    おそらく、感じることと見える世界が違うだろうし、映画も観てみたいと思いつつ。
    なぜ、という疑問はいつまでも持ち続けるんだろうし、説明されて納得できるかはまた別だろうなと。

  • 映画を小説化した作品。映画の方が印象に残っており、小説だけでの評価が難しい。改めて映画の素晴らしさを思い出してばかり。
    映画を見た後では読みやすすぎるが、小説だけでは情景描写が物足りないのではないかと思う。
    どちらを勧めるかと言えば、映画を勧める。

  • 再読。
    前読んだ時のこと全然覚えてなかった。
    映画見なくては。

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