- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591112496
感想・レビュー・書評
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人が
生き物が
生きて
死んでいく
そういう命のいとなみ、つながりを教えてくれる本だと思います。
たった2人の出会いから始まったファミリーツリーは、どんどん大きくなり、大木となる。
その間に、色んな生き物が死んで、生まれて
それを繰り返している
言葉にするのは難しいけど、生きるってままならないことばっかりだけど、悪いもんじゃないんだって、伝えてくれてる気がしました。
家族っていいなって思えました。
小川糸さんの描く物語は、しみこんでいくようです。
情景描写、心理描写がとてもリアルで美しい。
気が付いたらスーッとしみこんでいく感じです。
読んでる間は、切なかったり、悲しかったりするんだけど、読み終わったら「よかったね」って言いたくなる
そんな物語を書く人だなぁと思っています。
あと、20歳近くになってから出会って良かったなと思う作者ですね。
生々しさを、照れながら読むのではなく、受け止められる年齢になってから読めたのは私の幸運です。
隠さず伝えるまっすぐな文章がすごく好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
親戚同士のリリーとリュウの恋の話。と思いきや、読み終わってから数時間後に振り返ってみると、家族愛の話じゃないかと。
家事で大事にしていた犬の海が亡くなってから、ずうっとそのことを引きずるような感じのリュウ。
リリーも引きずりつつもちゃんと前と未来を見て生きている感じで、自然と二人の間には距離ができたり……。
リリーの祖母でリュウのひいおばあちゃんでもある菊さんが、2人に大切なことをしっかり教えてくれている感じで良かったです。
虐待をされても、生まれてきて捨てられても、家族とわざと距離を置いても、この世に生まれるということでたくさんの愛を受け取っていると言うことを伝えたかったのかなぁと思いました。
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家系図。
菊さんが犬を飼いたがらなかった理由。 -
リリーとリュウ君。ステキな2人の物語。
家族の話かと思いきや、血の繋がりが薄めな関係でも、一緒にすごした時間が家族って呼べるよね。菊さんもズハルおじさんも。あまりに登場人物が少ないけど、なんかこの2人の関係がずっと続けばいいのに〜って思えるぐらいステキな2人の物語。喧嘩とかリアリティもあるけども、この2人の前半の方が好きだな。感想がうまく言えないけど、とにかくステキなステキなお話でした。またもう一度読みたいな。 -
2017年1月13日 読了
小川糸さんは大好きな作家さん。
その中でも、この本は深く心に浸透しました。
ファミリーツリーは、家系図ってことだよね。
大切な場所&人をなくした人、家族や親との関係に悩みが
ある人、家族と離れて暮らしている人、田舎を出た人、ペットを飼っている&いた人、心に傷がある人。
読んだら涙腺崩壊しちゃうかもしれない。
そして、読了後は優しい気持ちに包まれて、感謝の気持ちでいっぱいになるはず。
この本を読んで、飼ってた犬のこととか、大好きだったおばあちゃんのことをいっぱい思い出してしまいました。
そんな思い出と共に読み、心が浄化されるような素敵なストーリー。
本でここまで泣いたのは、しばらくなかったな。
このタイミングで出会ったことも意味があると思う。
素敵な本に出会えたことに感謝です。 -
ぼろぼろ泣いた。
小川さんの作品に出てくる登場人物が好き。
リュウとリリーはもちろんのこと、菊さんが大好き。
海もゴボウも優しさが溢れている。
愛溢れる一冊。 -
人を好きになるってやっぱりいいかもと思った。育った環境が違えば、考え方や感じ方だって違って当たり前だ。リュウとリリーは恋路旅館で過ごす夏を通して菊さんからいろなことを教えてもらい、忘れられない経験をたくさん共有した。深いところで分かり合える相手に出会えることって奇跡的だと思う。大人っぽいリリーと不器用なリュウの恋が焦ったく、甘酸っぱい味が残った。装丁の絵が素敵だ。読み終わってから、二人に駆け寄る海がいることに気が付いた。
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江國香織の左岸、辻仁成の右岸を思い出した。
けど、こっちが断然すこやかに読める。
小川糸作品は食べて癒されるシーンもよいし(^^) -
主人公たちのそばにいる菊さんがとてもいい。
そうだよね、こういうことだよねって、しみじみと思える。
世界観がとてもよかった。
主人公が、リリーに感じる気おくれやいろんなものもよく分かる気がする。
自信を持って、信念を持って生きるって、どこかでえいやーってふんぎらないと進めないところもあるようにも思う。 -
命は連綿と繋がっている。みんな誰かの子孫で、みんな誰かの始祖になっていく。