食堂かたつむり (ポプラ文庫 お 5-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591115015

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めは、失恋して声が出なくなるなんて理解出来んーって思って、主人公に共感出来なかったけど、読み進んで行くうちに、どんどん主人公の事が好きになっていました。
    主人公の倫子の作る料理が美味しそうで食べてみたい!
    内容も最初はフワフワした感じかと思ったら、豚の解体シーンが丁寧に書かれていて命を頂く大切さを感じました。
    母との確執はよくある話だけど、手紙のシーンでは大泣きしてしまいました。

  • めっちゃ良かった!一日一組だけの特殊なお店。とくに美味しそうだったのはザクロのカレー。自分で材料を調達するのが、いいなと思った。ザクロってその辺にあるか?
    つぎはあつあつを召し上がれを読みます。感想は今週の水曜日に投稿しようと思います!

  • 主人公(25歳女性)と同棲していたインド人の恋人が家財道具を一切合切持ってドロン。
    主人公に残されたものはおばあちゃんの遺品でもあるぬか漬けの壺だけ。
    ショックで主人公は声が出せなくなってしまう。
    ぬか漬けだけを持って失意のうちに実家に帰った主人公は、料理の腕を活かして、仲の悪い母親などに助けられて食堂を開く。
    この食堂が変わっていて、1日のお客は1組だけ。
    メニューは特に決まっておらず、お客と事前に面談を行なって希望を聞いてメニューを決める。
    この食堂で食べると希望が叶うというような不思議な評判も立ったりしてして、そこそこ順調。
    そうこうしているうちに母親が言ったのは…

    というような内容でおとぎ話的な純粋なほんわか小説ならまだ許せるんだけど、なんか主人公の考え方が気持ち悪いんだよ。
    自己中っていうか。
    あと作者が何を考えているのか、「どうしてここにそういう表現を入れるのかなあ?」というのが多数。
    早朝のバス停から実家に帰る途中でおしっこがしたくなって草むらで用を足した、という記述がなぜ出てくる?
    おそらく、まあ生きるってことはファンタジーじゃないんだよ、ということなんだろうけど、それにしても。

    あと、主人公を殴りたくなったのは次のシーン。
    主人公が小学生だった頃からの知り合いの熊さん(40~50歳くらい? アルゼンチン人の奥さんとは別居中)は食堂のリフォームなどを手伝ってくれた恩人。
    クリスマスの夜、熊さんに手伝って貰って、普段はやらないケータリングをやった。
    その帰り、雪が止んで、一瞬綺麗な星空が見えた時のシーン。

     ほんの一瞬雪が止んで、そこには無数のかすかな光が、灯し火のようにまたたいていた。
     熊さんが望むなら、一回くらいキスしてあげてもいいよ、と思えるくらいの、魔法をかけたみたいな星空だった。冷たい空気が、五臓六腑にまで染み渡っていく。(文庫版 157頁)

    あー 殴りたい! 殴っていいよね?

    あと、主人公(倫子)の実の母親だが、不倫でできた子供だから「倫子」と名付けたのだと子供の頃の主人公に言うのはいかがなものか。照れ隠しだったそうだが気持ち悪すぎる。
    ぬか漬けもあとで活躍するのかと思ったらそんなこともなかった。
    最後は、とあるものを食べて主人公が元気を取り戻すんだけど、ここの話の流れも唐突。
    感動すべきシーンなんだろうけど「なんじゃそりゃ」と本を一瞬投げ捨てたくなった。

    ということで★1つ。読むだけ時間の無駄でした。

  • えぐい、としか言いようがない。かわいらしいマカロンの中に、魚の臓腑が詰め込まれているようなえぐさ。
    倫理観がどうのとかそういう問題じゃなく、ただただ不快。文章軽いのにな…

  • 前半はファンタジーのようなお話で
    傷心の主人公が実家に帰って
    素敵な食堂を熊さんの協力のもと作ります。
    熊さんとの再会も木登りしてる時でほんと童話みたい。
    そして、なんとも美味しそうな心まで温まる料理がたくさん出てきます。
    (一日一組なんて採算取れてるのかしら)
    と心配するのは野暮というもの、
    ファンタジーなんだから、、と思って
    穏やかな時間に身を浸していたら
    後半、とても重くてびっくりしました。
    エルメスは豚だけど
    ペットとして飼っていると思っていたので
    ほんとショックでした。 
    そして
    「命をいただく」ということを私自身
    普段そこまで意識していなかったことに今更ながら気づきました。

    母親からの最後の手紙はなんとなく後付けの説明のようで、なかなか消化しきれないものがありました。

    読後に色々考えてしまう本だったので、やはりそれは名著という事なんでしょう。

  • 生きるために食べる事は、生命をいただくという事。
    改めて日々の食事に感謝。

    番外編のお話も良かったです。

  • どこかのサイトで紹介されてたので買った一冊。

    母娘の話

    料理の話でもあるんだが、いつも母の事を意識している感じがした。

    主人公の女性はなんか他の人と違って何かがない様に感じた。
    何がないのかわからないが
    執着心がないのか欲がないのか?

    お客さんの事を考えて作る料理とはどんなものなのか?
    その人だけの料理
    この本を読んでいてこの主人公の作る料理を食べてみたくなる。

    飼っているペットの豚を食べるシーンがある。
    そこだけは共感ができないなと感じた小説でした。

  • 失恋のショックからしゃべれなくなった倫子は、新規一転、実家でこだわりの食堂を始めることに。母親との確執と和解、頼れる近所のおっさん(熊さん)との交流、感動を呼ぶ素晴らしい料理の数々。

    どぎついことは起こらない。田舎を舞台としたほのぼの系の作品だった。こういうのも嫌いじゃないな。

  • 前半の軽いタッチのまま行くのかな、、、と思っていたら
    後半は一転してエグイ話が沢山。

    料理自体の表現や主人公のやさしさだけを求めて
    読んでいたらこの本はあまり好まれない。

    「いただきます」の意味ってなんだ、って話です。

    食べるためには殺さないといけない、
    その生き物によって生かされてる私たちですね。

    最後のおかんの手紙は良かったです。
    ごちそうさまでした。

  • 3冊目の著者の本。
    前2冊が良かったので、期待して読んだら後半…なんか違った…こういうこともある。

    命をいただくことの大切さが描きたかったのだろうか?それがペットの豚を食べること、偶然死んでた野鳩を食べること??途中ホラーだったのかと思ってもしかしておかんまで食べるんじゃないだろうな、っておもってしまったよ。。

    後半の部分で、前半は楽しめた気分も上塗りされてしまった。でも振り返ると所々、ギョッとするような心理的に不潔な描写もあったなぁ…

    人によって感想、好き嫌いも割れているようなので、面白いと思うけど。私の感覚には合わないなぁ。

    2020.7.12

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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