喋々喃々

著者 :
  • ポプラ社
3.61
  • (233)
  • (402)
  • (432)
  • (93)
  • (24)
本棚登録 : 2546
感想 : 533
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591108406

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み


  • 私の心を支えて導いてくれる大切な本。

    心の内側でもやもや悩んで、素直になれない、上手く話せないことが多いけれど、

    これを少し読むと、スっと、軽くなって、栞のように落ち着いて過ごせるように、話せるようになる。

    はんなりと、落ち着いて、こんな風に人と関われるようになれるように、していきたい。

  • とても心を揺さぶられたので最高得点で。
    人を好きになる過程が、丁寧に染み渡るように描かれていて、グッと惹き込まれました。家族の有り様から、日陰の恋?へのハードルの低さもそうかもねと思えます。
    裏切りへの憎しみ、執着などどす黒い感情を持たない主人公なのは、いいような綺麗事すぎるような。
    残念なラスト、やっぱり男ってダメだね、で終わります。

  • 言葉が綺麗
    1月〜12月と順々に進んでいく
    純愛っぽけど実は不倫の話
    でもそれを感じさせない綺麗(?)な恋愛

    最後は2人でカメをする
    ほっこりなお話だった

    おせち料理や和食のお惣菜
    出てくる料理の描写がどれも美味しそう!!!
    食べたくなった!!!!!!
    着物について細かく書いてあるのも凄く好き

    サラッと1日で読めた

  • この物語、好きです。雰囲気とか。この物語を読んで歳時記のこととか興味を持つようになりました。わたしもこのような生活をしたいなぁと思いました。

  • 裏表紙にタイトルの意味があり、男女がうちとけて小声で楽しげに語り合う様子とある。タイトルがとても似合うお話でした。感情のごたごたはあえて書かず、けれど悲しい心情がよくわかり、途中涙。 いわゆる不倫関係だけど、そのドロドロした感じは出さず、谷中の風情と似合う素敵な恋人たちでした。

  • ちょうちょうなんなん(喋々喃々)=男女が楽しげに小声で語り合うさま

    谷中でアンティーク着物店を営む栞。
    四季を感じながら人との関わりがあり、素朴な生活だけれど
    自分らしさがあって素敵でした。恋愛もあり、不倫だけど
    なんだか幸せに一緒に生きていけるのが幸せと実感しています。

    都合のいい女なのかもしれないけれど、その人らしくて
    こんなのもいいな~と思わせるような感じがしました。

  • アンティーク着物店を営む
    栞の日々の生活、恋愛事情について
    なんとも素敵に書かれている感じ。

    きっと、著者の小川さんて、
    おされでセンスがよくて、
    素敵な人なんだろうなーと感じます。

    アンティーク着物は素敵だし、
    和風な暮らしにも憧れるし、
    丁寧に暮らす感じの栞に
    憧れますが、実際問題、
    やっぱり私には無理な話だなって
    でも、素敵やなーって。


    ただ春一郎さんとの恋愛は
    苦しくて、切ないです。
    悩む栞の姿が痛々しい。


    30代女子の小説って感じだな。
    あたしは、「食堂かたつむり」より
    こちらが好きだなー。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「食堂かたつむり」より」
      そうなんだ、結構「食堂かたつむり」は気に入ってるので、これも読んでみよう。。。
      「アンティーク着物店」
      って、目...
      「「食堂かたつむり」より」
      そうなんだ、結構「食堂かたつむり」は気に入ってるので、これも読んでみよう。。。
      「アンティーク着物店」
      って、目利きじゃないと、殆ど勤まらない商売だろうなぁ~でも着物に限らず、アンティーク物に囲まれたら、それだけで幸せに浸りそう。
      2012/10/29
  •  本を読むのはお風呂と寝る前に決めているのだが、どうしても続きが読みたくなってしまって、ついつい寸暇を探しては読んでしまったという貴重な一冊だ。 最初から最後まで、こんなに楽しめた小説ははじめてだ。
     
     アンティークの着物の店を谷中で営んでいる栞は、日々の小さな生活を大事に愛おしむかのように過ごしている。着物に携わる者ならではの、季節に対する敏感さとでもいおうか。私にはまったくないことであるがゆえに、その細やかな感性に感嘆せずにはいられない。
     そんな栞が春一郎さんという一人の男性と出会ってしまった。そして、その春一郎さんもやはり季節の趣を大事にする人である。読んでいてじれったいくらいに行事ごとにせいをだし、ふたりでおいしい季節のものを食べることにせいをだし・・・それでも確実に二人の間にはほのぼのとした愛が育まれていく。
     だが、春一郎さんの薬指には・・・・。

     学生時代をともに過ごした雪道くん。もう余生が長くはないけれど、栞を粋なデートに誘ってくれるご近所さん。
     それぞれが栞に対して、心温まるものをさずけてくれる。

     読みながら、スローだけれど、いいなあ。私にはできないけれど、いいなあ。。とにかく、なんだかいいなあと思わずにはいられない。

    ひとつ心にひっかかったことがある。ご近所のご近居さんが栞の相手の話を聞いて言ったことだ。「だれでも一度は間違いをおこすことがある。」
    結婚だって間違うかもしれない。だけど、なんども不倫を繰り返すというのは、なんだ、フォークダンスと同じだというのだ。相手をとっかえひっかえするのが普通になってしまう。そういうのはだめだ。
     なるほどねぇ。。。。で、春一郎さんは絶対にそんな人じゃないらしいが、その点については少々疑いを捨てきれない私である。
     でもまあ、それに気づかないのも、ある時気づくのも人生かもしれないなどと思うようになったこの頃である。

  • いやはや、とても良かった。とても泣いた。
    小川さんの書く文章や、心情は、すごくストンと私の中で落ち着く。
    似ているのかもしれない。

    花や、神社や、食べ物の話題が多いのも嬉しい。
    ちょうど、クチナシの花の匂いを栞と同じように昨日感じたばかりだった。

    “人を好きになるとすべてが反転してしまうことを思い出した。
    永遠と感じていた景色が儚く、幸福だと思っていたことが切なくて物悲しくなる。
    世界中のありとあらゆるものが裏返って、すっかり入れ替わってしまったようだった。”

    • 円軌道の外さん

      コメントありがとうございます(^O^)

      返事書いてます!
      それにしても
      マジでご近所さんみたいで
      ちょっと嬉しいです(笑)...

      コメントありがとうございます(^O^)

      返事書いてます!
      それにしても
      マジでご近所さんみたいで
      ちょっと嬉しいです(笑)


      小川糸さんは
      『食堂かたつむり』しか
      読んだことないけど、
      体にじっくり染み込むスープのような
      あたたかな感触を持ってますよね。


      人を好きになると…っていう文章
      スゴく共感しました。

      いつも見慣れた景色が
      なぜか違って見えてくるし、

      なんとなく
      人に優しくなれたり、

      何気なく過ごしていた時間の大切さに気づいて
      なんか泣きたくなったり。


      人を好きになるということは
      スゴくいろんなことを教えてくれるし、
      本当は恋することでしか
      人は成長できないのかな〜って
      思ったりもします。

      この本探してみますね(^_^)


      2012/06/19
  • 不倫は肯定しないが心に染みる不倫とでもいうのか…辛い事も柔らかな文面で包んでいる。正当な恋ではないが応援したくなる。
    食べ物の表現が美味しそうです。

著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川糸の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×