ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

  • 100人登録
  • 3.71評価
    • (13)
    • (8)
    • (22)
    • (2)
    • (0)
  • 26レビュー
著者 : 中島梓
  • ポプラ社 (2008年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591104354

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
三浦 しをん
村上 春樹
宮部 みゆき
中島 梓
湊 かなえ
天童 荒太
有効な右矢印 無効な右矢印

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読みやすく胸にひびくエッセイ。
    ガンになった栗本薫さんが達した域はここかと。
    諸行無常、ちょっと仏教ぽいが、説教くさくない。珍しく夫婦のきずなについて書いてあったりして。

  • 母のガン急逝をきっかけに「転移」とともに併せて読みました。
    これを読み、ガンでだけは死にたくないと心から思いました。
    壮絶な手術を乗り越えた先には希望ではなく更なる絶望が・・・。

    ただ、切羽詰まった「転移」に比べこちらはまだ心の余裕がある内容になっていると思います。「転移」が病状日記中心なのに対し、こちらは病気から少し離れたエッセイも散りばめられています。

    自分がとくに面白かったのは「書くこと読むこと」の章です。以下、本文を抜粋しました。
    【現代、娯楽が溢れかえる中でどの作品もどのタレントもありったけの金切り声をはりあげて「私を見て!私を選んで!!」と絶叫している。そんな今の時代はやっぱり何かが根本的に間違っている、と思わざるを得ない。本来「娯楽」というのは、ただのありあまる「自分を選んでくれ」と叫んでいる無数の選択肢からつまらなそうに一つを取り上げてはまた放り出して次を気まぐれにつつく、ことではなしに「一年間その日の来るのを楽しみに待っている」ほど重大なものであったはずです。入院中、私は「ガン病棟」を読み「魔の山」を読み「細雪」を読み挙句「小公女・小公子」さえも読んで、「今の手にとる気にもならない単発のあふれかえるミステリーやライトファンタジーやBLや普通の小説、手にとったけれどげんなりしてしまった週刊誌連載をまとめただけのエッセイやケータイ小説」などといったい何処が違っているのだろうと思ったけれど、自ずと出てきた答えはやっぱり「志の高さが違う」のだろうと・・・。中にはむろんいつまでも人の心に残る「今の作品」も当然ありましょうが、しかし20年50年100年後のガン病棟の何ヶ月も閉じ込められて苦しい治療をしている人々がふと手を伸ばし夢中になり一瞬でも闘病の苦しみを忘れられるような、「そういう小説」であるかどうか・・・。】

    ところで実は私は中島梓さんの、というか彼女の作品ばかりでなく小説というものをほとんど読まない人なのですが、それでも彼女の文章はとても読みやすくある程度まとまった厚さであってもスルスルと読めてしまい我ながら驚きました。彼女自身も認めていらっしゃるように確かに全体的に「くどい」表記も少なくありませんでしたが、基本的に文章が上手なのか苦になることなく本書と転移と最後まであっという間に読めました。そういうところはさすがベテランの作家さんだなぁと妙に感心いたしました。

  • 故栗本薫氏がガンで闘病していた時期に書かれたエッセイ。死を思いつつも一日一日を愛おしむように生きている様が胸に迫ります。

  • この著者の小説は読んだことないのでアレですけれども、今作は非常にガンという病に冒された者の体験記…というか、ガン病棟の感じを非常に、分かりやすく伝えているものとして僕などは評価したい! と強く思いました…

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、著者の性格ゆえ? なのかもしれませんけれども、ガンという大病を患いながらもあんまり悲観的な感じにはなっていなくて、それが読者としてもありがたいというか…そう身につまされるなく読めました。

    著者は病棟でも原稿などを書いていて、相当にバイタリティ溢れる人物なんだなぁ…と読んでて思いました。まあ、グインサーガという長編物語ですけれども、すでに100巻越えてますからねぇ…ここまでの長編を築き上げたんですからそりゃ壮大な創作欲みたいなものをお持ちなんでしょう!

    まあ、著者はこの後死んでしまうわけですが…ですから、グインサーガも未完のまま、です…。

    それは悲しいですけれども、今作を読んで僕自身、この著者に興味を抱き始めたのでグインサーガなど、古本屋で見かけたら買って読んでみたいですねぇ…などと思いました。おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 916
    乳がんから17年、今度はすい臓にがんが見つかる…入院中のエッセイ

  • あとがきの内容は、予想してはいたけど、全くもって彼女のファンでない私にとってもショックなものでした。
    彼女のガンという病に対する姿勢、考え方には共感します。
    50代でガンで亡くなる女性作家、多い。。。

  • 図書館で借りて読みました。大好きな作家さんだったから、なかなか、手を出せずにいましたが、やっと読む事が出来ました。ある意味、全力で生き抜けた人だったのだと思いました。グィンの未完は残念ですが、やはり素晴らしい作家さんだったと思います。

  • 一人の作家の覚悟。
    生死感、生きる事と死ぬ事について考えさせられる本です。
    果たして彼女はいつまで生きられたのか。それは読後調べてみましょう。

  • 中島 梓のガン闘病日記です。

    まあ、最初から、金持ちは金の力でワガママ全開、とばかしにとばしているので、共感したり、それがなにかの励みになったりは、多分しないと思います。

    まあでも、しんどいので余裕がなくなるということはあるのかも。そして、それを隠さず書いているというのは、もしかして、すごいことなのかもしれません。

    でも、書く物語は好きなので、長生きして欲しいなぁと思います。

    人格と作品とは、まったくほとんど関係がないということが、よくわかるお話。

  • ちょっと、やっぱり一言では言い表せないけど…母親が入院していた時のこと、ずっと考えてました。

    うちの母親はやはりガンでしたが、中島梓氏とは真逆でした。口癖は「どうせ私はもう死ぬんだし」みたいな事、何度聞いたか…(って言っても遠方に住んでるからって事言い訳にあまり見舞いにもいかない私がストレス感じるんだから、毎週見舞いに行っていた父親や妹のそれは、どんなに大きかろうと…)

    なので、とても前向きで明るい真摯なエッセイに、凄く救われた気がしました。

  • 黄疸から発覚した自らの癌の手術、退院後の化学療法までを淡々と、ときにはユーモラスにつづった闘病記。精進料理で知り合った禅僧との思い出、その突然の死について書かれたあたりから、ぐっと内容が濃くなり、著者の死生観が吐露される。自分にとっては書くこと、が生きること、と締めくくられる「あとがき」に全てが集約されているようだ。

  • 栗本薫さんのエッセイって(中島梓さん名義ですが)実は読んだこと無かったなあ、と物色しているときこの本があったので図書館で借りてみました。膵臓癌だったんですね。それにしても本書を読む限りでは脂質の多い食事はお嫌いだそうだし、お酒も止めていらしたそうなのになあ、と思いました。

    病気の話や闘病の話はああきっとそうなんだろうなあと言う思いで読んだのですが本の話と食事の話はあまり意見が合わなかったです(笑)。後、自分も使うので言う資格は無いかも知れませんが文中に(爆)とか(笑)が多くてそれも気になりました。ブログやネットで読む分にはさほど気にならないのですが活版で印刷された本だと違和感を感じます。コレはもう自分が古いタイプの人間だからしょうがないですね。それにしても曽野綾子か栗本薫かあ。個人的には今活躍されている、骨太の読み応えのある小説や文章を書かれる女流作家(その言い方もどうかな?と思いますが)さんはたくさんいらっしゃると思うんですけどね。

    まだまだ作品を色々発表される予定だった方なのでファンの方は本当に残念だと思うしご本人も無念だったのではないかと思います。個人的にはグインサーガを途中まで読んでリタイアしたクチなので他のシリーズに取り掛かられる前にとりあえずグイン、終わらせてくれないかなあ、と思ったのを覚えております。ご本人も書いてらっしゃいましたがグインは終わりが無く、彼女が執筆できなくなった時があの作品の最後なのですね。ご冥福をお祈りいたします。

  • 癌で亡くなった著者の闘病エッセイ。
    どれほど深刻で思い詰めた内容だろうと覚悟して読み始めましたが、驚くほど明るく、それまでの著者の語り口調とまったく変わらない文章でした。
    常にノンストップでしゃべり続けるような著者。
    才知に富んで勝気で明るいところが、清少納言を彷彿とさせる人です。

    軽妙な語り口に引き込まれます。
    彼女は17年前に36歳で乳ガンを患っており、これが2度目のガン闘病生活。
    悲壮感がきれいに排除されているため、病床を語ったものとは、すぐにはピンときません。

    当然、苦しいことやつらいことばかりの入院期間だったはずなのに、あえてその苦しみについてはリアルに触れず、おもしろおかしく書き綴っていこうとする著者の心意気が見えます。
    能天気というよりも、一度癌と闘った著者ならではの芯の強さが見えました。

    入院した築地にあるガンセンターを、「グルメな患者にはつらい場所」と書いているところに、生命力を感じます。
    確かに、聖路加病院の前を通るたびに、同じことを思いますが、それは健康体の感想。
    パワフルな著者からは、ガンも逃げていきそうな気もします。
    それでも「上海蟹を食べながら、来年もまた食べられるのかしらと思った」「この夏の着物は来年また着られるだろうか」などとさらっと書いてあるくだりには、切なくなりました。

    彼女の訃報を聞き、それまで闘病生活を送っていたことを知った時には、とても衝撃を受けました。
    その死を悼みながらも、著書のファンとして(なぜ、ライフワークである『グイン・サーガ』を未完のままにしてしまったのか。強引にでもまとめられなかったのか)と思いましたが、それは完全に読者のエゴでしかない意見だと、思い知らされました。
    少なくとも入院中は、快復を目指して日々努力している彼女が、死後の後始末をするようなことはもちろんないでしょう。

    入院中に『グイン・サーガ』121巻を出したことが書かれていました。
    おそらく、死期を悟った時には、もうあの堅固な物語をまとめる体力も気力も、削がれてしまっていたことと思います。
    それよりは、少しでも話を先に進めていきたいと考えたのでしょう。

    自認している通り、とても我と欲の強い人ながらも我儘放題ではなく、きちんと心の中での折り合いをつけている人だという印象です。
    死を意識し、生に真剣になる様子が綴られます。
    米原万理や氷室冴子、宮迫千鶴といった、志半ばにして病に倒れた同業者を引き合いに出したりしているところも、読んでいる側としては寂しいところ。

    55歳まで、当然のように生きてきたことの傲慢さを知ったという著者。
    「ガンになったことでたくさんのことを学んだので、ある意味良かった」と前向きにいる、その凛とした心意気が美しいです。

    健康だった時も、常に忙しく、生命力に満ちた人でしたが、入院してからも本当に命をしっかりと使っており、最後まで燃え続けた人だという印象です。
    入院中は、読める本も内容が限られてしまうなど、隠しようもない心身の不調も、文中に出てきますが、おおむね共感できる話ばかりでした。
    それにしても、あの才能にあふれた多彩な人が亡くなってしまったのは、本当に残念なことです。

    時に、その強烈な個性に圧倒されることもありましたが、作品内でも実際の人生でも、最後の最後まで力強く生きることの素晴らしさを教えてくれた頼もしいリーダーだったと、あらためて彼女の生き方を偲びました。

  • 中島さんの闘病記を何度読み返したことだろう。【大切なのは勇気なのだと思う】という言葉を心に繰り返して来た。本当にありがとうございました。頑張って生きていきます。

  • 生きていくこと、書いていくことに真剣に、自分を見つめている感じが切々と伝わって来ました。グイン・サーガ、未完ですが、やはり、読み切ります!!

  • グイン・サーガの著者、栗本薫が亡くなってから1年経つ今、やっとこの本を読もうと思えました。
    まだ辛くて何度も涙が出ましたが、読んでよかった。
    本人の考え方はいたって前向きで、思わず笑ってしまったところが何箇所もありました。
    また私は幸いにも今のところ手術に至るような大きな病気をしたことがないので、健康な人間を「ダンプカー」のように感じるという部分はとても印象的でした。
    実際に、手術をしたことのある母に尋ねたところ、やはり「術後の経過もよくて自分では元気だと思ってたけれど、病院の会計をしに行ったときに周りの人が弾丸のように自分に向かって飛んでくる!と足がすくんだ」と話していました。

    あとがきは“転移”で終わってますが、朗らかな栗本薫のイメージそのままの読みやすい、また一気に読めてしまう本でした。

    入院中に読んだ本のことなども書かれているので、目を通してみようと思います。
    藤井宗哲 関係の本
    南の島に雪が降る
    魔の山
    ソルジェニーツィン『ガン病棟』

  • たぶん、強いから管だらけになっても書いたんじゃなくて
    書いていなければ、快復しないという思いがあったのだと思う。

  • グインのあとがきしか見てなかったせいかずいぶん突然に感じたけど、それまでに経緯があったわけね。それにしても、病んでなお、というか病んでこそ、というか、こういうひとなんだなあ。

  • 生死一如

    彼女は
    ガンになったことで
    この領域にたどり着き
    結局あとがきの部分で
    再発したことを告白し

    そうなってもなお
    大胆に
    「ガンになってよかったかもしれない」
    と言い切っている


    私がもしそういう境遇になったら
    という
    もしを
    考えたくない

    もし
    を考えるだけで
    辛くなってしまうぐらい
    私はまだまだ人間ができていないのだ

    永遠に行き続けることなのできないのだけれど
    どこか自分自身の中で
    死というものを遠ざけている


    そういう私には
    この本は
    チョッとつらいのだけれど
    読むべき本だったのだろう

    新聞の書評に載ってから
    ずっと気になっていた本だったけれど
    それがたまたま図書館にあったというのも
    それもまた
    めぐりあわせなんだろうな

  • …先生、こんなに大変だったんだ(ノ_<。)
    今も癌と闘いながら、執筆活動を精力的に続けていらっしゃる。
    尊敬します。

    ワタシも両方の祖母を癌(それぞれ胃癌とすい臓癌)で亡くしていますが、先生はすい臓癌。
    当時ワタシは中・高校生で看病とかしなかったけど、母が病院に通って大変だったのは覚えているし、お見舞いに行く度に衰弱していく祖母の姿は覚えています。

    何か…、先生は突き抜けた(?)感じ。
    もう悟りの境地にいらっしゃるのか。
    そうですよね、生存率とか告知されれば、誰だって残りの人生を考えるでしょう。

    …少しでも多く、グインを、他の作品を書き続けてくださいとしか言えません。
    これからも先生の作品を1年でも長く読み続けられることを願って。

  • 中島梓というより僕にとっては栗本薫ですね。その訃報を知った時は少なからずショックでした。そして手にしたのがこの本でした。このタイミングで読むのはどうかと思いつつも、このタイミングだからこそ読んでみようとページを繰りました。

    私はこう思う、こう振舞うと自分の考えをどんと前に出されています。個人的な考えと言いつつも、それが活字となって出版されるという意味も含ませながら書かれているのが何ともらしいなと思ったり。生きるとはどういうことなのか、生きることと死なないということは同じなのか、自分にとって譲れない想いとは何なのか、色々と考えさせられます。うん、やはり読んでよかった。そう思います。

  • 私はこの方を存じ上げない。
    今まで本も読んだことがなかった。
    今回初めてこの本を読んで、闘病以外の事に関しては、首をかしげてしまうことが多かったけれど・・
    あくまでも病に立ち向かっている考え方に関してだけの感想です。

    乳癌のあと、下部胆管癌と診断され手術をした後の記録が淡々と綴られている。

    私は小さな手術はいくつかしたけれど、その中で子宮筋腫が一番私にとって大きい手術だった。
    あのときの腰からの麻酔注射だけは今でもはっきり覚えているし、術後の起き上がれるまでの何日かのしんどかった日々も忘れない。
    二度と手術はしたくないと思ったものだ。

    彼女は退院して抗がん剤の治療を受けてリハビリをしていながら、さらに肝臓への転移が見つかったそうだ。

    私よりちょっとお若い方だけど、実に強い女性だと思いながら読み終えた。


    内臓の手術は元夫の手術で見てきたけれど、管だらけで水も飲めない日々が続いてと、まさに彼女と同じような日が20日以上も続いた。
    本当に大変だった。
    私は絶対やりたくないと思っているけど、実際自分がその場に立たされたらやはり生きるために・・生きたいと思うかな・・手術をするかな。

    彼女も書いているけれど、癌に限らず年とともに身体のあちこち傷んでくるわけで、日々の暮らしの中でも事故にあうかもしれないし、死というのはどこにいてもどんな状況でも生きている限り常に隣り合わせな訳で。

    今私自身が抱えてる病が難病だけれど直接死に繋がるわけでもないからそれほど深刻に考えてもいないけど、彼女のように実際強くいられるだろうかと考えてしまった。

  • 闘病記を読んでるのか自慢話を読んでるのか、というぐらい読んでていろいろ閉口する本だった。実際、著者の受けた手術は数ある手術の中でも一二を争う大変しんどいもので、精神的にも肉体的にもキビシイ現実と直面していることは確かなので、そういう中でこのような本を書けるというのはまあ、すごいなあ(いろんな意味で)と思う。てなこと書こうと思ってたが、後書き読んで書けなくなった(書いてるけど)グインどうなるのかな…と余人が心配するのも筋違いだよね。願わくば著者が正しい予後を知り、正しく自分の余生への決定権を与えられんことを祈る。

  • ガンと戦う壮絶な体験をあくまで飄々と淡々と描き、一気に読んでしまった。ガンがあるからこそ、自分の役割が見えてきて、一行でも多くまた一冊でも多く書きたい、という小説家としての業や覚悟に感動してしまった。

  • 2008/08 書店で買う

全26件中 1 - 25件を表示

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)はこんな本です

ツイートする