きのうの神さま

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591109236

感想・レビュー・書評

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  • 映画監督でもある西川美和の小説短編集。
    じわじわと毒のようにしみ出てくる田舎の閉塞感が淡々と冷静な眼差しで描かれる。
    するりと頭に入ってきて読みやすいのだが、西川美和監督の映像作品に比べると全体的にはわりと凡庸な印象。

    ただ、作中で一番最初に入っている『1983年のほたる』という話だけは抜きんでて良かった。小説ならではの不思議で箱庭のような世界観が味わえる。

  • 自分は何者か、自分の核はどこか、というテーマのような気がした。
    僻地医療応援の間だけの自分がいたり、看護師を辞めてもその魂がずっと奥底にあったり、父親からいつの間にか卒業していたり。

  • ノミの愛情
    この本を中学生の頃、なんとなく図書館で借りてノミの愛情を読んだ
    大学生になった今も単行本を買い直して何度も何度も読み直すくらいこの短編が大好き

  • 盆バカンス初日。

    ってな事で、西川美和の『きのうの神さま』

    1983年のほたる
    ありの行列
    ノミの愛情
    ディア・ドクター
    満月の代弁者

    の5つの短編集。

    医療や命、人間の生死を絡めた内容かなw

    長生きしても病気や怪我で寝たきりみたいになるならいっその事ポックリ逝った方がええのかな?

    健康な長生きをしたいもんじゃね。

    2018年59冊目

  • 人間の命の余命について、考えさせる本でした。
    弟が3年前に心不全で突然亡くなり、2歳上の私の寿命は、後何年あるのか?と時々考えてしまいました。 人生100年と言われる時代ですが、残り少ない余命を医師のアドバイスを聞き健康的に生きて行きたいです。

  • 新聞のコラムを書いていらして、同郷の方だと知って探して読みました。本業の映像作品を見ていなくて申し訳ない。独特の視点と深さのある短編集でした。

  • 怪我人や病人が登場する短編が続いて、これはお医者さん系の話をまとめた短編集かと思ったら、僻地医療が題材の映画を作るために取材したエピソードが活かされてるとのこと。
    つまり、この本は映画『ディア・ドクター』の副産物なのか。すごいなあ。光合成のついでに酸素をつくる植物みたいにすごい。

    最初に載っていた短編、『1983年のほたる』についての感想を書いておく。
    小学六年生だった「わたし」は村からバスに乗って学習塾に通っていて、バスの運転手が自分の思い出話をしていたら自転車と接触事故を起こしてしまう話だった。
    バスの運転手のお姉さんが唐突に亡くなってしまったように、事故も突然起こる。よくないことはいつだって不意打ちだ。
    幸い、自転車に乗っていたシゲちゃんは無事で、その後「わたし」は伊球磨学園に合格する。学習塾で憧れていた人とも親しくなった。そして、話は唐突に終わる。
    その唐突さがよかった。

  • 映画「ディアドクター」の脚本執筆時に取材した内容を元に作られた短編のよう。

    映画にはならなかった話のようだが、どれが映画になってもおかしくないような心が動かされる日常が描かれていた。
    というか、いくつものこのような話が映画という一本の幹を作り上げているんじゃないだろうか?と思わされた。

    誰もが眼をそむけたくなるようなテーマを軽やかに、けれど現実分のしっかりとした重さも含んで描いているところが好き。

  • お医者様もそれぞれ。

  • 集中して読み込んでないせいか自分にはどうも伝わらず。逆に僻地医療ってこんなもんかと思ってしまった。

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著者プロフィール

1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。2002年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を受賞し、2006年『ゆれる』で毎日映画コンクール日本映画大賞など様々の国内映画賞を受賞。2009年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。2015年には小説『永い言い訳』で第28回山本周五郎賞候補、第153回直木賞候補。2016年に自身により映画化。

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