かなりや

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著者 : 穂高明
  • ポプラ社 (2008年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591106099

かなりやの感想・レビュー・書評

  • 祖父母が亡くなり、田舎へ母親と引っ越してきた高校一年生の「サチ」、お寺の息子「広海」による、ちょっと不思議な優しい物語。虐待、身体障害、パニック障害など、悩みを持つ人々の気持ちがわかります。所々で物理、医療の話が挿入され、生死の境界が不思議な世界で描かれます。「悩みの先には希望がある。ちゃんと自分を見てくれている人がいる」そんな温かなメッセージを感じました。もっと、たくさんの人に読んでほしい作品です。悩みを抱えている人にオススメ。

  •  話し手が次々と変わり、一周回って戻る。そんな感じです。
     やはり最初に登場する女の子が、その後どうなるのか気になってしまいます。その子の欠片を拾う感じで読み進めました。暗く沈んでしまう気持ちが最後にぱっと明るくなりました。読後がいいです。

  • 繋がるとは思わず・・・
    最後はホロリと
    いいお話でした

  • 母親とともに東北へ引っ越してきた女子高生のサチ。
    近所の寺の息子、同い年の広海と出会ったことでサチは日常のなかに安らぎを見つけるが、彼女には深い心の傷があった。
    生きることや死ぬことをあたたかな目線で描いた短編連作。

    <収録作品>
    第一章・アポトーシス/第二章・インピーダンス
    第三章・アグデブルグの半球/第四章・シュレーディンガーの猫

  • 穂高明作品初読み。
    分厚い本が続いたのでちょっと薄めの本を(笑)
    心に傷を持った人達を助ける祖父と孫。
    どうにもならないと思い込まないでという作者の祈りがこめられたような一冊。
    ちなみに私もコンビニおでん買えない派です(笑)
    賞味期限よりも蓋せず掃除とか、おでんの鍋のそばで喋った時のつばとか考えたら無理無理無理絶対無理ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ

  • 切ないく、少し暖かく、ちょっと元気になれるお話です
    みんな東北の街に住んで一生懸命生きていますが、ちょっと生きにくさ感じています

    母から虐待されているサチさん
    世界の裏側に行くことのできる広海くん
    二人に関係ある人の目線から書かれている連作短編4つからなっています

    人って、実は深く傷ついていたり悩んでいたり、ちょっと見ただけではわからない複雑な心をもっている
    でも、生きていかないといけないんだよ!

  • 4編の連作短編。
    各話毎に視点が変わりますが、登場人物達が他のお話にも緩やかな繋がりをみせる形で描かれています。
    軸となるのは、あの世とこの世の狭間の"裏の世界"を往き来出来る大和尚と孫の広海。
    そしてお寺の家族。
    このお寺の面々が良いですね。
    生と死が、科学的側面と仏教の説法を併せた独特の観点で語られています。
    心にすっと入って来ますね。
    様々な苦しみが描かれる重たい内容ではあるものの、それぞれが前を向いて終わる形なので読後感も良いです。
    細やかで、でも決して忘れてはならないものを気付かせてくれるような、素敵な作品。

  • 物理については全くわからなかったけど、読んだ後、ほっとするようなお話だった。
    他の作品も読みたい。

  • 「いつか必ず死ぬのだから、みんな死に向かって生きていかなきゃいけない」
    「生き物は生まれるために死ぬ」
    2冊目を読み終わり、これがこの作者の死生観と思いました。

  • 4話の連作短編集、1話毎に主人公は入れ替わるけれど、全てどこかで繋がている長編的な物語。現実に有りそうな、自殺未遂とかの出来事の中にちょっとファンタジーな部分も含まれていたけど、総じてスッキリ纏まったので後味は良かった。

  • 最近はやっているシリーズものの本とかよりもずっと面白かった。内容も、タイトルもいいな。ただ前半の盛り上がりに比べ、後半の内容はやや失速気味か?アポトーシス、シュレーディンガーの猫、など章ごとのタイトルも面白い。この人の作品、もう少し、読みたくなった。

  • 町にはいろんな人が住んでいる。母親から虐待されている娘、職場の先輩とうまくいかない青年、パニック症候群の女性など、何かしら問題を抱えている人々。誰もその人が抱えている問題を知らずに通り過ぎて行く。でも、当人は自分で自分を追い詰めてしまうほどまで悩みを抱えているものだ。そんな人々に、そっと助けが来る…。
    テーマは救いかな。どんなに悩んでいても、厚い壁にぶち当たっても、結局は自分自身が乗り越えるしかないのだが、周りは助けてくれるんだよ、と。その助けを拒絶するのも、受け入れるのも当人次第なんだけど。

  • この世とあの世の境目の鳥居に近付いたものの戻ってきた人々の話。
    少しファンタジー、そして、物理の話。
    …物理は苦手です。

    東北の町を舞台にしており、それぞれの生活はわずかずつ重なっています。
    そこで生きる人々には、それぞれ自分ではどうしようもなかった過去や現在がある。


    何言いたいかわからなくなったので、尻切れトンボで終わり。
    こういう話は正直苦手なんですが、面白いと思いました。

  • アポトーシス
    漂白剤や飲み込んだら牛乳
    量子力学

  • この作家さんの本ってあったかい。

    何のきっかけで知ったのかもう忘れてしまったのだけれど、めぐり合えたことを本当に幸運に思う。

    生と死が交錯する裏の世界。抱えきれない荷物を解きたくて楽になろうと現実を捨ててしまおうとする人たち。そして、それを救う仕事を務める若い男の子。

    実際は、こんなふうに九死に一生を得る幸運・強運な人はごく稀である。ほとんどの人たちは誰に助けられることもなく、また誰に助けを求めることもなく、命を絶ってゆくのだ。その目を背けたくなる現状は他人事でも何でもなく、わたしたちのすぐ側にある。けれど、少なくとも物語の中では、こうして救われる人たちがいて欲しい。そして、彼らには悩みながらも苦しみながらも自分の人生をまっとうできる道が続いていって欲しい。

    “こんなふうにはうまくいかない”

    それを呟いてしまう自分が嫌でも、やっぱり登場人物の幸せを願って涙ぐんで読んだ。彼らの人生の8割は嫌なことで、あとの2割にご褒美のように自分を助けてくれる人がこうして現れる。きっと、それは誰もにあてはまること。と願う。

    各章のタイトルにもなっている科学事象は、浅学にして「シュレ猫」以外知らなかったから嬉しい驚き、発見だった。やっぱり面白い。また本を出してくださるとよいのだけれど。

    東北が舞台のこのお話。そして、ご自身も宮城出身の著者。生死にまつわるお話を書かれる著者が、今このときに何を思われるのだろう。
    (20110702)

  • 連作中編4編。ある特殊な能力を持った高校生男子を根っことして、そこにつながる四人の心温まる再生物語。読後感の良さは秀逸。「連作中編4編」と言う形式は前作「月のうた」と同様で、なにかこだわりでもあるのでしょうか。

  • 二回目読了。
    やっぱりおもしろい。
    ああおもしろい。
    量子論すごい。
    広海かっこいい。

  • 表と裏、見えるものと見えないもの。
    光と影、そして、生と死
    それは、別々のもんじゃなく、相容れないもが歩み寄って
    ひとつの世界を作っている・・・・
    か。

    きれいな表紙につられて借りた一冊だけど
    とってもいいものに出会えた。

    ***

    読んだあとに、この表紙を見るとね。
    「あぁ~!!!、そっかぁ~~!これか~~!」
    って、発見。さらに、感動。

  • とても良い作品です!
    扱っている題材は重いのに、周りの人々の優しさが本当に温かくて、読んでいて、心が洗われる感じがしました。
    物理を選択しなかったので、物理はちんぷんかんぷんなのですが、「アポトーシス」など、とても興味深かったです。物理を勉強したくなりました。
    広海くんは格好良いですし、サチはとても綺麗です。
    自分で気づかないうちに誰かの力になれる人たちです。
    私もこんな人になりたいなと思いました。

  • かなりよい。

    まだ気持ちがまとまらないけれど、読むことで清められて行く感じがする。
    安易に「癒し」なんて言葉で汚されてしまいたくない、そんな一冊だ。
    科学か宗教か。
    アプローチの方法はどっちでもいい。
    ただ人々は自分の中の落とし所を見つける方法を探しあぐねているだけなのだ。

    ああ、また夜が明けてしまった。
    そう悔やむ主人公の焦りがとてもよく判る。

  • 第2回ポプラ社小説大賞、優秀賞受賞後の第1作!母親から虐待を受けていた高校生のサチ、就職活動がうまくいかずスーパーで働く俊二、パニック障害を抱える知代、妻とうまくいかず医師としての将来にも悩む長谷川…自分のことを肯定できずに思い悩む4人が再び歩き始めるまで。科学用語や仏教説話を織り込みながら、止まった時間が再び動き始め、4人が自分自身を受け入れ道を開いていく様をつづった連作短篇集。

  • たぶん、穂高 明さんの本は初めて読んだのですが、結構好きかもなぁという感じでした。個人的には途中の病気の説明とかはちょっといらないかなぁと思いますが。他にどんな本を書かれているのか気になります。

  • 広海君が河を渡りたくなっちゃったひとを、つれて帰るお話。あったかいです。

  • 2008年12月16日購入

    個人的には非常に注目している作家さんである。
    今回も非常に面白い。

    興味の方向性が似ているからだろうか?
    自殺をテーマにしつつ透明感のある物語をつづっていて
    しかもあの世というテーマが出てくるのに
    それほど不自然な感じがしないのはすごいことだと思う。

    物理学や科学の説明がちょこちょこ出てくるのだけれど
    現実とリンクさせて説明しているので
    非常にわかりやすい。

    伊坂幸太郎のようにカメラが切り替わるのではなく
    独白の主体そのものが切り替わるのだが
    これが書けるのはやはり作家の力量だと思う。

    小沼丹のように「いかに書かないか」みたいな方に行くと
    話に深みが出てくるのかなあとは思うが
    どちらにしろ今後も非常に楽しみである。

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かなりやの作品紹介

科学用語や仏教説話を織り込みながら、止まった時間が再び動き始めるまでを綴った連作短篇集。

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