風待ちのひと

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著者 : 伊吹有喜
  • ポプラ社 (2009年6月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591110218

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風待ちのひとの感想・レビュー・書評

  • “心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。
    喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。癒えぬ悲しみを抱えたまま明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。


    冒頭の部分はすごく面白そうで期待しながら読み進んでいったのだけど、

    やっぱりケジメのない恋愛はモヤモヤして苦手だ。

    雰囲気的にはすごくよかったし
    大人の恋愛もいいな、と思えた。

    クラッシックやオペラなど、
    聞いてみようかな、と思えるくらい引き込まれてしまったのだけど、

    なんとなく手放して喜べないのは
    やっぱり不倫だから、か。

  • 初めて読んだ作家の本。

    内容はひと言でいうと、心の病から港町に避難してきた男性とそこに住む年配の女性との恋愛を描いた小説。
    恋愛小説が好きじゃないというのもあるけど、つまらなかった。
    序盤から何となく違和感を感じて途中から読むのが苦痛になって最後は流し読みをした。

    トラックドライバーの間で噂される「ペコちゃん」という女性。
    その年配女性を車に乗せた運転手は幸せになるという。
    主人公の男性は美鷲という港町にある亡き母の終の棲家へ向かう途中、その「ペコちゃん」を乗せて行く事になる。
    そして、行きがかり上、彼女に身の回りの世話をしてもらう事となる。
    やがて親しくなった二人はお互いの身の上話をし、友情から愛情へと二人の仲は変化していく。

    これは見ようによってはロマンチックで美しい話なんだと思う。
    特に男性にとってはそうじゃないかな・・・。
    私は最初から「気のいい女性」として登場する「ペコちゃん」という女性に違和感を感じたし、読めば読むほど嫌いになった。
    表面上は細かい事を気にしない、包容力のある優しい女性のように描かれていて、男性にとってはこういう女性はやすらげる存在なのかな・・・と思うけど、同性からすると計算みたいなものが見え隠れする。
    自分の事をいつも「オバサンだから」という口癖も見ていて嫌悪感を感じる。
    それもそういうのを無意識にやってる訳だからたち悪い。
    男性にしてもえらい感傷的で一家の長にしては無責任。
    少年じゃないんだから・・・と見ていて思った。

    主な登場人物がその二人で、ほとんどその二人の様子しか描かれてない作品なのに、どちらも好きじゃない訳だから読んでいても全く共感もできないし、感覚的にちょいちょいズレを感じた。
    男性の奥さんはすごくキツい人でイヤな女と描かれているけど、突然訪れた夫のいる場所に見知らぬ女がいて、しかも二人がベッドで抱き合ってるとなると、相手女性に優しい態度なんてとれないのは普通の事だろと思う。
    しかも夫は言い訳するでなく、しれっとして・・・。
    何だ、コイツとなった。

    えらく感傷的で美しい話に描かれているけど、そういうのから私には読んでいて気分悪い話だった。

  • 夏の風景が思い浮かぶ作品
    再生の物語

    舜くんが喜美子を見送るシーンが秀逸
    マダムの言葉も薀蓄があって深い

    なんといっても美鷲の家がステキ
    あんな風に晩年を過ごせたらいいな

    ラストはちゃんとハッピーエンドでよかった

  • エリート社会をまっしぐらだった男が、母の遺品を整理するために和歌山の海辺の町にやってきます。
    母親が終の住処として建てた岬の家。
    そして、そこで出会ったペコちゃん。
    二人は徐々に距離を縮めていきますが……。

    オペラには疎いのですが、雰囲気で曲が流れて来る気がします。

    走りっぱなしだった日々に、ふと立ち止まってみたくなる時、
    この先の自分に自身をなくした時…、
    寄り添ってくれる人がいる有り難さを感じます。

  • ホテルでの避難中に読んだ『風待ちのひと』

    伊吹有喜さんのデビュー作で第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作です。
    伊吹さんの作品を読んだのは初めてですが、伊吹さんはドラマで見た『四十九日のレシピ』の原作者と知って気になっていた作家さん。

    『風待ちのひと』は心の風邪を引いた主人公が生きる喜びをみつける大人の恋愛小説ですが
    とっても心が和んで、あったかくなれる小説でした。


    自分ではどうしようもないときやどうすることもできないことって誰にでもあること。
    頑張れって言うことはとても簡単でとても残酷。
    頑張らなくてもいいときだってあるよ。
    そうは思うけど、頑張らないでいいときって、何を思い、何をしてたらいいのだろう…。
    時々、不安になって焦る気持ちが生まれたり…。

    タイの洪水で気持ちのやり場がなかったときにこの本を読みました。

    この本を読んでいると、頑張らないでいいとき、それは「風を待ってるとき」なのかも…って。
    だから今は何かを考えなければ、何かをしなければと焦ることもなく、ただ風が吹くのを待っているだけで
    それだけでいいのかも…
    そんなふうに思うとすぅ~っと心が軽くなりました。
    そうしたら勇気が湧いてきました。
    もう少ししたら風が吹いてくる。その風にのってみたらいいかも。今はその時を待ってみよう。
    そんな気持ちになれる素敵な本でした。

  • 心に傷を持った中年二人の一夏。お互いに関わり合う内に心が癒されていく。
    既にひと人生たっぷり歩んできた二人だが、けりをつける。
    熟年の二人の恋は焦ったくもあるが微笑ましくもある。

  • ”心の風邪”で休職中の男と、家族を亡くした
    傷を抱える女。海辺の町で、ふたりは出会った…。
    人の心が解け合っていく過程を丁寧に、
    じんわりと描いた、心にさわやかな風が
    吹きぬける、愛と再生の物語。

  • 読み終わってしみじみとした気持ちになった。
    疲れたときはゆっくりしよう。
    好きな人に会って一緒に好きなもの食べよう。
    行きたいところに行こう。
    そしたらまた次がんばれそう。

  • 仕事や妻の浮気で心の風邪をひいた主人公が休職し、三重県の海沿いにある亡き母の故郷へ。ある女性に夜の海で溺れているところを助けてもらい、食事から母の空家の片付けまで面倒になり、次第に心を癒していく。そしてその女性から「生きる喜び」を教えてもらった主人公は。。。これは大人のファンタジー。妻子ある身で等、細かい箇所にケチを付けては身も蓋もないだろう。

  • ハッピーエンドになりますように、そう祈りながら読んだ。
    読み終えて、思わずモーツアルトのピアノ協奏曲を聞きたくなった。
    そして岬の家。どんなにすばらしい家なんだろう。想像するだけで、心に気持ちの良い風が吹く感じがする。

  •  この本を読み始めてすぐに、心の中に心地よい風が吹きわたりました。
    残念ながら途中で風は止んでしまいましたが、エピローグを読んで、さらに爽やかな風が心を満たしましたo(^∀^*)o
     「海沿いの町」という紙を掲げて、ヒッチハイクしている中年女がいたら、必ず乗せて丁重に扱え。不二家のペコちゃんに似たその女は腕利きの美容師で、乗せるとその礼にかならず髪を切ってくれる。
    そうして男ぶりが上がったドライバーには決まって福が舞い込むらしい。
     そんな素敵な噂を持つ、ペコちゃんこと福井喜美子と、東京から母の亡くなった家の片づけに来た、須賀哲司は知り合う。
     うっとうしがる須賀には構わず、家の中に入り込み、どんどん彼の心の中にも入っていくペコちゃん。
    片意地を張って、心に風邪をひいていた須賀の心を溶かしていく、美鷲の人々。
     途中須賀の奥さん等の障害はあるけど、最後のハッピーエンドが良かった。

  •  いい話でした。
     ただ、あそこまで頑なな人が意外とあっさり心開いたなと。きみちゃんが下品なのか上品なのか。話がうまくいきすぎかなと。ちょっと気になります。

  • トラックドライバーの間でこんな噂がある
    『海沿いの町』という紙を掲げた中年女がヒッチハイクをしていたら、
    必ず乗せて丁重に扱え。
    不二家のペコちゃんに似たその女は腕利きの理容師で、乗せると
    そのお礼に必ずドライブインで髪を切ってくれる。
    そうして男ぶりが上がったドライバーにはその後、
    決まって多くの福が舞い込むらしい。

    母を亡くし、妻の不倫を知り、仕事にも行き詰まっていた
    39歳のエリートサラリーマン須賀哲司
    〝心の風邪〟で、休職中
    亡くなった母の家の整理と療養を兼ねて美しい港町美鷲へやって来た。
    そして、ペコちゃんこと福井貴美子と偶然知り合い
    母親の遺品の整理を手伝ってもらう事に…。
    疲れ果てていた哲司は、貴美子の優しさや町の人達の温かさに
    触れるにつれ、自助に心を癒していく。
    少しずつ距離を縮め、次第に二人は惹かれあうが
    哲司には東京に残して来た妻子がいた---。


    貴美子は、地味で自分をオバチャンと言いお喋りで軽い下ネタを言う
    全てに疲れていた哲司にお節介をやく…。
    放っておいてくれ、自分に関わらないでくれ、うるさい…。
    哲司が最初貴美子を鬱陶しく思う気持ちは凄く良くわかりました。
    私も、開けっぴろげで、ずうずうしい正真正銘のオバサンだと思ってた。
    でも、貴美子がお節介なくらい哲司にかまったのには理由があった。
    貴美子自身が癒せない辛い思いを抱えていた。
    だから、哲司の危うさに気付き、温かさで包み込む。
    自分を『知ったかぶったか』と、悲しげに言い
    何度も言ってた『すまんねえ』
    その言葉の裏に隠された貴美子の傷を知ると…たまらなくなりました。
    全然『知ったかぶったか』で、ないのに…。
    癒えぬ悲しみを抱えたまま、明るく振る舞う貴美子だったけど
    哲司と接する事で、次第に自分の思いや諦めていた事に気付いていく。
    二人は結ばれるって思ったのに…
    世界が違うと離れてしまった
    でも、最後は大どでん返しのハッピーエンド(〃'▽'〃)

    人と人との心が解け合っていく過程を丁寧にじんわりと描いていて
    読んでいるこちらの心も優しい気持ちになっている。
    やり直せない人生なんてないんだなぁ。
    素敵な笑顔を持つ貴美子が最高に魅力的
    美しい港町の街並みや風を感じられました。
    美味しそうな料理も…。
    クラッシックに詳しかったらもっと楽しめたのかも…。

    素敵な言葉も沢山
    ・踏み外したんじゃないよ。風待ち中
    良い風が吹くまで港で待機しているだけ
    ・心のバランスが崩れるなんて…モヤシだな。
    モヤシでも雑草でもバラでも、へたれるときはへたれるよ

  • 仕事に疲れ、家族に疲れて心を病んだ哲司は、亡き母が最後に過ごした場所で、同じ年の喜美子と出会う。いつも明るく振る舞う喜美子には、家族を失ったという過去があった。

    暖かく、優しいお話。
    以前手にした「四十九日のレシピ」とは違い、大人の恋愛模様も含まれていて、しっとりとした素敵な本でした。
    美鷲の岬の家や、景色が目に浮かぶようで、読み終わるのがもったいないような気持ちになりながら読み進めていた気がします。

    著者の本は2冊目。
    他のものも、是非読んでみたいと思っています。

  • 「ねえ、あなた。あの人にも何かごあいさつを贈っておいたほうがいいかしら。何が良い?レトルトのカレーとかどう。一人ならそういうの便利でしょう」
    「おれはやっぱり‥‥君とはもう暮らせないよ」
    人の別れはこんなことがきっかけだと思う。
    哲司が矢の花峠から喜美子の店に向かうところで二人は寄せ付けられるように出会う。この奇跡がなかったら再び寄り添うことはなかったろう。神様はいるかもって思う瞬間だ。出会いも別れもちょっとしたことから始まる気がする。まるで小学生のような夏を過ごした二人を「その次の季節も一緒にいさせてあげて」と願うように読んだ。気が付いたらマダムたちのように二人を応援してた。

  • またしても一気読みした。全く違う生育環境の二人が心を通じ合わせて行く物語だが、人物造形の端々にリアリティがあって感心する。小説家の観察力ってやっぱり凄い。登場人物に良識があるので安心して読める。

  • 最後がちょっとドタバタした感じがあったが、後悔しない生き方を選べてよかった。

    こうしたら良かった、って2人とももう思わないで生きて行かれそう。

    周りの人が皆魅力的だった。そして毛の話は、笑えた。

    幸せな気持ちになれる話。

  • なんて素敵な物語を紡ぐ方だ。ハッピーな気持ちになれる。

  • 「ペコちゃん」とか服装、話し方からは、とても39歳のイメージが感じられず、キャラクターの魅力が薄い気がします。

  • 悪かないけど良くもない。設定もキャラも奇を衒うわけではなく、いくぶん凡庸過ぎるかな。ひと歳取った大人のひと夏の出会い。もっとも、そこは大人だから単にひと夏では投げ出さずにけじめはつけるけど。最後までちっぽけなやきもきと、ちっぽけな安堵で終わってしまった。「海の闇には純度があり、山の闇には濃度がある」このフレーズは気に入った。

  • 2014.7.12
    この間読んだ四十九日のレシピより、良かった。
    この作家の本は、気持ちよく読める。他も読んでみたい。

  • 映画「そして父になる」ではエンディングにグールドのゴルトベルクが使われていたが、この本においてもグールドは結構重要な役割を果たす。続け様に鑑賞した作品が意図せずして繋がると、ちょっと嬉しかったり。


    心に風邪をひきかけている男と、かつてひいていた女が出会い、音楽を通して心を通い合わせ、惹かれていくーーとまとめてしまうとロマンティックだが、もっとリアルで情けなくて、痛々しい2人だ。ゆったりと流れゆく時間は、時に苦しくとも心地よい。
    それでも、2人がこのまま結ばれるのは微妙だなぁと何となく思っていた。理香の言うことにはそれなりに、もっともな部分もある。
    しかし紆余曲折を経て、ようやく迎えた結末にはほっとした。どうぞお幸せに。

    ペコちゃん伝説は何だったんだろうと、ちょっと思わないでもないですが;

  • この人の作品は、期待している方向に結末を持って行ってくれるので本当に読んでいて幸せな気持ちになる。四十九日のレシピといい、この作品といい、温かい優しい気持ちにさせてくれる読後感。プロローグとエピローグも小気味良い。

  • 話としては、アラフォー男女のラブストーリーなんだけど、基本、ラブストーリーメインの話にはあまり惹かれないんだけど、これは良かったです。分かりやすく傷ついてる男と、つらい過去がありながら今は前を向く女と…。不器用なんだけど誠実だから、ちょっとずつしか進まないんだけど、なんか素敵だった。
    男は襟足が大事だと私も思う(笑)。

  • 内容紹介
    “心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。
    喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。癒えぬ悲しみを抱えたまま明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。

    目利きがこぞって推薦! 書評家からの声、続々!

    チキン南蛮、椿姫、ガンダムプラモ
    素敵なものがたくさん詰った一夏の体験で、男と女は魂の再生を果たす。
    やり直せない人生なんてないと、この小説で知りました。―杉江松恋

    人の人との心が解け合っていく過程を丁寧に、じんわりと描いて、やがてこちらの心
    も柔らかくなっている。福々しい笑顔を持つ喜美子が最高に魅力的。―瀧井朝世

    次の季節に踏み出す力をくれる、胸震わせる珠玉のセカンドラブ小説。―三村美衣

    内容(「BOOK」データベースより)
    “心の風邪”で休職中の男と、家族を亡くした傷を抱える女。海辺の町で、ふたりは出会った―。心にさわやかな風が吹きぬける、愛と再生の物語。第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。

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