([た]2-1)書店繁盛記 (ポプラ文庫)

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著者 : 田口久美子
  • ポプラ社 (2010年4月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591117545

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([た]2-1)書店繁盛記 (ポプラ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「品揃えだけがとりえの愚直な本屋です」
     というのが、ジュンク堂書店新宿店がオープンしたときのキャッチコピー。
     これを見たとき、ちょっと感動した。書店のひとつの理想だと思ったからだ。
     実際、行ってみて、すてきだなぁとおもった。つーか、くらっときた。背の高~い書架が手前から奥までずわーっと並んでてさ。行けども行けども本また本で。ああ、この通路に寝袋敷いて泊まりたい……と切に思った。

     たぶん平均値より少しくらいは「本好き」だと思う自分にとって、この『書店繁盛記』はもりもりとおもしろかった。著者はジュンク堂書店池袋店の田口久美子さん。書店の現状、書店員の毎日の仕事、そして「本を売る」ということの難しさとおもしろさ……「リアル書店」の「リアル」が描き込まれていて、どの話もへーとかはーとかふーんとか鼻息すごーい感じに読める。
     とくにインターネットの大波が押し寄せて「この十年ほどで書店を取り巻く状況は大きく変わった」ことが、よくわかる。そうだよねー、単独書店としてはアマゾンってもう日本一の売り上げだよねとか。俺も「ウェブには在庫ありって載ってたもん」といって書店員さんを困らせたことあったなぁとか。身に覚えのあることが、書店員の視線から解説されて、なかなか興味深い話になっている。

     とくにおもしろかったのが、書店の「棚作り」について。ABCやリブロは、書店のセレクトを売りにしてきた。万引き対策(これがホントに書店にとっては大きな悩みなのだ)を考えると、書架は低いほうがいい。そして売れ筋の本を生鮮品感覚で仕入れして、旬のうちに売ろうとどかっと平台に積みあげる。
     それに対してジュンク堂は「どのジャンルも目いっぱい揃えました」という戦略。だから、売り場面積がいる。そして書架の「高さ」もいる。それで冒頭の「愚直な本屋」ができあがるのだ。
     そしてその広大な売り場・高い書架を、本で埋めなければいけない。この選書の作業が一苦労。「品揃えだけがとりえ」を実現するための「品揃え」の苦労だって、てーへんなのである。新宿店は正面に紀伊國屋書店を相手取っての出店なので、張り合おうと思うとなおさら通路が狭く棚は高くなる。書架の端っこには一般向けのを、中へはいるほどディープに……とか、並べ方にも気を遣う。ほんと、なにげーなく見ていても、そこには書店員さんの苦労と、そして職人的な苦心がにじんでるのだなーと思う。

     というわけで、本と書店を愛するすべての人にお勧めです。アマゾンは便利だけど、買えるものはなるべく「リアル書店」で買おう、と個人的には決意を新たにしました。

  • 同じ書店員としていろんな事を考えて
    (日々の仕事のあれこれとか書店や本のこれからとか)
    すごく泣けたのだけど、
    他の方のレビューを読んで、
    ああ、そうだよね一般的にはこういうクールな意見もあるよね、と、
    「棚をつくる書店員」と「本を買う一般のお客さん」とでは
    本屋の捉え方・思い入れの違いに深い溝があることを再認識させられました。

  • ジュンク堂書店池袋店副店長の田口さんの本。あの、通学経路の途中駅池袋にあるジュンク堂、大学時代には何度も行ってお世話になりました。読めばそのジュンク堂という書店(特に池袋)の内情がよくわかります。私の今いるような郊外型書店とは大違い。ただ、うちのチェーン店の本店(駅前立地の大型店)にいたことはあるので理解は出来ます。私としては、大型店のほうが楽しいよなぁ、と思うことが多いので、うらやましい気持ちでいっぱいになりました。

  • 書店員を40年続けている著者の古今をつらつらと書いている本です。
    かなりごちゃごちゃした文章で、書き手としてのレベルは低いと言わざるを得ないでしょう。内輪ネタ、個人名が多くてなかなか理解不能な部分が多い。ただ、書店員の飲み会にひっそり混じって耳をそばだてているような妙な楽しさも否定できない。人には勧めないけど書店が好きな人にはなんとなく貸してあげたくなる本です。

  • ジュンク堂池袋店の書店員さんのエッセイ。
    棚の分類、発注のタイミング、客注での冷や汗、手強すぎるお客様、等々。ご苦労様です!の連続。
    各フロア担当者さんの棚づくりへの悩ましい分類と情熱が知れ、行ってみたい本屋さんのひとつに。

  • カリスマ書店員と呼ばれる著者によるエッセイ集。さすがに書店や出版業界の状況や売れ筋本についての描写は見事であるが、何故か本に対する愛情が感じられない。

    著者は、盛岡に某大型ナショナルチェーンがオープンした際、宮沢賢治の本を並べれば良いだろうと仰ったお方。盛岡の本好きを馬鹿にしてるような発言に良い印象が無い。

  • 2015/3/25購入

  • 僕自身も元書店員として共感できる部分もあったため、あっという間に読み進めました。リブロとジュンク堂の違いや、新宿紀伊国屋の凄さ、棚作りについてはさすがだなぁと頷いてみたり、また、ところどころ出版社への注文や愚痴があったりして、それにもやはり共感できてしまいました。 終章ではこれからの若い書店員の方へのメッセージが込められてますが、登場する若手書店員の方々は皆、書店を志望して入社されているそうで、彼らの売場の工夫や棚作りを愉しむためにも、今後もやはり本は書店で買いたいと思わせる内容でした。

  • 書店員という仕事について知る事ができます。

  • 興味深く読める部分はある。
    が、それ以上にいちいち独善的とも思えるトゲのある表現が出てくるのがまず気になった。
    頓珍漢な持論を展開し自己完結している部分も多く、当初興味深く読んだ部分にも徐々に眉につばをつけて読み進めるようになった。

    また自店の非正規労働者も含めた若者や若者文化を低く見ているような傾向がみられる。
    (他にも来店客のこと等々敬意の感じられない描写が散見されるが割愛)
    この方は都心の大型書店の副店長であり、本書に登場するこの店の従業員がほぼ正規雇用の人物。
    現実には書店に限らず、多くの企業で正規雇用者より割合の高い多数の非正規雇用者に支えられ成り立っている。
    そのため高い目線で描かれている本書を読んでリアルな書店の現場が分かるかといえば、必ずしもそうとはいえないと思う。
    特に、書店の非正規雇用は他業種に比べ賃金が低いことが珍しくない。
    この業界ばかりではないが、書店業はなかなかハードな業務だと思われる。
    ただ、そこになんらかの魅力を見出せるからこそ低賃金でもハードな業務を続けられるのではないだろうか。
    そこを軽んじてはいけない。

    正直、この本を読んだ限り、自分には書店業の魅力があまり伝わらなかったし、この方の下で働きたいとも思わなかった。
    書店や業界の苦労話に比重をおかず、書店の良さももっと描いて欲しかった。

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本屋さんの棚には、私たちの未来がつまっている-。カリスマ書店員が、若い書店員たちの奮闘を綴ったエッセイ集。出版業界の現状、書店の事件簿、新規店舗の開店までの道のりなど、書店員ならではの視点で描かれた、リアルなエピソードが満載。

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