子どもに本を買ってあげる前に読む本

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 208
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591107188

感想・レビュー・書評

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  • 確かに本も流行り廃りがあるよね。私たちがいいと思ったものも今の子どもたちにとってはもはや古典なのか。いろんなジャンルの今昔に触れることができました。

    余談ですが、これ読んですごくドラゴンボール読みたくなりました。

  • 音楽や映画は、流行り廃りがあるのは常識。しかし、絵本や児童書の名作は、常に子どもたちが喜ぶと思い込んでいる。これをバッサバッサと切り捨てる。いやー痛快。

    空想系とリアル系、文字のデザイン、SFの歴史的役割、マンガの威力。これからの図書館、出版文化を考えるにあたって、大事な視点をゲットしました。

  • 相変わらず品のないかん子節(笑)。
    児童文学を無理強いするオバサマ方を痛烈批判するも、他人のふりみて我がふり直せ…とは思えないんだろうな(^^;;
    ゴリ押しの持論はご立派ですが、根拠に乏しく思い込みで突っ走ってる感しかないかも。
    富安陽子さんなんて、児童読み物の代表作家さんだと思うけど、完璧に無視&スルーですもん。
    主観的判断は参考程度に読ませて頂きました。

  • 自分が子どもの頃に楽しんだ本が、今の子どもたちにもささるかというと、やっぱり違うんだろうな。時代に合わせて、子どもたちが受け入れやすい本をアップデートしていくことも大事なんだと思いました。

  • 2022.11.20市立図書館
    図書館の本棚をなんとなくながめていて目についたタイトル。子どもに本をすすめる前に大人が知っておいたほうがいいことがまとまっている。本の探偵赤木かん子さんの本ということから内容はなんとなく想像がつくけれどとりあえず借りて読む。

    おしゃべりスタイルなのでどんどん読める(飛躍や省略を脳内で補って読まなければならない箇所も少なからずあるけれど…あと句点のつけかたが独特で、ちょっと校正が甘い気もする)。
    本=物語(フィクション)という思い込みの罪(空想系vsリアル系)、本の語彙(道具立て)や翻訳(文体)、挿絵や判型にも賞味期限があるんだというあたりは著者のかねてからの持論(絵本がわりと長持ちなのは、こどもはフォントや字組をみないで絵だけながめるものだからかな)。
    同じ「ファンタジー」でも、ゲド戦記で育った旧世代、十二国記のYA(過渡期)世代、ハリポタ世代、さらに新しい世代に分かれていて、別の世代の本はなかなか読めないものだ(特に出版がデジタル化してからこっち、版組の古いものを読めというのは難しい)という見立てになるほどと思った。1998,9年あたりに森絵都のようなYA文学がそれまでのコロボックルシリーズやズッコケ三人組シリーズにとってかわり、ハリー・ポッター誕生からの怒涛のYA&ファンタジーブームはこの本の出た2008年に終わって、この年の小6と中1には文化プレートの切れ目があるようだと言っている。

    ちなみに長女はこのとき6歳、そのあと小学生でハリポタに見事にハマったが、ナルニアやエンデなどは見向きもしなかった。いわれてみれば、長女はめちゃくちゃ本好きだけれど私のおすすめの岩波少年文庫や翻訳作品はあんまりよんでもらえず、それはフォントとか字組が好みではなかったからと言っていたなあと思い出した。そして児童文庫は早々と卒業して一般向けの角川文庫(フォントや字組が好みと言ってた)なんかをばんばん読み始めたっけ。

    わたしはデジタル化前だったから、親がこどものときに読んだふるーい本(講談社少年少女世界文学全集とか伝記全集とか)もどんどん読めたけど、それは運がよかっただけというわけだろう。高校生以降に遅まきながら岩波少年文庫やゲド戦記を読破していて、氷室冴子はなんとかであったけど川原泉や佐々木倫子に出会いそびれたまま大人になってしまったという、同世代の中でも旧文化どっぷりの人だと思う。新し目のファンタジー(十二国記やハリポタ)にはなぜか入り込めず、でも今になってSFにはまったりしている。

    ただ、「ファンタジー」の内実の時代による変遷は確かに一理あるが、それだけではない気もする。
    他にも、そこまで言い切っちゃっていいのか、ちょっと眉唾かなと思ってしまう箇所も無くはないけど、なにしろ新旧のあらゆる読みものからマンガまで手広く読んでいてそういう作品が登場した時代背景やその作品世界の意味をわかりやすく解説できるのはすごい。「ドラゴンボール」(←タイトルしか知らない)のあらすじとすごさをまとめたコラムには脱帽。司書というからには自分の好き嫌い抜きでなんでも知ってないといけないのだなと今更ながら舌を巻く。2008年以降をどういうふうに見ているのか、続きが読める本もあったら読みたい。
    2008年時点で書き手不足だった低学年中学年向きはけっきょくゾロリが一頭地を抜いた状態のまま、あとにおしり探偵などが続いた感じかな?
    学校図書館に関しては、すくなくとも当地では、片手間の司書教諭ではなくちゃんと専任の司書さんが配置されるようになってずいぶんよくなったけど。

  • なぜ、昔の本は読みにくいのか。そう子供の頃から思っていたら疑問が、すんっときた本。
    昔の本は、今の時代に合っていない。想像しにくい。そして、文体も古くなる。フォントも古くなる。だから、読みにくい。なるほど!
    そして、この本も2008年発行だから、だんだん、昔の本になっていってるのかも。
    子供が面白いと思える本に出会って欲しいと思います。

  • 口語体で非常に読みやすい一冊。
    児童書の歴史や作者流の本の分類、子ども達の嗜好の変化等着眼点が面白く、2024年現在も楽しく読めた。
    特にゲド戦記VSハリポタ論には納得。
    リアル系がハマる空想系の本ーーー乱歩、ズッコケ、パスワードは物の見事に自分もハマった過去を思い出した。

    昔の本の書体や口語体、時代背景によって読めなくなるものがある、というのは身に染みてわかる…。自分自身も億劫になったことがあるからだ。
    また、冒頭で作者が述べていた通り、本は人に勧められたり読めと言われたものほど嫌煙されるものである。結局のところ、自分が興味を持って手に取らないと頭に入ってこないのだから読む意味が無い。その上で、将来子どもに本を読んで欲しいと思うなら本を読みたいと思う環境を作る他ないのだろう。

  • 本といっても、奥が深いな〜と感じました。
    なんとなくこういうのが好き、とあるが体系立てて考えたことはなかった。
    好きだった本も子どもには古くなって読まなくなるのか、、、と思うと寂しい
    子どもがハマる本を一緒に読んで、感想を言い合いたいです◎


    ・リアル系
    ・空想系

    中学図書館の別置分類
    ・生き方
    ・危機管理
    ・YA
    ・ティーンズ文庫
    ・ファンタジー
    ・SF
    ・時代小説
    ・少女小説
    ・ホラー
    ・ミステリー

  • 今でも子ども対象の本を読むけれど、漠然と、なんか変わってきたような…と思っていた。やっぱりそうなのね。
    それから「ドラゴンボール」読んでみたくなった。

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著者プロフィール

松本生まれ、千葉育ち。
法政大学英文科卒。
1984年、“本の探偵”でデビュー。
現在は、子どもの本や文化の紹介、ミステリの紹介・書評に活躍中。
好きなものは、温泉と民族伝統芸能と美味しいゴハン。
著書
『こちら本の探偵です』(径書房)
『子どもの本とごちそうの話』(径書房)
『魔女のよせなべ』(径書房)
『かんこのミニミニヤング・アダルト入門1・2』(リブリオ出版)
『この本読んだ?おぼえてる?』(フェリシモ出版)
など

「1988年 『魔女のよせなべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

赤木かん子の作品

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