天使の耳の物語

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著者 : 成井豊
  • ポプラ社 (2009年11月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591112540

天使の耳の物語の感想・レビュー・書評

  • 事故で頭を打ったことが原因で、他人の心の声が聞こえるようになってしまったお父さん。
    それにより、今まで平穏だと思っていた家族の本音を知り、ショックを受ける。
    今までの父親としての自分を振り返り、家族ときちんと向き合うために奔走する話。

    2012 6/18

  • 演劇集団キャラメルボックス2009クリスマスツアー『エンジェル・イヤーズ・ストーリー』 の原作本。

    他人の心の声が聞こえるようになった父親が
    家族の心が離れていることに気付き
    取り戻す話。
    あらすじを言えばそれだけの、よくある話ではある。
    が、引き込まれてしまう。

    舞台版と大幅に人物設定が違っていた。
    舞台にはあの設定の方が合っていたし
    小説で読むにはこの設定の方が合っている。
    この辺りは流石だなと思う。

    父親視点で見た幸せなクリスマスが冒頭に描かれることで
    その後いつの間にか見失っていた幸せが浮き彫りになる。

    詩郎は舞台版と同じく好青年で、父親とこの物語を支えてくれる。
    現実には、自分の心の中が相手に聞こえてしまうと知ったら、つい避けてしまうことの方が多いだろう。
    こんなにストレートに接することが出来る人間の歌う歌は、さぞかし心に響くだろうと思わされる。

    反対に秋人は、舞台版ほど存在感を感じなかった。
    あれだけの手話による演技だったからこそ
    体ごとぶつかるような秋人の熱さと静かさが伝わってきたのかもしれない。

    父の推理はとても強引で稚拙ですらあるが、
    年頃の娘から突然
    「秋人さん…」
    という心の声を聞いてしまっては、心配するなという方が
    無理だろう。
    が、強盗犯が金を奪った後、自分たちが捕まらないように
    何もしていないのは舞台版と同じで
    この辺りは多少書きこまれているかと思ったので期待はずれ。
    頭が良く行動力もある人間が、いきあたりばったりに金欲しさに犯罪を犯し
    その後どうなるか、自分たちがつかまったら
    秋人はどうなるか、ということに考えが至らないとは思いにくい。

    舞台版では大団円だった終わりも
    小説ならではのちょっとリアルなオチが、より一層
    誰も特別に幸せになった人はいない
    のに何故か心が温かく、明日に希望が持てる気がするラストに仕上がっている。

  • 高校の演劇部顧問をしている中年教師の「お父さん」は良妻とよくできた二人の子どもに恵まれ、平穏な日々を送っていた。
    ところが真面目だと思い込んでいた息子が音楽活動に熱をあげていると知り、息子の相方ともみ合いになって頭を強打したことが原因で、他人の心の声が聞こえるようになってしまう。聞こえてみれば、従順だと信じていた息子も娘も、自分を軽侮し、嫌っていた。
    家族を大事にしていると思い込んでいたが実は自分の都合ばかり優先させてきたことに気付いた父親は、再び家族とやり直そうと四苦八苦する。
    成井豊の作品は常に舞台化の影を感じるが本作はそんなこともなく、単純に小説として楽しめた。犯罪うんぬんのあたりは短慮だし飛躍しすぎというか、やはり芝居の盛り上がりを意識したのかなと思うが、頑固な駄目オヤジが頑固なりに頑張る姿は、無理がなくてしっくり心に落ちる。
    芝居も実際の声と心の声でふたりがひとりの役を演じる演出だったと知り、見てみたかったなと思った。

  • スピーディーな展開ですよ。なんか短絡的すぎんじゃないと思うとこもありますが、でまあ設定もありがち、主人公いいひとすぎ!(こうゆうとき、主人公に自分を重ねる作者のナルシズム、とか考えちゃうんだよ、で、かわいそう)とかもいろいろあるけど、膨らますのは(誤解をおそれず!)簡単、削るのは難しいんだよということで。
    眠れぬ夜のひまつぶし。にしてもあっさり読み終わり眠くもならず。

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天使の耳の物語の作品紹介

生真面目なお父さん、広告代理店勤めのお母さん、無口な息子、そしてどうも恋をしているらしい娘…いつのまにか心が離れてしまった家族を取り戻したい!お父さんの奮闘記。

天使の耳の物語はこんな本です

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