- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591115015
感想・レビュー・書評
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主人公(25歳女性)と同棲していたインド人の恋人が家財道具を一切合切持ってドロン。
主人公に残されたものはおばあちゃんの遺品でもあるぬか漬けの壺だけ。
ショックで主人公は声が出せなくなってしまう。
ぬか漬けだけを持って失意のうちに実家に帰った主人公は、料理の腕を活かして、仲の悪い母親などに助けられて食堂を開く。
この食堂が変わっていて、1日のお客は1組だけ。
メニューは特に決まっておらず、お客と事前に面談を行なって希望を聞いてメニューを決める。
この食堂で食べると希望が叶うというような不思議な評判も立ったりしてして、そこそこ順調。
そうこうしているうちに母親が言ったのは…
というような内容でおとぎ話的な純粋なほんわか小説ならまだ許せるんだけど、なんか主人公の考え方が気持ち悪いんだよ。
自己中っていうか。
あと作者が何を考えているのか、「どうしてここにそういう表現を入れるのかなあ?」というのが多数。
早朝のバス停から実家に帰る途中でおしっこがしたくなって草むらで用を足した、という記述がなぜ出てくる?
おそらく、まあ生きるってことはファンタジーじゃないんだよ、ということなんだろうけど、それにしても。
あと、主人公を殴りたくなったのは次のシーン。
主人公が小学生だった頃からの知り合いの熊さん(40~50歳くらい? アルゼンチン人の奥さんとは別居中)は食堂のリフォームなどを手伝ってくれた恩人。
クリスマスの夜、熊さんに手伝って貰って、普段はやらないケータリングをやった。
その帰り、雪が止んで、一瞬綺麗な星空が見えた時のシーン。
ほんの一瞬雪が止んで、そこには無数のかすかな光が、灯し火のようにまたたいていた。
熊さんが望むなら、一回くらいキスしてあげてもいいよ、と思えるくらいの、魔法をかけたみたいな星空だった。冷たい空気が、五臓六腑にまで染み渡っていく。(文庫版 157頁)
あー 殴りたい! 殴っていいよね?
あと、主人公(倫子)の実の母親だが、不倫でできた子供だから「倫子」と名付けたのだと子供の頃の主人公に言うのはいかがなものか。照れ隠しだったそうだが気持ち悪すぎる。
ぬか漬けもあとで活躍するのかと思ったらそんなこともなかった。
最後は、とあるものを食べて主人公が元気を取り戻すんだけど、ここの話の流れも唐突。
感動すべきシーンなんだろうけど「なんじゃそりゃ」と本を一瞬投げ捨てたくなった。
ということで★1つ。読むだけ時間の無駄でした。 -
えぐい、としか言いようがない。かわいらしいマカロンの中に、魚の臓腑が詰め込まれているようなえぐさ。
倫理観がどうのとかそういう問題じゃなく、ただただ不快。文章軽いのにな… -
生きるために食べる事は、生命をいただくという事。
改めて日々の食事に感謝。
番外編のお話も良かったです。 -
どこかのサイトで紹介されてたので買った一冊。
母娘の話
料理の話でもあるんだが、いつも母の事を意識している感じがした。
主人公の女性はなんか他の人と違って何かがない様に感じた。
何がないのかわからないが
執着心がないのか欲がないのか?
お客さんの事を考えて作る料理とはどんなものなのか?
その人だけの料理
この本を読んでいてこの主人公の作る料理を食べてみたくなる。
飼っているペットの豚を食べるシーンがある。
そこだけは共感ができないなと感じた小説でした。
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失恋のショックからしゃべれなくなった倫子は、新規一転、実家でこだわりの食堂を始めることに。母親との確執と和解、頼れる近所のおっさん(熊さん)との交流、感動を呼ぶ素晴らしい料理の数々。
どぎついことは起こらない。田舎を舞台としたほのぼの系の作品だった。こういうのも嫌いじゃないな。 -
前半の軽いタッチのまま行くのかな、、、と思っていたら
後半は一転してエグイ話が沢山。
料理自体の表現や主人公のやさしさだけを求めて
読んでいたらこの本はあまり好まれない。
「いただきます」の意味ってなんだ、って話です。
食べるためには殺さないといけない、
その生き物によって生かされてる私たちですね。
最後のおかんの手紙は良かったです。
ごちそうさまでした。