([お]3-1)優しい子よ (ポプラ文庫 お 3-1)

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  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591111925

感想・レビュー・書評

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  • 自分の壮絶な痛みよりも、他人の痛みを感じて必死に祈ってくれる人がいる。愛や憧憬と呼ぶにもまだ早い、生まれたままの真っ新な素直な、優しさという贈り物。その感情がある限り、人生には価値がある。儚く花が散っても、青葉を実らせそしてまた美しく咲く、そんな桜の木を思い浮かべながら、人が起き上がる逞しさ、強さもそういうものなのだろうと感じました。神様でも運でもなく、人の優しさに感情の雫が溢れ出したのは、そこに確かな温度があるからだと思います。人は誰かがいて生きていける。大切な人を守る為の強さ、辛い時ただ静かに寄り添ってくれる柔らかさ、それらすべても人が人を想う優しさで繋がれていました。

  • 小説はけっこう読んでいるけどノンフィクション、私小説は初めて。小説とはちょっとイメージが違った。大事な人の生と死。泣けた。そして考えた。自分が大変な時に人に優しくでできるってすごいなと思う。ずっとそんな生き方ができたら、自分の子供がそんな風に育ってくれたらほんと嬉しいんだろうな。

  • 一人の少年と出会ったことで
    人生が、考え方が変わる話。

    <私小説>っていう括りがわかりづらい。

    人との出会いってほとんどが
    多かれ少なかれ人生に影響してくると思います。

  • 久しぶりに、分かりやすく、露骨に感動する本だった。
    じんわり涙がでる。

    生きることと、死ぬことと、生まれることと、運命と。
    この本がノンフィクションなのか、私小説なのか、わたしには分からないけど、そんなのは正直どっちだっていい。
    「マンハッタンのようだった」とか、「赤い色をした泥の水」とか、自分にない表現が好きだ。

    大崎さんがいうように、言葉が感情の死骸だとしたら、もっといとしくなってしまうなあ。

  • 10歳で死んだ少年との手紙のやりとりの話から始まり、我が子誕生でしめくくられるエッセイ集。
    禁煙がずっと続いてくれることを祈る。

著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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