兄妹パズル

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著者 : 石井睦美
制作 : 片山 若子 
  • ポプラ社 (2010年5月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591118221

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兄妹パズルの感想・レビュー・書評

  • “「えっ?」
    「よそのお家の玄関のなか」
    と、ユッコは繰り返した。
    「玄関を開けると、よその家にはよその家の匂いがして、その家だけに通じる言葉やルールがあるじゃない?」
    「うん、まあ」
    そう言われると、そんな気がしてきた。わたしが両親のことをひとに話すとき父親母親と言うのは、わたしの母もまたそう言っていたからで、じゃあ父親は父親の両親をなんて言うかというと親父とお袋で、そっちのほうはふたりの兄が踏襲している。
    だからわたしはなんとなく、男の子である兄貴たちは父親の物言いに倣い、女の子のわたしは母親のほうに倣って、そしてそういうことはどこの家も同じだと思っていた。どこの家も同じにそうしていて、どこの家も男の子は外に対して――ある時期からは内に対しても――親父とお袋と言い、女の子は父親母親というものだと。”

    家族って、何?
    家族であること家族であろうとすること。
    家族だからこその秘密。

    “「このことも、ママたちに言ったほうがいいかな?」
    「亜実と話したってこと?」
    「うん」
    「そうだね」
    「そうだよね」
    気まずいけど、そのほうがいい。そのほうがずっといい。強くそう思った。そしてもう誰もが逃げたり隠したりもなしだ。それでもわたしたち三人は断然兄弟なんだから。わたしたちは家族なんだから。
    「あっ」
    わたしは小さく叫び声をあげた。
    「まだあるの?」
    上の兄貴がすこしあきれたように訊いた。
    「そうじゃなくて、ほら、外」
    そう言って、わたしは窓を指差した。上の兄貴の勉強机の先にある小さな窓を。
    「あっ」
    わたしと同じような声を上の兄貴も出す。
    朝焼けだった。兄貴が網戸を開けて、からだを乗り出すようにして朝焼けを見た。兄貴の机にからだごと乗って、兄貴にくっつくようにしてわたしも見た。朝焼けを。それから徐々に朝焼けが薄れ、空が白っぽくなっていくのを、見た。
    朝が来たんだ。”

  • 兄ふたりの末っ子、5人家族の亜実は高校2年生。
    しあわせな家族と信じきっていたのに、ある日とつぜん次兄が家出してしまう。

    こんなことでいいはずがない。
    みんながみんなやさしいふりをし続けていていいはずがない。
    ほんとうのことを隠し合っているところに、信頼とか愛情とか生まれるもんか、と思った。p.179

    同じテニス部の親友、サッカー部のあこがれの男子がからみ、欠けたピースが戻ってくればパズルは完成する...か。

    「Webマガジン ブンゲイ・ピュアフル」の連載6回に同量の書き下ろしをくわえて単行本化。

  • 初めは女子高生の明るいお話かな思ったんですが、ジュン兄が家出してから家族の姿が色々見えてきて、急に涙がこぼれてしまうシーン等は分かる気がする。それでも重い感じではなく爽やかに読めるのは家族みんなが自分の家族が好きだからなのだろう。

  • 最後なんだか駆け足気味に収束したけれど、ティーン向けの読み物としてはこんな感じでいいのかなぁ。きょうだいの秘密をあっさりしゃべってしまう同級生はいかがなものかとも思うけれども。2013/136

  • じわっときた……
    きょうだいっていいなーー

  • 石井さんのYA作品が好きだったので、久しぶりに手に取ってみた。
    ライトな語り口と引き込まれる設定でさくさく読めた。

    何で次男は家出したのか、家族に隠された秘密は何か。
    あっ、と驚くという訳ではないけれどあたたかさに溢れていて、自然と笑みがこぼれる作品だった。

    主人公亜実とユッコとの友情が良かったなぁ。

  • 表紙がかわいいですね。主人公の語りがつかみにくくて「うん?」となったものの、慣れてからはさくさく読み進めることができました。家出の謎だけを引っ張り続けたにしては長かったことにびっくりです。これも希望をもてるラストで好きですー!

  • 次男くんの家出というちょっとしたスパイスが、幸福に過ごしてきた平和的日常に揺さぶりを与えるという。
    文面は、おだやかであたたかな、雰囲気ただようお話です。後味もスッキリ。

    話の流れの起伏がわりと小さくしかも少ないので、アクションやサスペンスを好む方や、展開の大胆さを求める方にはちょっと楽しみにくいかも?

  • 予想通りの内容、軽く読めるお話。
    表紙買いしそうな感じ。

  • 後半からじわじわと涙が滲むようなお話でした。
    ところどころ文章が回りくどくて読み辛かったのが残念ですが、こんなに素直で優しい青春小説を読むのは久しぶりなので読んでよかったです。
    こういう小説、もっと読みたいなぁ。

  • 家族の繋がりを描いた作品。
    血の繋がりだけが重要なのではなく、一緒に過ごした時間や濃度こそが、家族としての接着剤なのかな と思いました。
    高校生の口語で文章がつづられており、やわらかい綺麗な日本語で書かれていればと、少し残念でした。

  •  高2の亜実には、2人の兄がいる。2歳上のジュン兄と7歳上のコウ兄。ある日、ジュン兄が理由も告げずに家を出る。数日後、はがきが届く。「思うところあってしばらく家を出ます 潤一」書かれているのは、それだけ。ジュン兄は、なぜ家出を?

  • 亜実の一つ上のジュン兄は、明るくて家族のムードメーカー的存在だった。
    そのジュン兄が大学生になったある日、突然いなくなった。
    数日後に1枚の葉書が届き、そこにはしばらく家に帰らないと書いてあった。
    家族の誰にもジュン兄の家出の理由が思い当たらず、たまに届く
    「元気です」の葉書だけが皆の救いだった。

    ジュン兄のいない生活になれない日々を送る亜実は、家族のこれまでを
    思い返しながら、ジュン兄のいなくなった理由を考え続けていた。

  • 私、これ、好きなんだ。
    世の中、もっと「良い本」はあるのだろうけれど、理屈抜きに好き。
    珍しく何度も読み返してしまった。
    石井睦美さん、好きだったもんね~~『卵と小麦粉とマドレーヌ』。

    浩一、潤一、亜実の三兄妹は、「おひさま」の春樹、茂樹、陽子と重なって読んでしまう。
    だから、浩兄さんは田中圭さんで、潤ニイは永山くん。亜実は井上真央さんじゃないのが、なぜか不思議だけど。

    今風女子高生の一人がたりでも、こんな風に聡明に、品よく物語を紡げるもんなんだな~
    たぶん、それは亜実の家庭によるところが大なのだろうけれど。

    とにかく、良いわ~
    思わず、ユーリーチンを作ってしまった。

  • 県立高校二年、テニス部所属。ボーイフレンド、なし。兄ふたりの五人家族、末っ子――
    そんな松本亜実の平穏な日常に、ある日事件が起こる。仲の良い下の兄貴「ジュン兄」が、突然いなくなってしまったのだ。四日目、はがきが届いた。
    「思うところあってしばらく家を出ます 潤一」

    ボーイッシュな妹が、お調子者の次兄の予想外の失踪を契機に成長していく様を瑞々しく綴り、「幸福とは」「家族とは」という本質的なテーマに迫る、ドキドキして心温まるファミリー・ストーリ(amazonより抜粋)

    なんでしょうか。
    面白さが見つけられませんでした。

    文章に主人公の突っ込みが入るのがとにかく嫌です。
    小説なんだけどとっても軽く感じてしまう。
    文章の表現も上手いなぁとはあまり感じられませんでした。

    兄が家出をした理由もなんか納得いかないし。
    納得というより、予想を全く裏切ってくれない。

    トントンと進んでいくだけという印象でしょうか。
    少女コミックを小説で読んでいる。そんな感じです。
    私は好きじゃないなぁ。

  • 先が気になり,一気に読みました。

  • こういう装丁お気に入り

    前半戦の流れは素敵だったけど
    後半戦はそうでもない感じがした

    家族っていいよね、みたいな話

  • ■ 10146.
    <読破期間>
    H22/12/13~H22/12/14

  • 絵に描いたような幸せな家族!!
    もちょっと何かイベントがあってもよかった気がします。

  • 兄二人と妹。これはまさに黄金の組み合わせじゃないか。しかも長男はデキがよくて下の兄は明るいスポーツマンで妹と仲がいい。エリートの父とお料理上手の母。そんな絵に描いたような幸せな家族に突然次男の家出という大事件が降ってくる。なぜ?なんのため?そして家族の抱える秘密が明らかに…悪意のない読み心地のいい小説。しかし石井睦美=駒井れん、ってのは知らなかったわー。

  • 県立高校2年、テニス部所属。ボーイフレンド、なし。兄ふたりの五人家族、末っ子。そんな松本亜実の平穏な日常に、ある日事件が起こる。仲の良い下の兄貴「ジュン兄」が、突然いなくなってしまったのだ。四日目、はがきが届いた。「思うところあってしばらく家を出ます潤一」(「BOOK」データベースより)

    ジュブナイルものですね。
    べたなんだけど、最後にはしっかり「家族っていいなぁ」と思わせてくれる作品。
    主人公・亜実の、等身大の語り口調が好感度大、でした。

  • <内容>県立高校2年、テニス部所属。ボーイフレンド、なし。兄ふたりの五人家族、末っ子。そんな松本亜実の平穏な日常に、ある日事件が起こる。仲の良い下の兄貴「ジュン兄」が、突然いなくなってしまったのだ。四日目、はがきが届いた。「思うところあってしばらく家を出ます潤一」。

  • ふたりの兄と仲睦まじい両親、仲良し五人家族で平和に暮らしている亜実だったが、ある日、下の兄が家出をする。
    理由のわからない家出に戸惑う亜実は、大好きな兄の秘密を知ることになる。
    いま、こんなに家族と真っ正直に向き合う女子高生っているのか?とちょっと皮肉な気持ちになるくらい明るく前向きな家族小説だ。

  • 泣いた。
    心が悲鳴をあげて、どうしてもそこにいられなくなって逃げ出したけど、ジュン兄は、ちゃんと向き合って戻ってくる。
    正直に、じぶんの気もちを話す。
    そのまっすぐな、逃げたけど逃げてない姿に涙がぽろぽろ。
    逃げ出す勇気もないもん、わたしは。

  • 末っ子の亜実。上の兄浩一、下の兄潤一。
    とても仲の良い家族だけど、ある日潤一が家出する。
    最後にはほっこり心が温かくなるお話でした。面白かった!

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兄妹パズルの作品紹介

県立高校2年、テニス部所属。ボーイフレンド、なし。兄ふたりの五人家族、末っ子。そんな松本亜実の平穏な日常に、ある日事件が起こる。仲の良い下の兄貴「ジュン兄」が、突然いなくなってしまったのだ。四日目、はがきが届いた。「思うところあってしばらく家を出ます潤一」。

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