花の道は嵐の道: タマの猫又相談所 (TEENS’ENTERTAINMENT 7)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591109014

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに、児童書を読みました。(肉球マークに誘われて♪)
    20年長生きして、猫又となったタマ。
    花道家元である草薙家に住んでいる。
    (飼われているのではなく、自分の意志で住んでいるらしい。自らを食客と称す)
    家元の孫息子・理生。
    唯一、タマが猫又であることを知っている、泣き虫で気弱な高1男子。

    学校で問題が起こるたび、タマ~~と泣きつく理生。
    まるでドラえもんと、のび太くんみたい。
    タマはぶつぶつ文句を言いつつも、
    これも年長者の務めだからな、と一肌脱いでやる。
    (実はイワシとまたたびパウダーにつられて)

    ”おれさま”を気取っていても、
    意外と人の、もとい猫のいいタマがたまらない!
    素直で純真な理生もかわいい!

    天野頌子さん『陰陽屋』シリーズの作家さんなんですよね。
    瞬太きつねくん、大好きです♪

    町内の猫たちに、誰より尊敬されていたはずのタマが、
    最後に、情けな~い猫又じいちゃんにされてしまったのが、あわれこの上ない。(笑)
    続編では、タマの名誉回復をぜひ!

  • 知らない流派だったので、お花の型の話は興味深かったです。ありえなさそうな状況に一生懸命な高校生の姿が面白かった。タマさんの信頼の回復を祈ります(笑)。

  • 【あらすじ】
    うちの理生ときたら、高校生になったというのに、泣き虫で弱気で困ったもんだ。成り行きではいることになった花道部は、常識破りの貧乏部。おまけに学院制覇をねらう茶道部に、活動場所の和室をのっとられそうだという。「助けて、タマ~!」…やれやれ、おれがなんとかしてやるか。

    【感想】

  •  主人公の理生が入らされた花道部は、花が買えない貧乏部。ライバルの茶道部に和室を乗っ取られそうになり…。理生と言葉を話す猫又のタマの活躍が描かれている。
    (カウンター担当/アメリ)平成29年4月の特集「春*花咲く…」

  •  華道がただのアイテムになっているけどいいのか!?
     そして、そういえば華道って消えゆく一瞬の芸術、むしろ現代アートに近いのかもしれないなーと思う。
     個人的には古典的な華道も好きです。
     華を生けるのは格闘技だけどね!
     うん、そうなのだ。華道単体でそれなりに面白いネタがあるのに、変わった素材とか奇をてらったもののほうに視線が向いているからもったいないなぁと。茶道もねw

  • ジュニアノベルスかなあ。
    気楽にほわほわ読めます。
    おばさんとしては、それぞれのキャラがもう少しはっきりしてたら良かったかな。理生の今後がちょっと気になる。
    それにしても、コンクールの出すお花の花材ぐらい自分で選びなさいよね(笑)

  • ―和室を制する者は、学院を制す。

    貧乏花道部の存続をかけて、
    茶道部の圧力を押し返そうと猫又タマに力をかりて
    奔走するお話。クセが無く、読みやすい文体です。

    おっとり気質な部長。
    人語の会話ができる猫又のタマ。
    ・・・など、キャラクターは面白いです。

    ただ、「和室を制する~」の部分が煽った分だけ
    盛り上がりに欠けてしまった印象。

  • 華道部が舞台のドタバタコメディみたいな感じかな。猫又のタマと泣き虫な男の子がメインで出てきますが、猫又である必要はあったんだろうか。

  • 装丁装画は猫好きには好ましいものなんだけどお話にもう少しパンチがほしい気ガス

  • “一通り仔猫たちの質問に答えると、おれたちは裏のキャベツ畑に移動した。卵を産みにきたモンシロチョウが三頭ばかり、ひらりひらりととんでいる。仔猫たちは大はしゃぎで、蝶を追いかけまわしはじめた。
    おれがのんびりと横になって仔猫たちを見物していると、黒兵衛がやってきて腰をおろした。
    「例の、鈴木邸にもぐりこんだ白猫から報告がありました。ようやく外猫から飼い猫に昇格、花蓮の部屋にも出入り自由になったそうです」
    「ほう」
    「身辺調査は着々とすすめておりますので、報告まで。もうしばらくお時間をいただきたいとのことでした。申し訳ありません」
    「こっちこそ手間をかけさせてすまないな……おっと」
    目の前に飛んできた蝶に、つい、手がのびてしまう。
    「おれもまだまだ子どもだな」
    苦笑いすると、後ろ足で耳の裏をかいた。”

    茶道部に抗う花道部の話。
    一応化け猫のタマ視点。
    あっさりと。

    “理生は数分にわたり、「えー、でも」「あー、どうしよう」と、ぶつぶつつぶやき続けた。愚痴る前に、自分でどうしたいのかくらい考えておけっていうんだ、まったく。
    おれは理生の肩から跳びおりると、さえない顔と畳の間にわりこみ、縦長の目でまっすぐ理生を見すえた。
    「で、答えは?」
    「やっぱり、僕、松田先生とおじいちゃんと花道部のみんなのためにも、工藤さんの作戦に協力したほうがいいような気がしてきた……。僕に何ができるかは別としてだけど。他人を言い訳にするなって、タマは怒る……?」
    「べつに」
    怒りはしないさ。呆れはするが。よくそんなにほかの人間に気を遣いながら生きていけるものだ。猫にはとうてい理解できないよ。だが善意で解釈してやると、そういう優しさが理生の長所であると言えないこともない。”

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著者プロフィール

らいとすたっふ小説塾をへて、2005年に『警視庁幽霊係』でデビュー。テレビドラマ化もされた『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』や、『タマの猫又相談所 花の道は嵐の道』など、数多くの人気シリーズを刊行している。

「2017年 『僕と死神の赤い罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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