翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった (ポプラ文庫)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591108383

感想・レビュー・書評

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  • 翻訳家というのは「立場なき人々」である、と書いてはいるけれど、「もっと評価されるべきだ!」と憤慨などはしない。「まあ仕方ない」と言うような飄々とした金原さんの人柄が伝わってきた。
    ここまでたくさんの訳書を出しているのだから、お高くとまっていてもおかしくないのに、「教え子たちのほうが自分より翻訳はうまい」とあっさり書いてしまう感じに驚いた。
    金原さんの文学に対する好奇心とか、知識の深さに触れて、自分などが本好きとか翻訳家志望を名乗って良いのかと自信を失いそうにもなるが、金原さんなら無駄に悩んだりせず、「私は大して本が好きなわけではないのかもしれない」とかあっさり書いてしまいそうだなあ、とも思う。

  • 頂きもの。

    通訳や翻訳をしている人のエッセイは
    わりと好きなんだけど、彼の文章はなかでもとても
    読みやすくておもしろい。

  • 金原ひとみが好きなあまり、実父のエッセイにまで手を出しました。笑
    金原さんの訳は、ティモレオンをはじめすごいと思ってたんですが、まさかエッセイ書かはるとは!

    面白かったです。翻訳家って結構大変な割に儲からないんですね;
    金原さんの寛容さがとても良く伝わりました。ただ寛容なだけじゃなくて、自分の意見も持ってらっしゃるのが素敵だと思いました。
    読んでてふっと笑っちゃうようなゆるい翻訳家の日々。

  • 柴田元幸もそうなんだけれど、どうじて翻訳家って謙虚な人が多いんだろう? 金原氏もご多分にもれず謙虚。
    自我が表に出ると、仕事に支障をきたしてしまうせいだろうか?

  • 考えてみたら、金原瑞人さんの訳されたものって読んだことがないかも。ヤングアダルトやファンタジー、エスニックはほとんど読まないので・・・・・・。翻訳の作業、リーディングなど付随する仕事、お金のことなどかなり具体的に書かれているので翻訳業に興味のある人にはいいかも。まあ、オーソドックスといえばそうで、個人的には印象が薄いというか、ちょっと退屈だったかなというか(失礼)。大学で教えてらっしゃる「創作ゼミ」の、教え子で作家になった方たちとの鼎談は、なぜだかおもしろかった。あと、大学の研究のための休暇を使って、アメリカなどをまわった話が少し出てくるのだけれど、この話をもっとたくさんききたい!と思った。そのテーマで本を書いてくれたらいいのに。

著者プロフィール

1954年生まれ。翻訳家、法政大学社会学部教授。フィクション、ノンフィクション、児童書など、多ジャンルにわたって翻訳を手がけ、特に海外のYA(ヤングアダルト)作品を精力的に翻訳し、日本に紹介。訳書は550点以上。主な訳書に『武器よさらば』(ヘミングウェイ)、『青空のむこう』(シアラー)、『月と六ペンス』(モーム)、『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』(サリンジャー)、『リズムがみえる』(アイガス)など。エッセイ集に『サリンジャーに、マティーニを教わった』『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』など。日本の古典の翻案に『雨月物語』『仮名手本忠臣蔵』『怪談牡丹灯籠』など。ブックガイドに、『10代のためのYAブックガイド150!』、『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』、『翻訳者による海外文学ブックガイドBOOKMARK』など。

「2020年 『ゴーストダンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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