- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591110218
感想・レビュー・書評
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学生のとき、部活の夏合宿が尾鷲にあった青年の家で行われるのが恒例で、毎夏の4回、尾鷲に滞在した。テラスから見えた海は青く、湾の向こう側にある小島に波打つ海を今も憶えている。この作品は伊吹さんのデビュー作とのこと。彼女の作品には三重の香りが漂っていて、とても懐かしい思いがする。登場人物が皆、迷いながらもありたいところに辿り着いて、再び歩き出す。いい作品だと思いました。
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夏の風景が思い浮かぶ作品
再生の物語
舜くんが喜美子を見送るシーンが秀逸
マダムの言葉も薀蓄があって深い
なんといっても美鷲の家がステキ
あんな風に晩年を過ごせたらいいな
ラストはちゃんとハッピーエンドでよかった -
エリート社会をまっしぐらだった男が、母の遺品を整理するために和歌山の海辺の町にやってきます。
母親が終の住処として建てた岬の家。
そして、そこで出会ったペコちゃん。
二人は徐々に距離を縮めていきますが……。
オペラには疎いのですが、雰囲気で曲が流れて来る気がします。
走りっぱなしだった日々に、ふと立ち止まってみたくなる時、
この先の自分に自身をなくした時…、
寄り添ってくれる人がいる有り難さを感じます。 -
東京で仕事も家族もうまくいかない哲司。福を呼ぶペコちゃんと呼ばれる喜美子。38歳の二人の恋と再生。四十九日のレシピを想わせる書き出し(壊れかけた家に知らない女が入り、行き返っていく)だったが、恋愛物語だった。
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仕事に疲れ、家族に疲れて心を病んだ哲司は、亡き母が最後に過ごした場所で、同じ年の喜美子と出会う。いつも明るく振る舞う喜美子には、家族を失ったという過去があった。
暖かく、優しいお話。
以前手にした「四十九日のレシピ」とは違い、大人の恋愛模様も含まれていて、しっとりとした素敵な本でした。
美鷲の岬の家や、景色が目に浮かぶようで、読み終わるのがもったいないような気持ちになりながら読み進めていた気がします。
著者の本は2冊目。
他のものも、是非読んでみたいと思っています。 -
この人の作品は、期待している方向に結末を持って行ってくれるので本当に読んでいて幸せな気持ちになる。四十九日のレシピといい、この作品といい、温かい優しい気持ちにさせてくれる読後感。プロローグとエピローグも小気味良い。