トーキョー・クロスロード (ポプラ文庫ピュアフル)

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著者 : 濱野京子
  • ポプラ社 (2010年3月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591117859

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トーキョー・クロスロード (ポプラ文庫ピュアフル)の感想・レビュー・書評

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  • わたしはそこはかとなく悲しい。




    初めて読んだのは恐らくハードカバーのものが出版されたすぐ後だとおもう。一度読んで、栞のキャラクターは私の中にすとんと落ちた。

    普段はコンタクトをして、髪もきちんと結った絵に書いたような委員長体質。たとえば行楽の観光にも資料を持っていくような。

    それが休日になるとメガネを掛け、櫛を通すのもそこそこに、時にはスウェットにジャージという格好で知らない街をただ歩く。
    そこにいる「わたし」は「わたし」であって「わたし」ではない。


    月を失った喪失感を埋めるように、休日の度にトーキョーを歩くのだ。
    トーキョーは狭いようでとてつもなく広い。


    読んでいて、その場に一緒にいるような気分になれる。
    どこからか夏を含んだ生ぬるい風が吹いてきて、なんだか甘酸っぱい気持ちになる。


    図書館の児童書コーナーにあった本だが、忘れられずについに文庫版を買ってしまった(笑)
    大人でも十分楽しめる物語ではないだろうか

  • 冒頭
    「毎日はいささか退屈ではあるけれど、おおむね平和で、楽しいことだってある。けれど、心の中には、ずっとあわい喪失感があった」

    この気持ちは私もわかります。
    私も高校生の時、毎日楽しくやってますみたいな顔して、何か窮屈だなってずっと思ってました。
    主人公は一事が万事、好きな人に対してさえも、冷静に一歩引く感じ。
    好きな人に抱き締められていても

    p207
    「身体は発熱しているのに、頭が妙にさえざえとして…」

    と感じています。
    このへんは読んでいて、頭でっかちなキャラだと思いました。すごくわかる。怖いから、動く前に考えてばかりで頭でっかちになるんだと思います。
    だから、好きなものが同じだったり、価値観が似ていたりしていて、身体も心も惹かれているのに耕也に踏み込めない。

    既に結婚し母となっている同級生の河田さんの旦那さんは、高校生らしいことも大切だと作中で言っていたけど、これは本当にそうだと思う。
    一歩引いて物事を見る様は、一見冷静で大人びて見えるかもしれないけど、踏み込んでいって相手と触れる経験を経ていなければ、ただ及び腰なだけでまだ子供だと思います。
    ジャズ喫茶の面々と触れ合ったり、街巡りをしたり、同級生の手作り結婚式をしたことで、主人公が少しずつ相手に踏み込む勇気を持って行くさまをとてもよく感じた作品でした。

  • 恋することってせつなくて、苦しい。
    主人公モリの気持ちがふつふつと伝わってきて
    読んでいるこっちも、きゅっと胸が苦しくなる。
    でも最後はなんだかちょっとにまにましてしまう。

    忘れられないかつての同級生。
    気になっている、なんて知られたくない。
    気づいてほしくない、でも気づいてほしい。
    矛盾する恋心。

    ちょっとツンデレな主人公が可愛いのです。
    そして彼女の周りのクラスメートたち。

    高校生活。
    あの頃って毎日が当たり前のようで
    なんだかその景色の中に自分たちはずっといるような
    そんな感覚があったけれど、でも同じ景色は続かない。
    駆け足で過ぎていって、その瞬間はその瞬間だけのもの。
    そんな青春時代。

    モリとツキシマの関係がもどかしくて
    その距離感がなんだかとてもいいのです。
    二人の何気ない会話とか、
    二人の東京散策。

    読み終わったあとはなんだか爽快で
    恋してたあの頃を思い出す。
    浮かび上がる情景。

    せつなくて甘い素敵な青春小説。

  • 「私はそこはかとなく悲しい」という冒頭の一文に、一気に物語の中へと引きこまれました。主人公の森下栞が感じる淡い喪失感という「そこはかとない悲しさ」は、誰もが奥底にもっているものだと思います。その感情を栞がどのように埋めていくのか。一人旅に逃げていた栞は初恋にどのように向かいあうのか。鮮やかに色づく景色に映る、栞の心情が印象的な一作です。

  • 一気に読んでしまいました。
    そして泣いてしまった。
    私もふらふら探検してみよっかな。

  • アニメーション映画『秒速5センチメートル』監督:新海誠氏のおすすめ本。
    新海氏が勧める本書は「せつなくもまっすぐな」小説。
    高校生になった森下栞は中学の時に同じクラスだった月島耕也に遭遇する。
    そこから色々とあるわけですが、久々に恋愛小説で良いと思った作品。

  • 切な甘酸っぱい感じでよかったー!
    やっぱり、坪田譲治文学賞の作品好きだわー♪

  • 別人に変装して、ダーツにあたった山の手線の駅で降りてみる。これが休日の栞の密かな趣味。そこで出会ったかつての同級生、耕也となぜか縁がきれなくて……。素直になれない二人をジャズ喫茶のバンドマン、一児の母、辛口の秀才、甘えん坊の美少女(すべて高校生!)が支える。

  • 恋に臆病な女の子で、でも大好きな気持ちが伝わってきて、初々しくもどかしい。
    恋心と同じように街を彷徨い歩く主人公が、たくさんの人と出会って、様々な関係を築いていけてるのが嬉しい。

  • 綺麗な表現に淡い気持ち、読みやすくて、そしてなんとも言えない私の中の感情が絶妙な言葉で表現されていてとても共感した。久しぶりにこんな素敵な本に出会った。

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